ポケットメモ#47 幸せの大根おろし
■今日のポケットメモ
大根おろし器 愛情 逆なで
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ジャリ、ジャリ、ジャリ、ジャリ。
「愛情度、37てーーーん」
電子音の音声が響く。
まったく。
大きなお世話だっつうの!
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ワーママの夕食準備の時間は、戦場だ。
今日も定時に帰れなくて、残業1時間。
これでも、午後は「話しかけないで」オーラ全開にして、すごいスピードで書類を作成する。
「ただいま!」
帰宅の挨拶もそこそこに、リビングへ。
鞄はとりあえず、隅に置いておこう。
エプロンを着けながら、冷蔵庫のドアを開ける。
やっぱり、今日はサンマを食べたいんだよね。
解凍、バッチリだ。
冷凍物とはいえ、サンマには大根おろしでしょ。
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子ども達のおなかは、待ったなしだ。
「ちょっと、これ食べて待ってて」
・・・なんてやろうものなら、満足のいくまでお菓子を食べ続ける。
当然、食事は入らない。
それは、避けたい。
「もう、すぐ出来るから!
あとは、大根をするだけ」
すごい勢いで、大根をすりおろす。
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「愛情度、37てーーーん」
最近の大根おろし器。
おろす手を止めると、点数をつけて愛情を判定する。
これがウケているらしく、ノーマルのただすりおろすだけの大根おろし器が見つからない。
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電子音の大きな声が点数を告げる。
ぶちっ。
何かが切れた。
もう我慢出来ない。
こんな大根おろし器、壊してやる!
大根おろし器をつかんで、手を振り上げる。
その瞬間。
「ママ、おなか空いたぁ」と息子が後ろからドーンと軽くぶつかってくる。
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理性発動。
振り上げた右手をゆっくりおろす。
大きく深呼吸。
顔の筋肉をユックリ動かして。
ギギギー。
まるで、機械仕掛けの人形のように、振り返る。
「ごめん、あと少しだから」
にっこり笑って、答える。
「じゃあ、ボクが手伝ってあげるよ」
残っていた大根を持って、大根をすり始める。
鼻歌を歌いながら。
ゆっくり、ゆっくり。
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「愛情度、97てーーーん」
電子音が鳴り響いた。
今度の不燃ゴミの日に。
絶対この大根おろし器を処分しよう。
固く誓った。
<Fin.>
コチラは、ちょっと違うテイストで。
