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それって本当?環境問題の過去と未来

技術、科学の発展=環境問題に繋がっている。
そう思ってた。
もっと深い「数字」じゃない世界を開けてみたら、すごいことを知ったんだ。


ひっくり返る認識

僕は本当に衝撃を受けた。
「考え方を変えなばならない」と文字通り震えた。通勤で読み始めたその本は、読めば読むほど手が止まらなくなった。そして読み詰めるたび、「そんなこと思わなかった!」と本ごと宙を仰ぎたくなる。
実際に投げたら周りに迷惑になっちゃうので、声を押し殺して仁王像のような顔で読んだ。(それでも変な人だったと思う)

タイトルは『資本主義の次にくる世界 LESS IS MORE』である。とある大学教員である知人に勧められ、興味が湧いて読むことにした。

難しい専門用語が少なく、素人も読みやすい。表紙が葉っぱぽくてすき。

むむ、なんだかお堅そうなタイトル。
だが読んでみると取っ付きやすく、スラスラと読める。

難しいビジネス書のような名前だが、どちらかというと「生物と地球」のような多様性を伝える本である。
経済人類学者であるジェイソン・ヒッケルさんによる著書だ。

地球温暖化についての本ではよく「二酸化炭素の濃度の変化」や「災害の頻度」を表した図やデータなど統計的なものを示しながら説明されることが多い。それは実際にわかりやすく、変化を捉えるには必要なものだ。
しかし、僕たちは本当は知っているはずだ。
データや数字だけでは見えてこない、その奥にある根本があるってことを。その奥にある暗い中からぎゅっと掴まれて論じていくのが「脱・成長論」である。

常識をかき乱せ

本は作者の子供の頃の思い出から始まる。
アフリカのスワジランド(現エスワティニ)で育った作者は、車を走行すると昆虫がたくさん付くのが当たり前だった。しかし大人になって戻ってみると、車に乗って移動しても昆虫がわずかに付くだけで昔のような豊かさを感じられなくなっていた。
そこから本書は世界の歴史へと話を進めていく。

エスワティニ王国はここにあります。

ここから高校でやったであろう世界史が役に立ってくる。うっすらと覚えている知識たちがここでフル回転で活躍するのであーる。

1400年代ごろヨーロッパで起こった農民VS貴族の戦いは、とても激しいものだったらしい。本当に戦争で酷く、悲しいことがたくさんあった。日本では鎌倉幕府が終わって、室町時代〜応仁の乱があったころの時代だ。
貴族たちは農民を抑えるため土地を奪い安い賃金で働かせ、産業革命が始まると土地が奪われた農民たちは都市で働くことを余儀なくされた。平均寿命は著しく低下し、環境の劣悪さが滲み出る。
そして世界を植民地化していき砂糖や綿、金も銀も手に入れヨーロッパは豊かになっていった。

著者であるジェイソン・ヒッケルさんは言う

”植民地と囲い込みは資本主義の基盤だった。資本主義のもとでは成長は常に、対価を支払うことなく利益を抽出できる新たなフロンティアを必要とする。”

『資本主義の次に来る世界 』

資本主義が決して「悪」であると言っているのではない。成長を追い求めすぎ、大切なものを忘れていないか?と作者は言うのである。

時代が違えば考え方は変化する

デカルトの二元論は自然と人間を二分した、とよく言われる。

曰く、

”人間はすべての生物の中で唯一、神との特別なつながりの証である精神(あるいは魂)を持っている。一方、人間以外の生物は思考力のない物質にすぎない。植物や動物は、精神も主体性も、意思も同期も持たない。”

『資本主義の次に来る世界 』

そうだ。
その思想は深く欧米で信じられてきた。今はそこまで思う人は少ないと思うが、「自然は支配できるもの」という考え方に繋がっていくらしい。

正直言って僕はうーん、イマいちピンと来ない。
日本は地震もあるし、台風もある。未だ地震が来る日を正確に知ることは実現できていないし、台風の進路を変えることも出来ていない。自然をコントロールするなんて、すっごい難問だと思ってしまう。
出来なくはないかもしれないけど、すごく難しいと思いますです。

険しい山々に囲まれた日本の自然はヨーロッパの森とは大きく異なる

元来アニミズムに近い考え方をもつ日本人には理解し難い思想だと思うが、文明開花が訪れその波がやってくる。
経済は成長し続けねばならない、のパラドックスに陥り自然を搾取し始めた人間は、感謝の心を忘れもらえるものはなんでも貰おうとするようになる。
石油、石炭から始まり枯渇するやいなや別の資源を採ろうとする。レアアースと呼ばれる希土類である鉱石もそうだ。

必要以上はいらない

2010年から2019年までに、130億台のスマートフォンが発売されたが、現在使われているのは30億台。つまり100億台のスマホが9年間のうちに廃棄されたのだ。うう、自分のスマホも含まれている、、、胸が痛い。。

俗に2年で壊れるなど都市伝説で言われるように、消費してお金を使わせるシステムである。
経済が回っているよう良く見せるために。環境にも悪いよね。。

スマホに使われる金属レアメタル。ゴリラの生息地である森と採掘地が重なり野生保護の観点から問題になっている。

発掘地はゴリラの生息地でもある

新しい機能が追加され目新しく思うが、すぐに買い換える必要はあるだろうか。
最初から長持ちするもの作ろうよ。作れるよね。

壊れるように消費するように作られて経済は回る?
ほんとうにそれは必要なのだろうか?

採掘場で働く人たちは危険な現場にいる。
そして僕らも、朝から夜まで働いて、早く作業が終わったら帰宅する?
ううん、ちがう、次の仕事を取りにいく。そうしないとお金は増えない。

その連鎖はなぜ終わらないのだろう。

仕事早く終わったら早く帰りたいじゃん、帰ればいいじゃん。
体調が悪い?休めばいいよ。

経済の成長は本当に正しいことばかりなのだろうか?

幸せって、、、なんだっけ。

お金があれば健康で幸せ?

とても面白い事例がある。
中央アメリカに位置するコスタリカ。温暖な気候で自然が豊かな国だ。コスタリカはアメリカより80%も所得が低い。しかし平均寿命ではアメリカの上をいく。平均寿命は80歳だそう。(日本は84.3歳で世界一、アメリカは78.5歳らしい。)

美しい自然に囲まれたコスタリカ

コスタリカは軍隊を廃止し、福利や教育に力を入れ幸福度が高い国と言われている。公的医療制度も整い、GDPでは測れない大切なものが隠れているのだ。

ん?
「所得が高い=衛生がいいし長寿」は実は違う???

ヒッケルさんはこう考えている

”質の高い公的医療制度と教育システムに投資してきたからなのだ。すべての人が健康で豊かに長生きできるようにするには、それこそが重要なのだ。”

『資本主義の次に来る世界 』

幸せについて本気出して考えた、探してみた!

給料がいいとか、かっこいいスマホ持ってるとか、そりゃ羨ましいこともあるよ。人間だもの。
でもさ、

もう、あくせく働かされて地球から色々奪うのを止めない?
もらったらありがとうの気持ちで、地球に向き合おう。
それで人間らしく、幸せ掴んでこうよ。

ズドドドドドン!

本書の会心の一撃です。

「脱・成長論」


経済を良くするため、人間も自然も働き続けるのはナンセンスだ。
僕たちが人間らしく、生き物として生きていく大切なことを考えさせてくれる本書。
環境問題、温暖化は人間の思想、考え方から始まっている、ということに気付かされた。
野生生物や自然保全を考えるにあたり、とても参考になった。

長くなってしまったが、僕の拙い文章では伝えきれないとても読み応えがある本です。気になったらぜひ!
地球のこと人間のこと、今後の未来への向き合い方が詰まってます!

今日もnote読んでくれてありがとう☺︎

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【参考文献】
ジェイソン・ヒッケル(2023)『資本主義の次に来る世界 』東洋経済新報社

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