その時、精一杯の思いを伝えていく【創作大賞感想】
創作大賞の感想は、その時の精一杯で書いています。
けれどたまにふと、「自分の書き方は、これでよかったのだろうか」と反省することも少なくありません。
そんな時、ふと感想を一つの作品として昇華されている方の記事を読んだりすると、自分は「まだまだだなぁ」と感じています。
人と比べるものではないってのは、頭でわかっています。おそらく……。私は今、いろんなところで「感想を書く仕事」をしているので、知らない間に余計なプライドが溢れていたのだなと感じました。
感想は「想い」を伝えるものであり、上手く書ければいいとか。作品として成立していればいいとか。そういうもんでもなくて。そのことを肝に銘じて、気を取り直して書き続けることにしました。
感想記事において、一つ注意点があります。私自身、終始noteに向き合える訳ではありません。ひたむきな想いをぶつけている大切な作品だからこそ、大事に感想は書きたいとは考えていますし、感想を書いている間はその作品のことだけを考えています。
でも、私自身それ以上に育児や自分のお仕事の方が大事と考えているため、長いお話の場合すべてに目を通せないかもしれません……。けれど、なるべく「いいな」と感じる人は紹介したいです。世に出て欲しいです。
欲張りでしょうか。
最初は、一本に気持ちを込めて書こうとしていたのですが、試行錯誤の結果、複数記事を読んで紹介した方が、もしかしたら多くの人の目に止まるのではないかと。その方が、感想を書かれた方のチャンスに繋がるんじゃないかと、途中から考えが変わりました。
この話を書くのもどうしようかと、大阪二泊三日の旅行中、ずっと考えていました。去る人もいるだろうと。(※去る者追わずの癖に、ビビりです)
でも、その想いをちゃんと此処に書こうと思いました。
至らない点も多数あるかと思いますが、今後ともよろしくお願いします。
①祖父に引導を渡した日/アルロンさん
祖父、祖母とのお別れについて、エピソードを上手く交えながら書かれています。
昨年度もアルロンさんの作品はいくつか拝読させていただいております。
元々文章の上手な方ですが、この数ヶ月で見せ方、構成力、導入部分がグッとレベルアップされている気がしました。(先生みたいな言い回しで、なんかすみません。褒めてます!)
「note読み企画」を立ち上げ、積極的にいろんな方の作品に触れている方だからでしょうか。noteだけではなく、たくさんのプロが書いた本も読まれてる気がします。
そこから学び、試行錯誤、努力を重ねてきたのではないかと察しました。(※違ったらすみません)
人の死を取り扱うのは難しさもあるのですが、こちらのエッセイでは、丁寧に「生死」をなぞっています。
随所に登場するお母さま、お祖父様のセリフも良いです。
素敵だなぁと思ったのが、祖父に対し「じいちゃん、がんばれ」というメッセージをセリフじゃなく、仕草で懸命に伝えていく、という部分です。本当は言葉で伝えたい。けれど伝わらないから、仕草で……。とても切なく、涙を誘います。
家族のやり取りやエピソードを通じて、アルロンさんは祖父や母から、確かな愛を授かってきたのかなぁとか。そして、大人になった今も思いやりを忘れずに、誰かの思いを受け止めているのかもなぁとか。
そんなことを、ふと考えさせられました。(※もちろん、親から愛を受けないことが悪い訳ではないので、そこは誤解なきよう……!)
実はアルロンさんと同じように、うちの祖父も祖母が死んですぐに亡くなりました。私の母方の祖父は交通事故でこの世を去りました。死ぬ前に思い浮かんだのは、トマトジュース残してごめんなさいという思いだった気がします。
なぜかというと、トマトジュースを残した時、めちゃくちゃ叱られたんですよ。食べ物を粗末にするな、と。
人との別れで思い浮かぶのって、案外そんな何気ない瞬間なのかなぁとか。アルロンさんのエッセイを読み、改めて感じました。
今でも、うちの祖父母は天国で元気かなぁとか。仲良く談笑してるのかな、とか。たまにそんなことを考えます。もっと甘えたかったし、自分の気持ちを伝えたかったです。
アルロンさんのエッセイを読み、改めて祖父母の義実家へ向けてそっと手を合わせたい。そして、今生きている大切な人たちには恥ずかしがらずに、伝えるべきタイミングで「想い」を伝えて行こうと思いました。
②炭酸刺繡/藤家 秋さん
恋愛小説部門応募作品です。 (第四章 カクテル・サマークイーンとお味噌汁 1 BOOK&BAR Ray カドワキまで読了済)
昨年度、恋愛小説部門で創作大賞2024中間選考に通過されている藤家さん。紹介するのは初です。
今年初めて、talesで作品を読ませていただきました。その優しい世界観に惹かれたので感想を書かせてください。
幻の刺繍「炭酸刺繡」を信じて求め、そしてそこに通うお客さんのためだけにひとつの作品が生まれ、捧げられる——その優しい世界観に救われます。
人は自信がない時、何かに縋ったり求めたりすることもしばしば。人によってはそれを弱さと捉えられることもありますが、悪いことじゃないです。むしろ誰にだって弱さはあるし、それを知っているからこそ、相手の弱い部分を受け止められるのではないでしょうか。
私にも、誰かの言葉や思いで救われたい時があります。人の目が気になる時、自信喪失した時。そんな時に、何度も読み返したいと感じるお話でした。
美味しそうな飲み物もたくさん登場するので、カフェに足を運んでラッシー、クリームソーダを注文したくなります。
③ちょい足し令嬢のおいしい牢屋生活/三條 凛花 さん
三條さんは、著書『時間が貯まる 魔法の家事ノート』(扶桑社/9刷)など国内外で6冊出版されているプロの作家です。
創作大賞で、今回なんと全部門に応募されるとのことです。
こちらの作品は、小説家になろうでも高い評価を受けているファンタジー。処刑の話など、過酷な場面もあるものの、救いも入っており、全体的に優しく丁寧な文章で紡がれています。
ピンチ、スリル要素など、見せ方のバランスがプロだなぁと感じます。
登場する料理の作り方も、過程から丁寧に書かれているので、思わず真似したくなりました。
凛花さんの他作品「霊 感 聖 女」は、生霊になったラノベ作家が主人公のファンタジー小説で、設定も斬新でユニーク。
キャラクター設定もきっちり作り込まれていて、心理描写も丁寧で、その世界にスッと溶け込めます。どの作品もレベルが高く、読んでいて見せ方など大変勉強になりました。
彼女の凄いところは、更新する。チャレンジすると決めたら、そこに向かって邁進していくところだと感じています。
そのエネルギーに、いつもパワーをもらっています。創作大賞シーズン、暑い時期が続きますが水分補給なども忘れずに、頑張ってくださいね。影ながら応援しております。
【完】
