講師紹介 (2026/8/20更新)
今日の一歩が、十年後の誇りになる。
はじめまして。
新宿・血糖オタクの学校(メディノト主宰)の主宰/講師をしている、飯島です。
学校の使い方はこの学校の歩き方にまとめています。
このページでは、講師の私がどんな人間で、何を信じて、どんな気持ちで糖尿病と向き合っているのかをお話しします。
1. ふだんの仕事
新宿区で有床診療所(14床)の院長として、糖尿病・内分泌を中心に診療しています。
外来では糖尿病・内分泌のほか、発熱や循環器・呼吸器・消化器の初期対応も行う一般内科。訪問診療では後期高齢者の生活を支える在宅医療。入院では一般療養を中心に、急性期から退院調整、緩和、在宅へつなぐ支援まで、同じチームで切れ目なく関わっています。
また、糖尿病の新たな薬剤の使用経験や治療手法を、医師向けにレクチャーする機会もいただいています(年20件規模)。
資格・実績
糖尿病専門医/内分泌代謝科専門医・指導医
難病指定医/小児慢性特定疾病指定医
健康経営アドバイザー/G検定(JDLA)
メディア監修・取材:オトナンサー、日刊SPA!、マイナビニュース等、約15媒体・25本超
文化放送「Business & Innovation」インタビュー掲載(2026年3月)
2. いちばん大切にしていること
私の合言葉は「1/数千ではなく、患者さんにとっては常に1/1」です。
こちらにとっては日々の一例でも、当事者にとっては人生の重大事。だからこそ"慣れ"や"惰性"を警戒し、毎回の診療で自分に問い直すようにしています。
糖尿病治療の中心は、薬だけではなく「教育」だと考えています。
ただし、ここでいう教育は説教や管理ではありません。
「わかる(理解できる)→ できる(行動に移せる)→ 続く(生活に定着する)」
この3つが揃って初めて、治療は前に進みます。
そのためにはサイエンス(根拠)だけでなく、アート(その人に合う実装)が必要です。
数字は大事。でも、数字のために人生が壊れるのは違う。
「正しさ」と「続けやすさ」の両方を取りに行きたいと、いつも思っています。
3. 目指す店構え:ビブグルマンの医療
たとえ話をひとつ。
私が目指しているのは、有名ホテルのシェフではなく、下町のおいしい定食屋です。
ミシュランの星ではなく、ビブグルマンに載るような店。
専門的でありながら、敷居が低い。
「あそこに行けば大丈夫」と思ってもらえる場所。
大学病院にいた頃、気づいたことがあります。糖尿病の患者さんの多くは、大学病院には来ない。糖尿病は毎日の食事・仕事・家族・お金の事情、すべてが治療に絡む、生活と切り離せない病気です。それを最も必要としている人たちは、高度医療機関ではなく、地域の中に生きていました。
だから私は、届けたい人のそばにいることを選びました。クリニックも、このnoteも、その延長線上にあります。
4. どうして"診察室の外"にこだわるのか
医師は、論文を読み、ガイドラインを理解し、診療で判断することができます。
でもその知識を、市民のみなさんが使える言葉に翻訳する場は少なすぎます。
現実には、健康情報が「不安を煽る言葉」や「売りたい商品」に引っ張られてしまうことが多い。
そこで傷ついて、疲れて、諦めてしまう人がいます。
私は、そこにずっと違和感がありました。
病気そのものより、情報によって人が追い詰められる構造のほうが怖いと思っています。
だから、診察室の中で培った知識と感覚を、診察室の外にも持ち出したい。
テレビや雑誌はスポンサーの意向が入りやすい。お金の流れとは少し距離を置きながら、血の通った言葉で、目の前の困難を軽くする手助けがしたい。
このnoteは、そのための場所です。
5. 臨床の現場で痛感すること
毎日の診療で感じるのは、糖尿病が「意志が弱い人の病気」なんかではないということです。
仕事、家族、睡眠、ストレス、孤独、経済。そういう現実の上に乗っている病気です。
特に世間の「インスリン使用者」や「1型糖尿病」への偏見と誤解はキツすぎます…
病院だけで糖尿病は守りきれません。
スーパーで何を選ぶか、家でどう食べるか、どのタイミングで歩くか、眠るか。
市民一人ひとりが「何を知っていて、どう選ぶか」で、未来の合併症の確率は大きく変わります。
だから解決も"現実ベース"でなければ続かない。
この学校で重視しているのは、「頑張る」ではなく「設計する」です。
6. 原点:研修医時代の二つの経験
私がこのスタンスに至った原点は、研修医時代にあります。
一つは、上級医の指導のもとで不明熱の患者さんを担当したときのこと。
頭を捻り、資料を読み漁り、何度も相談を重ねる中で、一つの希少疾患にたどり着きました。
診断がつき、なんとか救うことができたときの安堵と喜びは、今もはっきり覚えています。
もう一つは、まったく違う形の学びでした。
若くして末期がんと診断された、2児の母の患者さん…
毎日のように病床でお話をしましたが、私にできることは「話を聴く」ことくらいしかない。当時まだ小さかったお子さんの成長を見届けられない。
その方と過ごした時間で感じた無念さは、今も医師としての軸に残っています。
「この方にとっては、世界でただ一人の医師なんだ」
1/1の哲学は、あの2年間に教えてもらったものです。
7. 講師も人間だから…
糖尿病専門医ですが、完璧な生活をしているわけではありません。
忙しい時期には運動が崩れるし、疲れて甘いものやお酒に手が伸びる日もあります。実際結構あります…
「今日はちゃんとしたいのに、できなかった」という日も普通にあります。
ただ、そのときに自分を責めません。
責める代わりに「戻す方法」を持っておきます。
10分だけ歩く。野菜を先に食べる。寝る前の2時間を整える。
眠れない日は優先順位を変える。
この"戻し方"こそ、みなさんに渡したい知恵です。
人生は乱れる。だからこそ、戻れる設計図が大事だと思っています。
8. この学校で私が約束する4つのこと
根拠を示すこと
できるだけ一次情報(ガイドライン・論文)をベースに話します。
「なんとなく」ではなく、「こういうデータがある」という形で共有します。私見も十分に混ぜますが、土台は常に現存する医学研究です。
実践に翻訳すること
難しい話を、家の台所と職場の椅子に落とし込みます。
「今日の一歩」を必ず置きます。
責めない・否定しないこと
できない日は誰にでもあります。
60点を続けることのほうが、100点を3日やるより強い。
私は本気でそう思っています。
いろんな医療機関の治療法にも、それぞれ良きヒントは転がっています。
商業色をできるだけ薄くすること
特定の企業や商品の宣伝記事は書きません。
「このサプリで血糖値が下がる」「この食事で糖尿病が治る」といった情報は一切支持しません。
薬や道具の話が出るときは、メリット・デメリット・他の選択肢まで含めて公平に説明します。
9. 参加者のみなさんへ
「糖尿病」は、怖い病名ではありません。
怖いのは、よく分からないまま放置されることと、孤独に抱え込むことです。
この学校が、みなさんの毎日を少し軽くして、未来のトラブルを少し減らす場所になれば嬉しいです。
学ぶ、試す、続ける。そして、外れても戻る。
一緒に、前向きな血糖オタクになっていきましょう。
今日の一歩が、十年後の誇りになる。
その一歩を、ここで一緒に。
つながる
講師の仕事へのスタンス:https://jyonetsu-doctor.jp/doctors/iijima_yasuhiro/
インタビュー記事(文化放送 Business & Innovation):https://businessinnovation.joqr.co.jp/interview/20260323-589/
大事なお知らせ
このnoteは医療情報の提供と学習を目的としています。個別の診断や治療の指示を行うものではありません。治療中の方は主治医の指示を優先し、体調に不安がある場合は医療機関へご相談ください。
いいなと思ったら応援しよう!
参加してくださってありがとうございます。チップはこの「学びの場」を育てるための応援として、とても嬉しいです。もし可能なら「どこが良かったか」「次に知りたいテーマ」も一言コメントで教えてください。次の記事に反映します。チップは無理のない範囲で大丈夫です。