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「YUMI」──私たちの島が沈んでいく。その声が世界を動かす

日本では、年々厳しくなっていく夏の暑さ。
ドイツで暮らすようになっても、環境や気候変動について考えることが少しずつ増えてきました。

そんなとき、いつものようにドイツのニュース番組「Tagesschau in Einfacher Sprache」(易しいドイツ語版)を見ていたとき、ふと目に留まった映像がありました。
それが、『YUMI – The Whole World』というドキュメンタリー映画でした。

※この話題はニュース動画の2分35秒あたりから紹介されています。


「YUMI」って、どういう意味?


「YUMI(ユミ)」は、南太平洋の島国・バヌアツで使われているビスラマ語で「私たち」という意味です。
この映画は、南太平洋大学(USP)で学ぶ、バヌアツやフィジー、ソロモン諸島の若者たちが、気候変動で沈みかけている自分たちの島の未来を守るために立ち上がる姿を追ったドキュメンタリーです。

最初は仲間うちで始めた小さな活動。
でもそれがやがて国連に届き、国際司法裁判所(ICJ)にまで波紋が広がっていきます。

10年前、バヌアツで聞いたあの一言


バヌアツにいた頃に、訪れたアンブリム島で撮った写真(2016年)

実は私は、10年前にJICA(国際協力機構)の青年海外協力隊としてバヌアツに派遣され、2年間、小学校教育の分野で活動していました。

子どもたちや先生たちと過ごした日々は、のんびりしていて、あたたかくて、でもとても豊かでした。
青い空、透き通った海、海風に揺れるココナッツの木、力強い火山。
「地球ってこんなに美しかったんだ!」と思わせてくれるような日々。

そんなある日、ある先生がふと、こんなことを言いました。

「昔は波がここまで来ることなかったのに、
最近は家のすぐそばまで海が来るようになったんだよ。」

そのとき、私は何も言えませんでした。
ただ「そうなんだね」と返すだけで精一杯だったのです。
けれどこの映画を観て、10年越しに、あの一言の重みをようやく理解した気がしました。

海面上昇で、村が沈んでいくという現実

気候変動という言葉をニュースで聞いても、どこか遠くの話のように感じてしまうことがあります。
でも、この映画に出てくるのは、私がかつて出会った人たちのような、実際に「今」を生きている人たちのリアルな声です。
彼らは自分の言葉で語り、行動し、未来を変えようとしています。

映画をつくったのは、ドイツの若者たち

この映画、実はドイツの公共放送SWRと、ドイツの映画学校の学生たちがつくった作品です。
だから本編はドイツ語吹き替え版なんですけど、
言葉がわからなくても、島の人たちの表情や声、海の色で、十分に心が動きます。

登場する若者たちは、笑ったり、歌ったり、ときに涙をこらえながらも、前を向いて行動している。
その姿に勇気をもらいました。


トレーラーと本編はこちら

映画トレーラー(英語/YouTube)


映像の雰囲気が少しだけでも伝わる、2分ほどの短い動画です。
YUMI: The Whole World – Official Trailer


本編(ドイツ語吹き替え/SWR Mediathek)

ドイツ国内からなら、無料で観ることができます。
→ 本編はこちら

「YUMI」は、遠い島のことじゃない

「私たちが声を上げなきゃ、誰が言ってくれるの?」
映画の中で、ある女の子がそう語っていました。

バヌアツで暮らしていた頃、私はこの問題の深刻さに、きっとまだ気づいていませんでした。
けれど今、ドイツでこの映画に出会って、
あの島で出会った人たちの言葉が、10年越しに胸に刺さっています。


不思議なご縁

「南の小さな島国・バヌアツ」と、「ヨーロッパの経済大国・ドイツ」。
一見すると正反対のようなふたつの国。
でもそのどちらでも暮らしたことのある私が、この映画を通して、ふたつの国が確かにつながっていることを感じました。

遠く離れているようで、実は近い。
そして、日本もまた、同じ地球の上にある国。
つながっているんです。

気候変動は決して他人事ではなく、
私たち(YUMI)」の問題なんだと気づかせてくれる映画でした。

私には何ができるのだろう。
そんなことを考えさせられました。

ドイツへ来てからは、使うエネルギーを節約したり、自分の食べる野菜を育ててみたり、余計なものを買わないようにするなどなるべくシンプルな生活を送るようになってきました。


まずはこの現実を皆さんにも知ってもらうことから始めようと思い、この記事を書きました。


バヌアツについては以前、記事に書いたことがあります。
よかったらこちらもご覧ください。


最後まで読んでくださってありがとうございました。
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