お茶好きは写真好き? 茶葉を撮りたくなる衝動
「この茶葉、美しすぎて、飲む前にまず見惚れてしまう…」
気づけば私は、「味わう」だけでなく「眺める」ことにも夢中になっていました…。
これは何の写真かわかりますか?

緑茶を淹れているところになります。
長さ約8cm、幅約1cmの平べったい形状の茶葉。
太平猴魁(たいへいこうかい)という、中国安徽省黄山市で作られる中国緑茶です。
独特な形が魅力なこの茶葉は、一枚一枚網の上に広げて乾燥させるため、表面に残る網目の外観も特徴になっています。
美しいと思いませんか?
中国緑茶は茶葉の形がユニークなものが多いのです。
中国茶というと烏龍茶のイメージが強かったのですが、実は生産量の6割が緑茶(台湾を除く中国本土のみ)なのです。
そんなこともお茶の勉強をするまで知りませんでした。

右は中国緑茶(龍井茶)
基本的な製造工程は同じだが、
製造方法が違うため、
香りも味も、良さが異なる
私がお茶の世界に入ったのは、10年程前のことです。
香港が好きで、中国茶を飲む機会は多かったものの、知識もなく、正しい淹れ方も分かりませんでした。
「せめて基礎的なことだけでも知りたい…」そう思い、学び始めたのです。
ところが、いざ勉強を始めるとその奥深さに魅了され、気づけば中国茶だけでなく、日本茶や、インド、スリランカ等の紅茶まで、どんどん世界が広がっていきました。
飲んで学んで、さらに飲んで…。
気がつけば、お茶の魅力にすっかり夢中になっていました。
なかでも、私が強く惹かれたのが「茶葉の美しさ」。
その繊細な形や色、香りに取り憑かれたのです。
そのきっかけとなったのが中国緑茶でした。

中国を代表する緑茶
長さ1〜1.5cmの平べったい茶葉
茶葉の個性は、味や香りに影響を与えるだけでなく、そのお茶の背景を物語っています。
中国茶の中でも、特に緑茶は形を重視する為、技を駆使して美しい形に仕上げているのです。
さらに、茶殻もまた美しいものです。
よく観察すると、茶殻から茶葉の品質の良さが分かることもあります。
そして、勉強の過程で、茶葉や茶殻の外観を覚える必要が出てきたため、写真を撮り始めました。
茶葉の標本写真を作ろうと思ったのです。
写真を撮るなら、「これ、インスタに載せたら整理しやすいかも?」と思い、投稿し始めました。
お茶の標本写真って映えませんが…

西湖周辺のものは品質が良いとされる

茶葉が巻貝のように縮れ、
色彩が碧(みどり)で早春に摘まれることから
この名前に

雀舌の形、象牙の色が特徴
そのうち、茶道具やテーブルセットの写真など、茶葉以外の写真も載せるようになったものの…
いつの間にか私のインスタ画面は、茶葉と茶殻の写真ばかりの地味な世界に埋め尽くされる結果となりました…。

茶葉が瓜の種の形に似ていることと
産地の六安からこの名前に

大陸の碧螺春とは形が全く異なる
地味です。
でも、私は熱中しました。
どうやったらきれいに撮れるかを追求していくことは、茶葉をより観察することにもつながります。
写真を撮り続けてきたら、初見の茶葉でも、味や飲んだ時の香りも想像つくようになってきたのです。

四川省の緑茶
竹の葉に似た青みのある茶葉
茶葉が美しく、様々なのは緑茶に限りません。
お茶は基本的に、緑茶、紅茶、烏龍茶、黒茶、白茶、黄茶と6種類に分類されますが、茶の樹の葉や芽を原料として、製造工程の違いで分かれるので、仕上がった茶葉も、それぞれユニークなものがたくさんあるのです。

「白毫銀針」という白茶の歴史名茶
白毫に覆われた新芽が針のような形をしている

台湾の烏龍茶
団柔という作業で球状に
もちろん中国茶以外のお茶もバラエティーに富んでいます。

こちらはサマビオン茶園のもの
紅茶とは思えない、あっさりとした渋みが魅力
他にもたくさんありすぎて、話が止まらなくなるので、語りたい衝動は、ここで一旦おさえます…。
今日も、茶葉を見て楽しみ、飲んで満足し、飲み終わってからも発見する日々を送り続けています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
