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歯医者さんで出逢った特別なトイ🦖[創作大賞応募作品]

今日は定期的に行ってるクリーニングのため歯医者さんだ。

今朝、寝たきりで認知症の母の口腔ケアをしてるとき、母に歯医者さんの話をする。
歯ブラシが口に入ってても母はしゃべってくれる。
自分の歯よりもママの歯の方がキレイに磨いてるよ、と言うと母の目は笑っている。


わたしは子供の頃家族でアメリカに住んでいたのだが、その頃お世話になっていた歯医者さんの話も母にしてみる。

アメリカで、我々はモリタ先生という日系人の歯医者さんに歯を診てもらってた。母は運転しないので、歯医者さんのある、都会に出るためのかなりの距離を、パブリックな交通手段を利用してた。
バスと電車。

我々が乗ってた電車は、進行方向に向いた席が半分、逆方向を向いてるのが残りの半分、そんな電車。わたしはその電車で、走ってる方向と逆を向いて座るのが大好きだった。

当時電車を利用してるほとんどの方たちは黒人だった。これは偏見ではなく、ただ、事実。
日本にいると体臭というものを感じることはほぼないかもしれない。体臭、それは汗の臭いやワキガとは別もの。

歯医者さんに行くため電車に乗ると、独特なキツイ体臭の臭いが車内に充満してたのをよく覚えている。

そんな風にしてモリタ先生のとこに通った。

モリタ先生の待合室には、歯医者さんの1コマ漫画が飾ってあった。この漫画、わたしは気に入ってたのだ。

アメリカの歯医者さんが皆そうだったかは知らないが、モリタ先生のところでは、治療が終わるとおもちゃがもらえた。

おもちゃは大きなプラスチックのバケツに入ってて、自分が欲しいものをその中から1つ選ぶ。これが毎回楽しみだった。
床に座ってバケツの中に入ってるたくさんのおもちゃから好きなものを探すのも好きだった。

今朝、母にもお話ししたのだが、モリタ先生のとこで選んだ、わたしのお気に入りのおもちゃの1つについて。
それは足が動くようになってるプラスチックの小さな人物。その人物はオモリのついたヒモにつながってる。
テーブルの角などにオモリを垂らすと、テーブルの上に立ってる小さな人物がオモリに引っ張られて、テコテコと歩く。

テコテコ、テコテコ。

テーブルの端まで歩くとピタッと止まる、そんなおもちゃだ。

一種のカラクリ人形だ。


母の口腔ケアを中断しながら、このおもちゃの説明を寝たきりの母の身体の上で説明すると、おもしろい、と喜んでくれた。


この話をしながら、よくよく考えると、アメリカにいる7年間、英語は理解するようになってもさほどしゃべることなかった母が、よくモリタ先生のとこまで娘2人を連れて通ったなぁと、感心するのであった。


で、今でも歯医者さんでおもちゃが欲しいわたしなのだ。


Randy Newman “You’ve Got a Friend in Me” (1995) YouTube 動画

"僕の中に、君の友だちがいるよ。
君がつらいと、僕もつらいんだ。 
だからずっとそばにいて、
いっしょに乗り越えようよ🎵"

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