棚のノートをこっそりひらく
棚に差し込んでおいたノートを、子どもがこっそり開いていた。
何も言っていない。ただ置いていただけだった。
自分に関係のあるものかどうか、確かめているようにも見えた。
そのノートには、民藝の器を買ったときに添えられていた紙を貼っている。
産地や作者のことが書かれた、小さな紙。引き出しの隅に、いつの間にか溜まっていたものだ。
読み返してみると、点と点がつながるような感覚があった。そこで、ノートに貼っておくことにした。



完成したノートは、何も言わずに棚に差し込んだ。それだけだった。
しばらくして、和菓子に添えられていた紙を見て、子どもが「これ、とっておきたい」と言った。
「いいよ」と答えると、自分のノートを持ってきて、貼りはじめた。静かに手を動かしていた。
私のノートと、よく似ていた。


たまたま手に取れる場所にあったこと。
そこに、少し気になる空気があったこと。
リビングの棚に置いた一冊は、いつの間にか、別のノートにつながっていた。
小さな紙が一枚増えるたび、そのつながりを愛おしく噛み締める。
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