楽で給料の高い仕事なんぞない。
「こんなはずじゃなかった」ベトナム人労働者が後を絶たない理由
海外就労の入り口
リンクの記事には、ベトナムの労働・傷病兵・社会省のコメントが引用されています。
”Doanh nghiệp khi tuyển dụng cạnh tranh không lành mạnh thông tin về công việc, về lương không chính xác làm người lao động ảo tưởng thu nhập cao. Theo Bộ Lao động, Thương binh và Xã hội, người lao động có ý định, nhu cầu ra nước ngoài làm việc cần tìm hiểu rõ thông tin. Sẽ không có công việc giản đơn, đào tạo ngắn, không có ngoại ngữ lại được hưởng lương cao khi ra nước ngoài làm việc.”
【送出機関は採用活動の際、仕事や給与について不正確な情報を提供し、労働者に高収入という幻想を与えることで不公平な競争を行っています。労働・傷病兵・社会省によれば、海外で働く意思がある、又は働く必要がある労働者は、情報を明確に把握する必要がある。簡単な仕事で、出国前研修も短く、外国語能力も必要がないにも関わらず、給料は高い仕事は存在しない。】
実際、ベトナムのSNS”Zalo”の技能実習生の募集グループには、「給料が高い・残業が多い・仕事は楽」といった投稿が散見されます。
募集ブローカーはこうした投稿で釣れた海外就労希望者を様々な送出機関に紹介をしていきます。
残念ながら人材自身も「楽して稼ぎたい」という意識がある為、少し考えれば胡散臭いと感じるような求人に引っかかってしまう例が少なくありませんし、実際、日本や韓国行きを騙った詐欺で数十万円を失ったというニュースが頻繁に流れてきます。
日本語って必要あるの⁇
又、人材自身の意識の問題点として、海外就労を希望するベトナム人に多く見られる傾向ですが、一刻も早く海外へ行き、働き、お金を稼ぎたいという人が多く、特に送出機関に入った当初は「日本語なんてできなくても、仕事ができればいい」という意識が強く、日本語学習に対して意欲の欠片もない人材が存在します。
送出機関が面接前や本格的な学習開始時点、或いは出国迄の半年の間に”なぜ日本語を勉強する必要があるのか”、”なぜ勉強しなければならないのか”、”上手になったら何があるのか”という「日本語の必要性や有用性」を説明し、理解させられればいいのですが、そもそも惰性座学だけをしている送出機関も多い上に、一度や二度説明した程度で、理解する人材も多くなく、実行(=勉強)する人材も決して多くはありません。
又、最終学歴が高卒の人材が圧倒的に多く、外国語の学習歴が長くなく、そもそも外国語をどうやって勉強すればいいのか、又は効果的な勉強方法がわからない人材もかなりの割合で存在しますが、ここもまた送出機関の教育部、教師にその能力がなく、”できないのは本人の能力のせい”であるとそのまま放置されることもままあります。
海外就労の入り口の魑魅魍魎
海外就労への入り口はベトナムの場合、募集ブローカー経由になることが多く、ろくに求人内容の説明を受けないまま送出機関で面接に参加する例がままあります。なぜ説明しないのかですが、募集ブローカーはそもそも、職種名・都道府県名・基本給程度しか情報を持っていません。更に人材自身もそれ以外の情報を事前に求めようともしません。面接時点で社名も具体的な作業も知らないまま参加する・参加させられることもあります。
そして送出機関も特に待遇が低い、或いは、不人気職種扱いされる面接の場合、待遇面を人材に曖昧に伝えたり、「残業が多い」等とありもしないものを勝手に盛ることもあり、情報を得る手段がない・方法がわからない人材が正確な情報を事前に得ることは非常に難しい面があります。
送出機関のフィルタリングの重要性
送出機関の業務は色々とありますが、継続的に顧客を獲得し、安定した経営をする為には、リピーターの存在が欠かせません。
そのリピーターを獲得するには、やはり人材の質が大きく影響します。
人材の日本語能力、勉強・仕事に対する意識等、評価ポイントはいくつもありますが、特に技能実習制度において、実習生を”解雇”するのは非常に難しく、日本の法令に著しく違反するレベルのことをやらかさない限り、どんなに箸にも棒にも掛からぬ人材であっても一度受け入れたら原則3年間の付き合いが有無を言わさず発生することになります。
その為、面接前、面接後、出国する迄の間に、明らかに日本での就労に適さない人材をきちんとはじくことができるのかが送出機関の重要な役割であると言えます。
ただ、残念ながら、現状のベトナムの送出機関は、インドネシアやミャンマーへの移行に伴う求人減で、経営が苦しくなっているところが多く、どんな人材でも兎に角送り出してしまいたいという意識が強くなっています。面接前や入国前の講習期間中に問題を起こした人材を日本側に報告せずにしれっと送り出している例も決して少なくないでしょう。
その結果、入国後・配属後にトラブルが起こり、ベトナム人労働者の評価が下がり、更に他国への移行を推し進める結果となっています。
勝手にまとめ
ここ1~2年、特に募集ブローカーの発言力が増した影響で、送出機関のフィルターが全く働いていない例が散見されます。面接の数日前、ひどければ当日送出機関に集まり、金太郎飴のような自己紹介、薄っぺらい質疑応答だけを持って面接に参加する人材も非常に多くなっています。私が採用する側であれば、誰も取らない・取れないと感じることも多くなっていると感じます。中には優れた人材も確かに存在しますが、一人あたり5分10分そこらの面接で見抜くのは至難の業ですし、宝くじで一等を当てる並みに難しいのではないかと思います。
日本側の方々は、現地面接であれば、航空券代やホテル代、時間を割いて面接をするので、採用0という決断を下す難しさはありますが、どうしようもない人材を雇い、トラブルに悩まされる3年間と航空券代・ホテル代の20万円弱そこらの金額を是非とも天秤にかけていただきたく存じます。
どちらを選ぶべきかは一目瞭然でしょう。
ベトナム人実習生の減少は、上がらない日本の待遇もある一方で、ベトナム側が抱える問題も少なからず影響はしており、ベトナムの”自滅”という言い方もできるでしょう。
