セコくて結構。志低めの、スランプとの付き合い方。
今でこそ地に足がつかないフリーランス稼業であるが、わたくし20年以上、化粧品会社のコピーライティングひと筋という(自己紹介こちら)常に煮詰まる5秒前、いつだってスランプ街道が横にどーんとあった。
「よく飽きずに続けられるね」と度々言われたものだ。なぜ続けてこれたんだろう。
今回の記事は、日経COMEMOとnoteの共同お題企画「#スランプの乗り越え方」がテーマということもあり、「乗り越える」なんぞ到底無理だが、私なりの付き合い方を書いてみたい。
天才のスランプを近くで見れた
会社に感謝しているのは、社内外の沢山の天才たちにお会いできたこと、また一定期間付き合うことで、天才たちの不調も目の当たりにできたことだ。
いきなり志が低くて恐縮である。人の失敗を見て喜んでいるのと全く変わりない。
1回だけの企画、講演会等々限られた場面だけだと気づけないのだが、何ヶ月・何年と続いていくと、毎回特大ホームランという訳ではないのだなと知った。空振り、もしや不調…?と思うときさえ。ただよーく思い返すと「スランプ」というより、何回かの空振り程度だった気もするが、天才もひとの子なんだな…と凡人を勇気づけるには十分だった。
自分なりの「せめて」を守る矜持
しかし天才たちは、よい企画が出せなくても、何かしらで爪痕を残していた。参考資料で「こんなモノどこから」というお宝を持ってくる、アイデアが出せなくても周辺にあるキーワードを出す、何ならおしゃべりだけで場を温める、そうしてどうにか場をつないでいるうちに、糸口をみつけて形にしていたように思う。(時間稼ぎともいう)
だから結局天才は天才ではあったのだが、毎回100点取らなくていいんだ。調子が悪い時はハードルを下げたり、すこし横にまわってみたりしてもいい。でも自分なりの「せめて」という一線を守ることがプロとして大事なのだと知った。
私の場合は、満点じゃなくともせめて締切は守る、がプライドになった。
できないことにフォーカスすると煮詰まるが、今この瞬間にできることから考えると動けることが見つかったりもするし、交渉できる余地も実はあったりする…ときもある。
人のキラキラに惑わされるな!
誰かに怒られそうだし、自分の首を絞めそうな気もするが、思いきって話すと。経歴に騙されないでほしい。特にすごい人のプロフィールブックなどは、スランプという曇りなど一点もない輝きを放っているように見えて凹むが、そういうものは、一番よいところを凝縮して、いかようにも美しく書けるものなのだ。
闇に葬りたかった黒歴史仕事、スランプ…仕事を長く続けていればそれなりにあるのだ。大丈夫、みんな色々ある。
一旦離れるのも、やはりアリです
それでもスランプとの付き合いが長引くときは、一旦離れてみるという方法はやはりあると思う。
先日、山に行く仕事があり(って何だよって感じですよね)自分と全く違う世界に身を置く人達がとても心に残った。彼らは良い意味で、まさに地に足がついていて気持ちがよく、鎌か何かを腰に下げて、身軽にひょいひょいと山を登る姿があまりにまぶしかった。
どんな青春を送って、この仕事に就かれたんだろう。山で働くって素敵だなと思いつつも、自分に全く特性がなく、何か書くことのほうがこの世でお役に立てるなと実感した。
逆に山の方たちも、私のような、いつもの仕事と関わりがない人と話すことで、自分たちの仕事を改めて新鮮にとらえることができると話されていたのが印象的だった。
それでもダメならリセットもあり。正直にいうと、私も会社を辞めて気づいたところが沢山あった。離れてみて、当たり前のようにすぐそばにあった文化や研究の深さを尊敬し直したし、もっと会社の中にいるときに勉強しておけばよかったと後悔した。
書くことに対しても、あのときより神聖で新鮮に感じられている。
失って気づく、人間ってどうしてそうなんだろう。ばかよね。
それでも今はこの選択で良かったと思っているのだけど。
日経で私がフォローしているAnswersの連載。
決まった文字数のなかで語られる葛藤や挫折は限られているが、それでも働く人の数だけドラマがあることに励まされる。
「Answers」のニュース・最新情報 - 日本経済新聞
もがくことは無駄じゃないし、セコくてもダサくてもいいじゃないと思ってます。
また来月!
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ここまで読んでいただきありがとうございます。
読んで、少し心がゆるんだり、逆にドキッとしたり、くすっとしたり。
おやつ休憩をとって、リフレッシュする感じの場所に
ここがなれたらうれしいです。
