「意識高い系」と呼ばれることの、異常性について。なぜ私はアメリカに来たのか?
まず私は、肉食を否定しません。
コンビニごはんも否定しません。
でも、他者の食の選択をあざ笑う人たちに、
黙っていることはできない。
日本でみんなが知っている「意識高い系」という言葉。
オーガニックにこだわる人。
菜食を選ぶVEGANの人。
無添加にこだわる人。
食の安全や地球環境を気にする人。
そういう人たちを指して、
「意識高い系」と呼び、「科学的な知識がない、バカだ」とあざ笑うインフルエンサーの言葉と、それを間に受けて人の信念や選択を批判する言葉を何度も目にしてきました。
私は15年間、この文化の中でオーガニック食品の会社を経営してきました。そして15年間、ずっとこの言葉が引っかかっていました。
少し立ち止まって考えてほしいんです。
世界を見渡せば、
宗教や文化、健康上の理由、倫理的な信念から
食を選ぶことは、ごく当たり前のことなのです。
ハラール、コーシャ、ヴィーガン、グルテンフリー。
それぞれの背景に、それぞれの理由がある。
誰もそれを笑わない。
それが、世界のスタンダートです。
でも日本では?
食にこだわりを持つことが
「カルト」のように扱われる。
手作り、オーガニック、ヴィーガン、無添加。
これらの言葉は、いつの間にか嘲笑される言葉になった。
その担い手たちは、「科学に無知なバカ」と括られた…。
私はこの異常性を、ずっと肌で感じてきた。
では、オーガニックの生産者たちは
なぜあんなに苦労して頑張っているのか?
土を守りたいから。
水を守りたいから。
次の世代に、豊かな自然をつなぎたいから。
「自分の子どもに食べさせたいものを作りたい」
その一心で、険しい道を選んでいる。
その選択を、バカにする。
私には、どうしても受け入れられませんでした。
同時に、経営上の現実もありました。
円安が続き、
ドル建てで仕入れる原材料のコストは上がり続けた。
30年のデフレが染み付いた消費者からは、
「高い」「高い」という声が返ってくる。
安くしろ、というなら、安くする方法はある。
添加物を使えばいい。
着色料、香料で誤魔化せばいい。
安い原料も日本の高い食品加工技術にかかると、
いつまでもしっとりふわふわに。
または、とろーりジューシーに。
でも、当社ブラウンシュガーファーストの原点は?
「これを、わが子に食べさせたいか?」を基準に食材を厳選する。
その信念を捨ててまで、
価格競争に勝ちにいく気にはなれなかった。
それは、私がやることではない。
だから、私は市場を変えることにした。
アメリカでは、オーガニックやプラントベースの
必要性を1から説明しなくていい。
消費者がすでに理解している。
小売店にすでに棚がある。
美味しくて、真摯に作られたものを、
正当に評価してくれる人たちがいる。
支払ってくれる人がいる。
日本を捨てたのではなく、
遠回りして、帰るつもりです。
アメリカで「Better Than Butter」が認められれば、
必ず日本のみんなも誇らしく応援してくれるはず。
「意識高い系」と呼ばれることを恐れて、
本当に大切なものを諦めてしまっている人が、
日本にはたくさんいると思う。
価格が少し高いことも、
距離を置く理由のひとつになっているかもしれない。
でも、ヨーロッパでもアメリカでも、
オーガニックや無添加の食品は
すでに「普通の選択肢」として棚に並んでいる。
特別な人が買うものではない。
日本だけが、その流れから取り残されている。
近い将来、日本でも
「こだわりを持つこと」が
普通のことになってくれたらと、願っている。
生産者も、起業家も、消費者も。
でも、世界の目線から見れば、
食にこだわることは、ただの「普通」だ。
その「普通」を、日本にも取り戻したい。
それも、アメリカに来た理由のひとつだ。
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