AI時代だからこそ「遠回り」が価値になる――タイパでは手に入らない学びがある
研修講師、手話通訳士の横山熊太郎です。
AIを活用しながら、シニア向けの情報や、書籍やガジェットの紹介などをしています。
最近は何か分からないことがあると、すぐに答えが見つかります。
検索をする。
動画を見る。
生成AIに質問する。
数秒後には、それらしい答えが返ってきます。
便利な時代になりました。
しかし、便利になればなるほど失われるものもあるのではないでしょうか。
先日読んだ記事で、「タイパ最悪な思考が世界を面白くする」という言葉が紹介されていました。生成AI時代だからこそ、最短ルートばかりを求めることへの警鐘を鳴らす内容でした。(アンテナ)
「知っている」と「理解している」は違う
私たちは学校教育の中で、
「正解を早く出すこと」
を求められてきました。
試験では正解がある。
仕事では効率が求められる。
SNSでは短い言葉が好まれる。
だから自然と、
「最短で答えを知りたい」
と思うようになります。
しかし、答えを知ることと、理解することは違います。
例えば手話学習でも同じです。
手話単語を覚えれば会話できるわけではありません。
文法を知れば通訳できるわけでもありません。
なぜその表現になるのか。
なぜその翻訳になるのか。
そこを考え続ける過程こそが、本当の学びなのだと思います。
遠回りの中にしかない発見がある
私は時代小説をよく読みます。
物語を読んでいると、
「この場面を手話にしたらどうなるだろう」
と考えることがあります。
もちろん、それは試験には出ません。
効率だけ考えれば無駄かもしれません。
しかし、その無駄のように見える時間が、通訳者としての引き出しを増やしてくれます。
遠回りは非効率です。
でも、その遠回りの中にこそ、
発見
気づき
想像力
応用力
があります。
AIは答えを教えてくれます。
でも、考える楽しさまでは代わりにやってくれません。
手話通訳も「正解探し」ではない
手話通訳士試験や統一試験の学習をしていると、
「この問題の答えは何ですか」
という質問を受けることがあります。
もちろん答えを知ることは大切です。
しかし、それ以上に大切なのは、
「なぜその答えになるのか」
を考えることです。
本番の現場には模範解答がありません。
医療現場も。
行政窓口も。
講演会も。
毎回違います。
だからこそ、自分で考える力が必要になります。
その力は、遠回りをした人ほど身についているように感じます。
タイパだけでは人生は豊かにならない
効率化そのものは悪いことではありません。
私もAIを活用しています。
オンライン研修も利用しています。
便利なものは積極的に使います。
ただ、それだけになってしまうと危険です。
効率化は手段であって目的ではありません。
人生の面白さは、
寄り道をしたり、
失敗したり、
悩んだり、
考え込んだりする中にあります。
最短距離で目的地へ行くことはできます。
でも、景色を見ることはできません。
おわりに
これからの時代は、ますますAIが進化していくでしょう。
答えを得ることは簡単になります。
だからこそ価値を持つのは、
「答えを知っている人」
ではなく、
「自分で考えられる人」
なのだと思います。
遠回りは無駄ではありません。
むしろ、その遠回りこそが、人間らしい学びであり、人間らしい成長なのではないでしょうか。
タイパを求める時代だからこそ、あえて遠回りを楽しむ。
そんな学び方も悪くないと思うのです。
参考記事:クーリエ・ジャポン/Yahoo!ニュース「『タイパ最悪』な思考が世界を面白くする――我々なぜ『最短ルート』を選んでしまうのか」(アンテナ)
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