『立ち上げ1年で350%成長。パートナーに選ばれるための「現場の泥臭さ」と「仕組み化」の掛け算』
はじめに
はじめまして、株式会社スタディストの阿部と申します。当社では、マニュアル作成・共有システム「Teachme Biz」を中心に事業展開しており、多くの企業様の業務標準化や効率化をご支援しております。2025年3月より、本格的にパートナーアライアンスの立ち上げに取り組んでおり、本記事はパートナーマーケティングnoteリレー記事として執筆させていただいております。
自己紹介
2024年3月に当社入社後、カスタマーサクセス部にて1年間顧客のリアルを体感したのち、今年の3月からパートナーアライアンスの立ち上げを中心に活動しております。私自身、前職の事業会社では事業開発・アライアンスといった領域を担当していたため、満を持してアライアンスに携わることとなりました。今回は、立ち上げ期のリアルな実態をお伝えできればと思います。
当社紹介
クラウド型のマニュアル作成・共有システム「Teachme Biz(ティーチミー・ビズ)」は、企業のマニュアルの作成・管理を効率化することで、生産性向上、人材育成効率化、顧客満足度向上等を実現するソリューションです。AIによる動画の自動編集やマニュアルの自動作成も可能で、手順書の作成時間を大幅に削減するだけでなく、スムーズな運用もサポートし、国内外の2,300社以上で活用されています。デロイト トーマツ ミック経済研究所による『デスクレスSaaS市場の実態と展望 2024年度版』における「動画マニュアル作成支援ツール市場」の調査では、すべての業種、ユーザー規模において売上金額シェアNo.1を獲得しました。
パートナーアライアンスを始めた背景と目的
事業背景と課題
Teachme Bizは直販営業を中心に成長してきましたが、直販チームのメンバーを増やして販売を拡大する「線形の成長」だけでは、次のステージへの飛躍に限界があることも見えており、事業のさらなる拡大には市場へのリーチ拡大が不可欠でした。特に以下のような課題を抱えていました。
成長スピード:会社として実現したい成長スピードを実現するために、直販営業以外のチャネルを増やす必要があった
地域カバレッジの限界:直販チームだけでは全国の顧客にアプローチすることが困難であった
業種特有の課題に寄り添った提案の実現:特定業界への深い知見を持つパートナーとの連携により、業種特化型の提案が可能になる
また、当社製品の特性上、ITベンダーやコンサルティング会社が顧客に対して業務改善提案を行う際に、Teachme Bizが有効なソリューションとして位置づけられるケースが多く、パートナー経由での販売チャネル構築の可能性を感じておりました。
立ち上げの決断
実はこれまで、パートナー販売自体は直販営業部内で細々とやっていたものの、プロダクトの成熟度、体制の整備、パートナー様に提供できる価値の明確化が十分でなかったため、本格的な取り組みには至っていませんでした。
しかし、プロダクトの機能拡充や体制の確立により、パートナー企業に対しても十分に価値提供できる準備が整ったと判断し、2025年3月からパートナーセールスの本格始動を決断しました。
何を実現するのか(KPI)
はじめは手探り状態でスタートすることになりますが、まずは部門として以下を掲げました。
「非線形の成長」
スタディストの理念やサービスに共感いただけるパートナー企業と力を合わせ、より広く価値を届ける。それを実現するために、地域や特定業界に強いパートナー企業の力を借りながら、パートナー様、エンドユーザー様、スタディストの三者が共に成長する「win-win-win」の関係を構築していくことで、結果的に事業として非線形の成長を遂げることを目指しました。
「非線形の成長」を実現するためのKPIは以下で設定しました。
パートナー企業数の最大化
パートナー企業からの案件創出数の最大化
パートナー企業からの成約数の最大化
当然ながらKPIを達成するためには色々と施策を打つわけですが、手探り状態のなか実施してきたアクションプランをいくつかご紹介します。
具体的な活動内容
それぞれのKPIに対して、我々はどのような行動を取ったのか?をご紹介します。
パートナー企業数の最大化
実はほとんどインバウンド流入なので積極的な施策は打っていないんです。おかげさまで市場の認知はそれなりに取れてきており、新規パートナー様のほとんどが「自社のお客様へ紹介したい」や「お客様から取り扱いの要望があったから」といった直接お問い合わせいただくケースがほとんどです。これは普段から認知活動を行っている弊社マーケティング部メンバーの活動のおかげだと思っています。そのなかでもリアルの展示会は会社として積極的に参加しておりまして、私含めアライアンス営業部メンバーも参加させていただき、パートナー希望の企業様と直接接する機会を増やしたりしています。
案件創出数の最大化
立ち上げ期なので色んなことを実施してみました。どんな施策が良かったか?の振り返りは記事の最後でまとめますがざっと以下です。
接点強化:とにかくパートナー様と直接会いディスカッション機会を増やす
勉強会開催:営業担当に対するTeachme Bizを知っていただくための勉強会
新座組の検討/展開:パートナーのビジネスモデルに沿った座組みの構築
営業ツールの拡張:業種業界ごとの提案ストーリー&ツールの作成
共催セミナー開催:パートナー顧客に対するセミナー開催
展示会参加:パートナー顧客が開催する展示会への参加
パートナーイベントの開催:パートナー様をお招きし、アップデート情報の共有や座談会の実施
パートナー教育プログラムの構築:弊社事業&プロダクト&ノウハウを詰め込んだ教育コンテンツをTeachme Bizで構築し展開
ここでは、「いかにパートナーの皆様にTeachme Bizのファンになってもらえるか」を考えて取り組みました。プロダクトだけではなく、スタディストという会社として、個人の人間性も含めてファンになってもらうためにはどうすればいいかを考え行動しており、結果的に「とにかくパートナーの皆様に会いに行こう!」という結論に至り、訪問や出張機会を増やして活動していました。
成約数の最大化
上記に含まれる施策も多々ありますが、成約数を最大化させるためにとった施策です。
アプローチ対象の精査:弊社プロダクトがマッチしやすい顧客を整理・集中
グループ攻略:導入実績のある企業のグループを中心に提案
案件同席:商談に同席させていただき、弊社主導で提案
現場検証:現場で素材を撮らせていただき、その場でマニュアル化
案件ステータス把握:各案件のステータスを細かく把握し、パートナーとネクストアクションの整理と実践
ここでは、「対象を絞る」と「現場に出る」に注力しました。当然ながらアプローチ対象をメインターゲットに絞ることで成約率は引き上がりますし、とくにリアルの大事さは身に染みているので、パートナーだけでなく、エンドユーザーとの接点強化もパートナーとともに図っておりました。
その他の取り組み
上記以外にやってきた取り組みです。大きく伸ばそうとすると当然「管理面」が重要になってきます。上記KPIに直結する動き以外も同時進行で進めなければなりません。土台をつくる今だからこそやっておかなければいけないことですね。
まずは社内コミュニケーション強化。例えば直販とパートナーの案件がバッティングすることはどうしてもありますよね。バッティングしないように仕組みを整備するのもそうですが、バッティングしたとしても直販&パートナーにとって良い形で案件を進められるよう協力体制を敷いたりなど、いかにお互いが「win-win」の状態で提案を進められるかを心掛けています。また、法務や経理といったバックオフィスのメンバーともコミュニケーションを多く取り交流を深めたりしていますね(アライアンスやってるとどうしても新たな取り組みとか契約書のやり取り等が多くなりますから)。
あとはパートナー企業や案件等の管理面ですが、これまでの管理方法だと煩雑になりかけていて限界を感じつつあったので、パートナープロップ(PRMツール)を導入し構築を進めています。構築している段階ではありますが、管理面が向上したのはもちろん、パートナー活動の可視化による効率化・最大化が図れそうなのでしっかりと構築をしていきたいと思っています。
立ち上げから約1年の成果
立ち上げてからここまで約1年間、本当に色々なことを手探りで実施してきましたが、数字面でも良い変化がみえてきました。
パートナー企業数
立ち上げ前対比:約350%成長
案件創出数
上期→下期現在対比:約500%成長
受注数
上期→下期現在対比:約170%成長
パートナー数・案件創出数ともに右肩上がりで、事業の土台が力強く育っています。 受注という結果が出るまでにはタイムラグがありますが、現場の熱量はすでに数字以上のスピードで高まっており、ビッグウェーブが来る直前のワクワク感の中にいます。「勝負はこれから」という意気込みで良い波をキャッチできるように引き続き活動していきます!
効果的だった施策
振り返ってみてこれは良かったなと思う施策はいくつかありますが、ここではあえて2点に絞ります。
パートナー教育プログラムの構築
パートナー活動を円滑に進めていただくための教育プログラムですね。
こちら:https://studist.jp/news/pr_250626
弊社事業やプロダクトに関する情報を体系化しているので、ご提案時に必要な情報・ノウハウの理解深度や理解スピードが断然早まり、より結果に繋げていただきやすくなったと感じております。もう一つ良い点があって、このプログラムは「Teachme Biz」で構成されていること。パートナーにプロダクトを触っていただくことになるので、パートナーにとっては使い勝手もわかった状態になります。実際に本プログラム環境をデモ環境としてお使いいただくこともできるので、このプログラムはパートナー活動を推進していくにあたって非常に重要なコンテンツだと感じております。
パートナーとのリアル接点の強化
デジタルツールが発達した今だからこそ、パートナーとの対面接点が差別化要因になると考えていますし非常に有効だと実感しています。定期的な訪問や共同研修を通じて信頼関係を構築することで、「共に成長するパートナー」へと関係性が深化します。パートナーが抱える本音の課題や現場の温度感などを感じやすくなりますし、雑談から生まれる気づきで新たなアイデアが閃いたりもしますので、やはりリアルで接点を持つことはとても重要であり、今後も継続すべきことだと思っております。
今後の展開
立ち上げ1年目なので手探りで進めた部分も多く、まだまだやるべきことや改善の余地が大きいと感じています。しかし、ここまで複数のパートナーとの協業実績を作ることができ、パートナー経由でのビジネスが動き始めた手応えも感じているので、今実施していることのブラッシュアップ&継続したうえで、色々なことにチャレンジしていきたいと思っています。直近だとマーケティング活動を積極的に実施していきたいと考えているため、パートナーとなっていただける企業の目に触れられるようパートナー活動に関する露出を増やしていく予定です。
※例えばこういった記事もマーケティング活動の一環です。https://note.com/studist/n/n94df46207c75
最後に
この1年、手探りでパートナーアライアンスを立ち上げてきて、確信したことがあります。
それは、「パートナーのファン化は、現場の泥臭さとプロダクトの仕組み化の掛け算で決まる」ということです。
どれだけ便利なツールを導入しても、どれだけ洗練された契約形態を作っても、それだけではパートナー様の心は動きません。最後は、私たち自身が現場へ足を運び、共に汗をかき、「このプロダクトなら、この担当者となら、お客様の課題を解決できる」と信じてもらう泥臭い信頼関係の構築が不可欠です。
一方で、個人の熱量だけに頼っていては、組織としての「非線形の成長」は実現できません。Teachme Bizを活用した教育プログラムのように、誰でも等しく高いクオリティで提案・運用ができる仕組みの力があってこそ、その熱量は何倍にも増幅されます。
「泥臭さ」という体温のある活動と、「仕組み化」という合理性。この両輪を回し続けることで、スタディストはパートナーの皆様と共に、マニュアルの力で世界をもっと分かりやすく、面白く変えていけると信じています。
立ち上げ2年目、私たちの挑戦はまだ始まったばかりです。 このワクワクするような「非線形な冒険」を、ぜひ多くのパートナー様と共に歩んでいければ幸いです!
