AIに繋ぎたいけど公式がない — そのSaaS、教えてください
前に「3連続でやられた話」を書きました。
自分が作ろうとしていた業務SaaSのAI連携が、freee・マネーフォワード・kintone と立て続けに公式から出てきて、方向転換した話です。落ち込むかと思いきや、むしろ立ち位置がはっきりした。「公式が出ないであろうSaaSをうめる」に絞ったら、やることが見えてきました。
そのプロジェクト(mcp-jp)を、GitHubで公開しています。
そして今日は、その続きというか、お願いの記事です。
そもそも何の話だっけ
ざっくりだけ。
MCPというのは、AIが外部のツールやデータに直接さわるための仕組みです。これがあると、Claude や ChatGPT に「このSaaSのデータ読んで」「ここに登録しといて」と日本語で頼めるようになる。APIキーがどうこう、という手作業をAIの裏側に隠してくれる仕組み、くらいの理解で十分です。
海外の有名サービスはこの対応がどんどん進んでいます。でも、日本のSMBが実際に毎日つかっているローカルなSaaSは、ほとんど手つかずでした。大手や海外展開しているサービスはいずれ自分たちで出すでしょうが、日本のSMB専用みたいなツールは、ベンダーがわざわざMCPを出す動機が薄い。
ここに空白が残ります。その空白を、ひとつずつ埋めています。
いま動いているもの
今のところ、こんなサービスをAIから操作できるようにしてあります。
Lステップ(LINE公式アカウントのMA)
KING OF TIME / AKASHI / HRMOS勤怠(勤怠)
SmartHR(人事・労務)
カオナビ / HERP Hire / Talentio(採用・タレントマネジメント)
Mazrica Sales(SFA)
invox / Misoca / MakeLeaps(請求書・見積)
スマレジ(POSレジ)、クラウドサイン(電子契約)、Garoon(グループウェア)ほか
ぜんぶで34サービス。「日本のSMBがつかっているのに、公式MCPがない」ものを選んで作っています。

どう選ぶかで、ずっと悩んでいる
正直なところ、何を作るかが一番むずかしい。
REST APIさえあれば、コネクタ自体は数時間で作れてしまいます。問題は「作る価値があるか」のほう。需要がないものを並べても意味がないし、いずれ公式が出そうなものを今作っても、また「やられた」になる。
なので、机の上で候補を考えるより、実際につかっている人に聞くのが一番だな、と思いました。
というわけで、教えてください
ここからが本題です。
あなたの会社で毎日つかっているSaaSで、「これAIから操作できたら楽なのに、公式は対応してないんだよな」というものはありませんか?
勤怠、経費、請求、採用、顧客管理、在庫——なんでも
「毎月この入力作業、AIに任せたい」みたいな具体的な困りごとでも
サービス名だけでも
教えてもらえたら、需要として記録します。重なっているものから優先して作ります。実際、今載っているコネクタの多くも「自分や周りがつかっていて、不便だったから」作ったものです。
非エンジニアの方でも大歓迎です。というか、現場でそのSaaSを毎日さわっている人の「ここが面倒」こそ、一番欲しい情報です。コードは私が書きます。
気軽にひとことなら、この記事のコメント欄でも、XのDMでも構いません。きちんと依頼として残したい・具体的に伝えたいという方は、GitHubに簡単な入力フォームを用意しました。サービス名と「何を任せたいか」を書くだけです。GitHubのアカウントが必要ですが、こちらのほうが取りこぼしなく管理できます。

つくるより、続けるほうが難しい
最後にひとつだけ、正直な話を。
コネクタを作るのは、実は入口にすぎません。業務でつかおうとすると、APIキーをどこで安全に持つか、誰がどの操作をしたかをどう記録するか、ITに強くないメンバーでも使えるようにするには——という、地味で面倒な部分が必ず出てきます。
このへんを引き受けるのが、本当はこのプロジェクトの本題です。実装はGitHubで無料で配って、その「上」の運用の面倒を整えていく。だから、現場のリアルな困りごとを集めることに意味があります。
「うちのこれ、繋がる?」の一言から始めてもらえると、とてもうれしいです。
技術的な詳細(候補の選定基準、CIで陳腐化を弾く仕組み、実際のコード)はZennに書きました。
その後、
このプロジェクトの発信用Xアカウントが「偽装行為」で凍結されるという事件が起きました。顛末はこちら👇
