発明を社会に届ける。その担い手たちはだれ?
偉大な発明も、わたしたちの生活を変えなければ、存在しないも同じです。
電球がはじめて発明されたのは1860年。
でも、電灯が普及したのは1882年になってからです。
その間、約20年。多くの人々にとって、電球は存在しないものでした。
前回の記事では発明を社会にとどけるには長い道のりがあり、
・技術とビジネスの両面を考える
・いろいろな専門家の力を結集する
この2つが必要なことを説明しました。
この記事では、発明を社会にとどけること「技術の社会実装」の担い手はだれなのか、そしてどうやって協力しているのか書きます。
社会実装の担い手はだれ?
技術をわたしたちの手元に届けてくれているのは誰でしょうか?
イノベーションや社会実装というと、よく産学連携と聞くので、「大学の先生と企業の人たち」という、ざっくりとしたイメージがあるかもしれません。
バリューチェーンに沿って、もう少し詳しくみてみます。
大学や企業の研究者たちが新たな研究成果を上げる
課題を解決したいという情熱を持った人(起業家/新規事業担当)が多くの人を巻き込み、研究成果を活用して製品やサービスを生み出す
お金を出す人(銀行、VC、政府機関の補助金、事業会社)が事業の成長のために必要な資金を提供する
製造/生産する人(メーカー)が工場を作り、大量生産できる形にする
流通/販売を担う人が普及に必要なインフラを整備し、販路を開拓する
使う人がこれまで慣れ親しんだ生活から、新しい技術を使う生活を受け入れてくれる。ハッピーに!
さらに、バリューチェーンにはでてこないけれど、大事な役割が2つあります。
法務・知財を支える人が、適切な契約が結べるよう援助する。社会実装の道のりにおいては例えば下記のような契約が必要
・研究成果や技術開発における知財を保護する
・複数の関係者が長期にわたって協力する
規制や政策を決める人が、ルールを定め、必要な市場を整備し、普及を後押しする
社会課題を解決したいという、情熱をもった人を中心に、これらの多くの人たちが集まります。そして、それぞれの人たちが、自分の役割を果たすことで、わたしたちの手元に技術が届くのです。
みんなで協力するためには何が大事?
技術の社会実装には多くの人が長期的にかかわります。
そのため、プロジェクトを進めていく中で意見の対立や衝突が起こることも多々あります。そんな中で長く協力していくためには何ができるでしょうか?
わたしは「共通の目的」と「お互いの異なる目的」を理解すること大事だと考えています。
共通の目的に立ち返る
社会実装に取り組む人の共通の目的は1つです。
社会課題を解決したい。
ボタンの掛け違いが起こったときは、まずはこの共通の目的に立ち返ります。
逆に、この目的が共有できなければ協力関係は構築できません。
お互いの異なる目的を理解する
では、その人特有の目的はなんでしょうか。例えば、下記のようなことが言えるかもしれません。
大学や企業の研究者たちは科学技術の発展に貢献したい
情熱を持った人は市場を創出し、ビジネスとして持続可能な形にしたい
お金を出す人はリスクをとるかわりに、大きなリターンがほしい
製造/生産する人は品質とコストの最適化し、安定供給を実現したい
流通/販売を担う人は多くの人に使ってもらいたい
法務・知財を支える人は法的に問題なく取引できる環境を整えたい
規制や政策を決める人は社会全体の安全と秩序を守りたい
使う人は困りごとを解決して、ハッピーになりたい!
それぞれの具体的な狙いは、各取り組みごとに異なります。
どんな課題を解決したいのか
その解決策としてどのような技術・製品を考えているのか
それぞれの役割・立場の人は具体的にどんな人なのか
相手の狙いを具体的に考え、そして理解することでより良い関係が築けます。
事業会社にいるわたしたちの狙い
最後に、事業会社ではない立場(研究者・起業家・投資家)で社会実装に取り組んでいる人に向けて、事業会社の狙いを共有します。
おおまかにくくると、事業会社の狙いは2つだと思っています。
高い収益をみこめる成長事業をつくること
社会貢献をして、企業に課せられている責務を果たすこと
社会の変化はこれまでになく速いスピードで起こっており、それに伴い、既存事業が立ち行かなくなるスピードも速くなっています。
・先進国での高齢化と労働人口の減少
・気候変動
・核家族化を例とするコミュニティの変化
・インターネット・クラウド・AIなどデジタルテクノロジーの急速な普及
変化を上げれば枚挙にいとまがありません。そして既存事業が予想だにしないところから、これらの影響を受けて衰退しています。
そのような状況で収益を拡大していくために新たな事業への参入が求められています。
また、近年CSRやSDGsが掲げられ、企業に求められる役割も変わってきました。単に需要にこたえるだけでなく、社会の一員として社会課題を解決することも求められています。
・これから成長が見込める新しい事業。
・今なお残る社会課題を解決すること。
既存の事業では難しいとこれらを達成するために、事業会社は社会実装に取り組んでいます。
いいなと思ったら応援しよう!
こんなところまでお読みいただきありがとうございます!
なにか心が動きましたら、チップでお知らせいただけるととってもうれしいです。この記事は noteマネー にピックアップされました

