窓口の裏側で、そっと芽吹いた自信の話~新人Aさんの小さな成長記~
「福祉増進と職員負担軽減との両立をめざす」というテーマで発信している、みきやと申します。関西在住の地方公務員で、2027年4月の統一地方選で地元の市会議員になり、地場産業を取り戻すことをめざしています。
4月から新たに窓口対応をメインに担当されることとなった新人のAさん。以前の記事で頑張って作ったテスト問題をわずか8秒で流されるという悲しい経験について書きました。
ところがこのAさん、今週少しだけ自信を持てた出来事がありました。
今回のこのAさんの成長を見ていて感じたこと、改めて学びになったことについて書いていこうと思います。
Aさんの成長
役に立った雑用
ある日、児童手当について立て続けに質問をされるお客さまが窓口にいらっしゃいました。
「やばい、ちゃんと答えられなかったらどうしよう、、、」とAさんは内心ドキドキしながら対応していたそうです。まだ制度にも慣れていない中での対応に、不安は大きかったと思います。
でも、そのときふと、頭に浮かんだそうです。
「さっき折ってたチラシに、答えになることが書いてあったような、、、」
実はAさん、その日窓口に入る前に、児童手当の案内文を三つ折りにする作業をしていました。そのとき何気なく目を通した内容が、まさにそのまま、お客さんからの質問に対するヒントになっていたのです。
案内文を指し示しながら、落ち着いて対応したAさん。「自分で対応できた」という感覚が、自信に変わったようでした。
ちなみにどんなチラシかというと、児童手当についてよくある質問を3つに絞って答えをまとめたもの。
手当はいくらもらえるのか
いつ振り込まれるのか
誰がもらえるのか
これらについて記載しています。自慢じゃありませんが作成者は私。本当のねらいは裏面に書かれた、オンラインでの手続きの案内です。今回は「よくある質問」がいい働きをしてくれたようです。
私の話が腹落ちした
この話を聞いて、私はAさんにこう伝えました。
「役所で作ってるチラシって、意外と自分を助けてくれるから、一度見ておくといいですよ」
この言葉が、Aさんにはすっと腹落ちしたようです。
その後、ちょうどこの時期だけ発生する「市営住宅の受付」に関する案内にも、Aさんは自発的に目を通すようになりました。
市営住宅の家賃は、居住者の所得階層によって変動します。
そのため、窓口で対応するには、所得階層の算出方法を知っておく必要があります。Aさんは、案内文の中でその仕組みを説明しているページを見つけ、そこに付箋を貼っていました。
するとその直後、まさにその点について窓口で質問を受けたそうです。
準備していたおかげで、落ち着いて対応できたと、うれしそうに報告してくれました。
この日、Aさんは「隠れたファインプレー」を2つも達成。
こういう日々の積み重ねが、少しずつでも確実に、彼女の自信につながっていくのだと思います。
この経験から学んだ3つのこと
「ただの雑用」も成長のヒント
たとえ単純作業に思える業務でも、そこに成長のヒントが隠れていることがあります。チラシを折るだけの作業でも、中身に目を通しておくことで、実際の窓口対応に役立つことがあります。
資料のコピーを頼まれたり、人数分のセットを頼まれたり、冊子に紙を一枚挟み込んだり。色んな雑用があります。でもその時に自分が触れている資料を学びの機会とするか、ただの紙と認識するか。雑用もバカにできないなと改めて学ばせてもらいました。
役所のチラシは、実は頼れる相棒
市民の方に向けて作られたチラシは、よくある質問やトラブルを避けるための情報がコンパクトにまとめられています。今回は私が作ったチラシですが、電話でよく聞かれて少し辟易していたことに絞って記載しました。できるだけ大きい文字で、読めば分かるように自分なりに工夫したつもりです。
分かりやすいチラシはマニュアルと比べると精緻さでは劣りますが、その分、現場では即戦力になる場面も多く、窓口対応ではむしろ「マニュアルより使える」と感じることも少なくありません。
役所で作られたチラシは、現場の知恵と工夫が詰まった頼れる相棒なのです。
自分が使いやすい工夫は、市民にも優しい
Aさんは付箋を貼ることで、自分にとって情報を探しやすくしていました。これは決して自分のためにとどまらず、市民の疑問にすばやく答えられることにもつながります。その積み重ねが、結果的に市民の満足度向上にもつながっていくのだと、改めて感じました。
以上のとおり、
雑用も成長のヒントになる
チラシは頼れる相棒
自分で工夫することで、相手にも伝わる
ということを学ばせてもらいました。なによりAさん本人が深く学んでくれたと思います。
近いうちに業務理解度テスト第2弾を考えていますが、この次は8秒でやっつけ仕事にされる可能性は低そうです。
