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書店に並ばない本が3ヶ月で実売900部を突破。書籍出版経験ゼロの私が、インプレスNextPublishingの岡本編集長と歩んだ出版の軌跡⑤

努力は必ずしも報われるものじゃない。けれども、続けなければそもそも土俵に立つことすらできない。

 ただ、ゴールテープの見えない場所を目指して走り続けるのは、正直しんどい。むしろ続けるほどに「自分は、なぜ頑張っているのか」を見失ってしまうこともしばしば。

 きっとそれは、ゴールが明確に定まっていないのかもしれないし、そもそもゴールの手前に霧がかかっているからなのだろう。そして、霧をかけているのは自分自身かもしれない。都合のいい幻想で蓋をしているのだ。

 昨年から、創作大賞を目指したり、noteをブランディングや息抜きの場として使い始めた。SNSでは

「noteを続けていたら、出版社やテレビ局から声をかけてもらえました」

という声を目にすることも増えた。そんな中で、ふと私はある疑問を抱くようになった。

メディア(出版社やテレビ局の人も含む)の人は、どんな基準で著者候補を探しているのだろう、と。

 気になり始めると、誰かの憶測や考察よりも私の場合、直接出版社の人に聞いてみたくなる。これはきっと、私がライターという職業を続けてきたからこそ芽生える感情なのかもしれない。

 嫉妬より疑問。好奇心――日頃から出版は「著者の権威性」が求められるという話を耳にするけど、本当なのか。きちんと、作品は評価されているのか?

 どちらが良いとかダメとかいう訳ではなく、できることなら実際に現場で活動してきたメディア側の人の立場から、お話を伺ってみたい。

 その疑問を、ほんの少しだけ解き明かせる瞬間が訪れた。

インプレスNextPublishing編集長に、ガチで聞いてみた

 12月18日、インプレスNextPublishing編集長の岡本さんによる第5回目のオンラインセッションを受けました。

 この度、岡本さんからの依頼を受け、ビジネス系(ライティング関連)の書籍を執筆。本の執筆、校正はすべて完了です。最初のうちはWEB記事を書いてきた癖がどうしても出てしまい、何度かアドバイスを受けて修正を重ねてきました。 

 本を書き始めた頃の私は、どうしても自信のなさが随所に滲み出てしまっていました。

 幼い頃から母に「あんたはどうせ、何をやってもダメ」と否定されて育ったせいか、仕事の出来云々以前に「自信を持つ」ということ自体が苦手だったのです。

 だから、noteでも仕事のノウハウ的なことはあまり書いてきませんでした。ノウハウがなかったわけではなく、ただ「自信をもって伝える」ことができなかったのです。

 そんな私に、岡本さんは何度も声をかけてくれました。

「自信を持ちましょう」
「みくさんにしか書けないものがあるはずです。そこに自信を持ってください」

 その言葉に励まされながら書き続け、書き終えた頃には、少しずつ自信が身についていった気がします。それにしても、岡本さんは人に自信をつけさせるのが本当にお上手です。もし青春時代によさこいサークルで同じ部員として出会っていたら、もしかすると(私が)惚れていたかもしれません。

 自信は自分でつけられたら一番ですが、それが無理なら第三者から(信頼できる人を選ぶのが大事)暗示をかけられることって、本当に大切だと思いました。

 他にも、創作大賞で中間選考に通過した小説にも目を通してくださり、商業出版を目指すなら必要な部分など、いろいろアドバイスもいただきました。

今回、みてもらったのはこちらの作品です。ミステリー小説部門で中間選考突破しました。

岡本さんからは、

「コンテンツとしてすごく面白かった。冒頭で結末を先に見せる構成も素晴らしくて、思わず夢中になって最後まで読んでしまいました」

と評価していただきました。その上で、

「僕の場合、本を読む時に〇〇をイメージするので、△△のシーンが欲しいです」
「こうしたら、もっと良くなると思います」

といった具体的なアドバイスまでいただけて、本当に助かりました。自分では「読者」の目線がわからないので、第三者の的確なアドバイスは参考になります。

 小説の感想をいただいた後で、これまで私が疑問に思っていたことを尋ねてみました。それは、著者候補を探す時にどこを見ているかといった点です。

 岡本さんが今回私に声をかけてくださった理由は、「クズ男エッセイコンテスト」がキッカケとのこと。

 応募した作品はエッセイなのに、まさかのビジネス著書出版へ。

 何がどこでどう転がるかわからないもんです。これだから人生は面白い。チャンスは、来たらまず乗っかってみる。そして、ガンガン面白がることでどんどん大きく育っていきます。

 当時、岡本さんは審査員を務めていました。エッセイを読んだ時から、私のエッセイが「凄いな」と思っていたらしく、いつか声をかけようと思っていたそうです。

 その頃の私は、「クズ男への遭遇率なら、誰にも負けない」と妙な自負を抱いていました。もちろん、現実ではクズ男に引っ掛かって遊ばれるなんて、決して誇れるものではありません。

 けれど、テーマが定まっているコンテストでは、それが「誰にも負けない強み」へと変わります。募集要項を見た瞬間に「これだ」と思い、私は迷わず応募しました。

 コンテストの中には、テーマが明確に設定されているものも少なくありません。そのテーマ性が自分の経験や強みにぴたりと重なるなら、応募しない理由はないと私は確信しています。

 クズ男エッセイコンテストは、出版社が主催でした。こうした公募に顔を出すことで、もしかすると出版社の方に名前を覚えてもらえるのかもしれません。

 実際に声をかけてもらえたのは、それから5年も経ってからのことでした。もしかすると、公募で受賞してすぐに反応がなくても、メディア側の都合でタイミングを見計らっているケースもあるのかもしれません。

 その後、岡本さんはビジネス系の超大手D社へ転職されました。大手出版社ともなると「著者性・権威性・企画力」などがより強く求められるため、ライターという肩書きだけでは切り口が狭くなり、声をかけるのが難しくなってしまったそうです。

 もちろん、ライターとして大手で出版されている方も数多くいらっしゃいます。ですから、これは私自身の著者性の弱さも一因だったのだと思います――どうか読者の皆さん、あまり深く突っ込まないでくださいね。

狭いターゲットへ「深い情報」を届ける立場に

 昨年8月より、岡本さんは電子書籍レーベル『インプレスNextPublishing』の業務委託編集長として活動を始めます。出版社では、「広く浅く」ではなく「狭く深く、誰かの心に届くコンテンツ」を企画するようになりました。

 岡本さんによれば、こうした企画を立案するようになった背景には、以前から「狭く深いコンテンツ」が求められていたことがあるのではないかとのことです。AI時代に入り、検索で誰もが簡単に得られる情報よりも、人の経験から生まれる「深い気づき」に価値が置かれるようになったのかもしれません。

 そうした流れの中で、岡本さんが担当した『キャリコン1年目の教科書』が、実売1,000部を突破しました。

noteではコンテストも開催されました。受賞者のみなさん、おめでとうございます。

 その経験から、岡本さんはターゲットが限定的であっても、質の高いコンテンツを提供すれば、価格をやや高めに設定しても一定の読者に受け入れられるという確かな手応えを感じたそうです。

 マーケットを掴んだその流れの中で、「現代に求められるテーマ」と「著者性」が重なったとき、ふと私の名前が思い浮かんだ――どうやらそういうことらしいのです。となると、出版とはやはりタイミングなのかもしれません。

著者を選定する際に重要視していたこと

 岡本さんが著者を選ぶ際に重視していたのは、記事の質と熱量、そして濃さ。長文だからいいという訳でもなく、内容がしっかりと詰まっているかどうかがポイントだったそうです。

 私の場合、普段から長文でも濃い内容を書くことを心がけていたので、岡本さんからも「その点は心配なかった」と言っていただけました。特別に意識していたわけではありませんが、公の場で記事を出すからには一定の「質」をある程度は保ちたいとかねてより思っていたので、その部分をきちんと評価してもらえたのは本当に嬉しかったです。

 あとは独自性や「目に止まりやすい」かどうか。岡本さんによると、私の場合はコラム・エッセイ・一般的な記事・レビュー・小説とそれぞれ高い次元でクォリティを保っており、

「雑誌がすたれていく時代の中で、数多くのライターがニッチ領域へ尖らせて行く中、まさに雑食系とも言うべきか。こんなにいろんなジャンルで、一定のクォリテイを保っている人は見たことがないです。だから、目に止まりやすかった」

とのことで「この人面白い」と思い、目に止まったとのことでした。

 自分自身、面白いことが好きだからこそ、誰かを楽しませられる「おもしれー女」でありたいと日頃から意識しています。だからこそ、メディアの方から「面白い」と言っていただけるのは、何より嬉しいことです。

 岡本さんによれば、メディアの人にもさまざまなタイプがいて、著者性を重視する人もいれば、企画力を見極める人もいるそうです。けれど岡本さんの場合は、著者性を重んじるタイプで、「この人、面白いな」と思わせられたら勝ちとのこと。その点で、私にはそれが備わっていたとのことでした。

 淡々と冷静に褒められて嬉しい反面、「なるほど、メディア側の人の目線ってそういうものなのか」と俯瞰している自分がいました。こういう部分が、私はやっぱり少し変わっているのかもしれません。

 ライターという職業柄、Xのフォロワーさんには出版社や編集者の方も数多くいて、それぞれに大切にしている視点に違いがあります。

 誰かが声をかける時には、必ず何かしらの理由があるはず。私自身も、クライアントから依頼を受けて他のライターさんに声をかけることがありますが、その時にも「声をかける理由」が必ず存在します。

 たとえば、日頃から喧嘩腰に見える方だと、本当は実際会ってみたらそんな人じゃなかったとしても、怖気づいて逃げてしまうこともしばしば。(だって喧嘩したら確実に負けるし……って、そもそもなんで喧嘩前提やねんって話ですが)

 自分が声をかける時は、ついつい穏やかな人を選んでしまうのは、自分がビビりだからなんですけど。でも、温かいやり取りができると「声をかけてよかった」って、ホッとするんです。人柄ってやっぱり大事なんだなと、こういう時にしみじみ思います。

 もちろん、声をかけてもらえることがすべてではありません。
 自分の「好き」や「思い」を貫くことで、唯一無二の存在になれるケースもあります。そのような形で突き抜けていく人も、SNSにはたくさんいらっしゃいます。

 ただ、誰かに必要とされる人を目指すのであれば、自分の思いだけでなく、相手の「立場」を想像してみることも大事なのかも。たとえば、その人の抱えている背景や、あとはノルマがあるのかもしれないとか……。

 人に声をかけてもらうには、相手の立場や目線、誰かの想いを想像することが大事なのかもしれません。そんなことを、岡本さんのお話を伺って改めて感じました。

※こちらの記事は、岡本さんの確認を経た上で公開しております。


☆この記事を書いた人

⭐︎執筆〜書籍発売までの流れを赤裸々にぶっちゃける「赤裸々ぶっちゃけマガジン」を、岡本さんと共同で企画しています。

 一般的に版元側の都合などから、プロモーションを著者が行うのは🆖なケースが多いです。

 そのような理由から、前代未聞の試みを岡本さんと相談し合いながら実践中です。(※今回は、プロモーションを一緒にできる著者さんに「私がピッタリだった」という理由で、特別に岡本さんよりお声をかけていただきました)

 そもそも本は一冊出せたらゴールではなく、売れなければ次に繋げるのが難しい世界です。業界を知っている分、2〜3冊目で苦労されている著者の方々の声を聞くことも少なくありませんでした。つまりゴールというより、本当の意味でのスタートなんですよね。

 そういった理由もあり、ここ最近は「まずは、自分を知ってもらわないと」と覚悟を決めて、なるべく多くの場所に顔を出すようにしています。

色んな方とお会いできて、本当に行って良かったライター忘年会!

 昨今では、noteや文フリなどの文化も盛んです。そういった背景から、著者の宣伝方法がもっと自由になったらいいなという思いもあります。試行錯誤を重ねながら試していますが、こんな私をあたたかく見守っていただけるとうれしいです。

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