“雑談なんて無駄”と思ってた私が変わった瞬間
「雑談って意味あるの?」と思っていたあの頃の私へ
「で、何の話だったっけ?」
会議の冒頭、上司が話し始めた世間話にモヤモヤしていた頃の私。時間が惜しくて、つい「雑談って無駄じゃないか?」と心の中でつぶやいていたのを覚えています。
私は昔から“効率”を重視するタイプで、仕事においても成果主義が信条。目的のない会話は時間の浪費とさえ感じていました。
だから、商談でも雑談は最小限。アイスブレイクより本題が先だと思い込んでいました。
でも、あるときを境にその考えがガラッと変わったんです。
むしろ、「雑談がなかったから、商談もうまくいかなかったんだ」とすら思うようになりました。
雑談は「信頼の通貨」だったと気づいた話
それに気づいたのは、ある商談の失敗がきっかけでした。
「御社の商品、他社とあまり変わらないですね」と、相手に言われて終了した案件。何がいけなかったのか、何度も振り返って見えてきたのは、“関係性ができていなかった”という事実でした。
その後、信頼されている同僚の商談を横で見学したとき、彼がじっくり相手の趣味や家族の話を聞いているのに気づきました。まさに雑談のプロ。
「あれ?この人、商談じゃなくて“関係構築”をしてるんだ」
そのとき、「雑談は信頼をためる“通貨”みたいなもの」だと腑に落ちたんです。会話の中でお互いの人間性が少しずつ見えてくる。そこにしかない関係性が、商談の土台になっていく。
無駄を嫌う性格が、関係性を壊していた
私は完璧主義気質で、無駄をとにかく嫌っていました。スケジュールも分刻み、タスクもToDoリストで管理。そんな私にとって、「無目的な雑談」は苦手の最たるものでした。
だからこそ、関係構築に必要な“余白”を、自ら削り取っていたんだと思います。
相手の名前を呼ばない、共通の話題を探さない、近況も聞かない――その結果、会話が「取引」になってしまい、“信頼”にはつながらない。
ビジネスは論理と成果、そう信じていた私の価値観は、気づかぬうちに人を遠ざけていたんです。
“成果主義”が生む、孤立とコミュニケーション不全
結果さえ出せば評価される。そう信じていた私は、関係構築の優先度をかなり低く見積もっていました。
けれど、気づけばチーム内でも孤立しがちで、気軽に相談されることも少なくなっていた。取引先との関係も、ギリギリまで進んだのに土壇場で流れる…ということが続きました。
「なぜ?」と自問したとき、成果だけでは人は動かないというシンプルな真実に直面しました。
信頼がなければ、どんなに論理が通っていても心が動かない。
雑談は、その“心の回線”をつなぐ手段だったんです。
「雑談を武器にする」ための3ステップ
雑談が苦手な私でも、実践できた方法があります。意識して取り組んだのは次の3つのステップです。
相手の「好きなことリスト」をストックする
商談中にポロッと出る趣味や話題をメモするだけ。次回の会話の糸口になります。会話の目的を“共通項探し”に変える
自分と相手の共通点を探すゲーム感覚で雑談してみると、構えずに話せます。“意味づけ”より“共感”を優先する
「で、それって何の役に立つの?」と考えるクセをやめ、まずは「面白いですね」と反応する。
この3つだけでも、会話の温度がぐっと上がります。
雑談が“受注率”を左右するとは思わなかった
雑談力を意識し始めてから、数字にも変化が現れました。
明確に覚えているのは、ある中小企業との商談。冒頭で相手が「最近ゴルフ始めたんですよ」と言ったのを覚えておき、次回の打ち合わせ前、「ゴルフは調子どうですか?」と軽く尋ねてみたんです。
私はゴルフをやらないので、「実はやったことなくて。でも始めたきっかけとか、面白さってどんなところなんですか?」と興味本位で聞いてみました。
すると相手は嬉しそうに、自分が始めた経緯や週末の話を語ってくれて、一気に距離が縮まりました。
その結果、商談はスムーズに進み、受注。
以前の私だったら、ゴルフの話題を“余談”として切り捨てていたかもしれません。
結果として、雑談を取り入れた案件の受注率は3割ほどアップ。
ヒアリングの質も上がり、相手の本音を引き出せるようになったと実感しています。
「雑談=信頼構築の最短ルート」かもしれない
“無駄”だと思っていた雑談が、いまでは一番大切な時間だと思えるようになりました。
もちろん、全ての会話を雑談にする必要はありません。
でも、ちょっとした一言のやりとりが、信頼の芽を育てることもあるんです。
「雑談が苦手」「意味がないと思っている」という方こそ、一度だけ意識してみてほしいです。もしかすると、それがあなたの“成果”を変える分岐点になるかもしれません。
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