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『私には関係ない』からの脱却─これからの行政は“市民の学び”がカギになる

「福祉増進と職員負担軽減との両立をめざす」というテーマで発信している、みきやと申します。関西在住の地方公務員で、2027年4月の統一地方選で地元の市会議員になり、地場産業を取り戻すことをめざしています。

新年度が始まり、私の職場でも組織体制が大きく変わりました。人事異動によってメンバーも入れ替わり、配慮が必要な職員も考慮した事務分担となり、慣れない仕事に追われるを楽しむ日々が続いています。

とはいえ、市民にとってそんなことはどうでもよく、いつもどおりに機能しているように見えなければなりません。ファインプレーに見えないようにするのが本当のファインプレーですからね。

そんな新年度がスタートしたわけですが、先日とある事件に遭遇しました。人手不足が発端なのですが、同時にそこから考えさせられたことについて書いていこうと思います。


遭遇した事件

新年度に組織内で起きていたこと

年度が変わって人事異動が発令されました。これにより長年福祉の窓口でオールラウンダーとして活躍されていた方が他の部署に着任されることとなりました。

今までは担当者が不在のときでも、オールラウンダーなこの方が一旦その場を取り繕うことができていました。こういった職員は私を含めて3名いたのですが、今回の異動でオールラウンダーとして動ける職員は2名になりました。

野球の守備で例えると、バックアップするプレーヤーが1名減った状態です。

そして発生した事件

そんなある日、予約なしで窓口に訪れた市民の方がいました。来庁時刻は午前9時20分過ぎ。その日はちょうど9時30分に予約が入っており、その瞬間はどうしても対応ができない状況。相談内容はひとり親家庭等日常生活支援事業。年間数人しか申請に来られないレアケースです。

私からは窓口で次のように説明しました。「恐れ入りますが、9時30分から予約が入っているため、10時以降であれば責任をもって対応させていただきます」と丁寧にご説明したところ、その来庁者はこう言い放ちました。

「そんなん私には関係ないやん。今日はこのあと他に用事あんねん。」

これはショックでしたね。
「どんなレアケースでも必ず誰かが受け付けろ。そして今受け付けろ。」という思いがこの言葉に凝縮されているように感じたので。

突然の来庁には何か事情があったのかもしれません。ですがこの事業は事前に登録した上で、支援員の派遣にも事前の連絡調整が必要な事業。別に午前9時20分に受け付けても10時に受け付けても全く差は生じません。ですが今すぐ受け付けてくれないことに対し、「それならこどもを家にほったらかしたらええってことやな!」と言って帰られました。

考えさせられたこと

今までの窓口の理念では持たない

日本の行政サービスは、これまで「誰にでも、いつでも、平等に」という理想のもとに運営されてきました。それはとても理想的な姿勢だと思いますし、私自身もそういう文化で育ってきました。

でもこれからの時代は、その前提を見直す必要があります。日本はこれ以上人口が増えることはありません。むしろ、今後は確実に人手不足が深刻化し、限られた人数で業務を回していかなければなりません。その中で「窓口に来たら必ず対応」というスタイルは、どうしても持続できなくなっていきます。

だからこそ予約制を導入し、丁寧に対応する体制づくりをしているのですが、残念ながら通じませんでした。

これからは”市民の学び”がカギ

今までは窓口対応も含め各種市民サービスが提供された当たり前で、そのサービスを提供できない場合は行政側の責任が問われてきました。でも、こういう時代は着実に終わりをむかえていると感じます。

だからこそ、これからはサービスを届ける側が変化に適応するだけでなく、
受け取る側も、少しずつ時代の変化を理解していく必要があるのではないか。

例えば郵便。過疎地で1軒1軒、人の手で数枚の紙を届けるというサービスには相当の対価が必要になってきています。それでは採算が取れないということで、デンマークでは郵便が廃止になりました。

こういった世の中の動きを知っていただくという意味で「市民の学び」が必要なのかもしれません。

それは決して「教育してやる」というものではなく、なぜこうしているのかを、ていねいに、根気よく説明し続けるという姿勢しかないよな~、と思っています。

「関係ない」と言わせないために

「関係ない」という発言をしてしまうような来庁者を生んでしまったのは、行政の責任でもあります。今までが良すぎたのだと思います。

お米も今までが安すぎました(その結果農家がつぶれていく)
水道も今までが安すぎました(その結果水道管がつぶれていく)
郵便料金も今までが安すぎました(その結果、、、!?)

役所の窓口サービスも今までが充実しすぎていた結果、人手不足でも続けようとすると職員がつぶれてしまいます。

社会の変化を市民とともに受け止め、行政サービスの形を模索していくというのは永遠の課題かもしれません。まずは現場でできることを実行し、少しずつでも文化を作っていきたいと思っています。

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