砂漠で起きてるバッタ事件
バッタ…それは緑のぴょんぴょん草むらを跳ねる、後ろ足が、がっ↗︎くん↘︎とまがったあの昆虫。
これは日本の研究者がアフリカの地モーリタニアまで、はるばる平均22時間(インターネット調べ)かけて戦いの地に降り立った物語であるーーーーー。
人間なのに顔がミドリ色
なんだこの表紙は。
ぶらりと立ち寄った古本屋で、一際目を引く本に出会った。
顔が…緑色なんだが…。
表紙の人物は著者自身だ。一瞬芸人さんなのかと思ったが、彼は立派な研究者である。そしてまさかの本の著者でもある。研究者と聞くとお堅そうなイメージだが、この風貌からしてまったく感じさせない。むしろ興味を惹かれる。
「あ、これ新書大賞とってる本じゃん」
え、
そうなのおおお?!
後ろから聞こえた声に後押しされ、僕は即決購入した。後ろの声の人ありがとう。
2017年に発行された『バッタを倒しにアフリカへ』は合計25万部を売り上げた本らしい、そして新書大賞も受賞している。すごい。
きっとこの表紙に惹(引)かざるを得ない人が続出した結果だろう。著者の前野ウルド浩太郎さんは秋田県生まれの昆虫学者だ。神戸大学大学院自然科学研究科の出身で農学博士である。ウルドさんの通っていた神戸大学は国立大学で、ハイレベルな学校なのでかなりきちんとした学歴をお持ちなのです。

もう一度言いますが、こんな見た目で表紙やってますが、れっきとした国立大出身の研究者なのです…!!!
頭のいい人がこんな面白いことやってくれたら、めちゃくちゃ面白いに決まってんじゃん。親しみやすさ半端ない。
人々を飢饉から救え
著者であるウルドさんがアフリカのモーリタニアという国へバッタ研究に行くところから話が始まる。アフリカではたびたびサバクトビバッタによる食害により飢饉に陥っており、その調査研究のために日本からバッタ研究者として現地へ向かう。

ちなみにまえがきにも書かれているが、ウルドさんは長年の研究によりバッタアレルギーになっており、触れるとじんましんがでて痒くなってしまうらしい。。。そんな中でバッタと格闘しにアフリカの地、モーリタリアまで挑みにいくウルドさんが最高に輝いて見えるですよ。
モーリタニアは公用語がアラビア語で、フランスの植民地だった時代がありフランス語が通じる人もいるらしい。主な宗教はイスラム教で砂漠の多い土地だ。日本で食べられるタコの輸入の地としてモーリタニアが1番多く、水産事業で深い連りがあるそう。本を読むまで全く知らなかった土地が、こうして繋がっていくはとても面白い。スーパーでタコを見た時にチェックしてみたら、モーリタニアに出会えるかもしれない。

モーリタニアの地に降り立ったウルドさんは紆余曲折を経て、相棒であるティジャニさんに出会う。このティジャニさんとの掛け合いがすごく面白いのだ。
研究所に配属されたウルドさんはバッタの研究のために人員を集めようとする。アラビア語が公用語であり英語が通じないモーリタニアでウルドさんは苦戦する。しかし自身も英語はできるがフランス語が話せない。知らない土地や複雑な砂漠地帯を車で一人で行動するのは大変危険だ。そこでティジャニという運転手に白羽の矢が立つ。これが運命の出会いなっていく。
このティジャニさんとの英語Xフランス語の身振り手振りジェスチャーの通じなさそうで通じる掛け合わせが、数々のバッタ伝説を呼んでいく。
そして、なんと、去年!!!!
『バッタを倒しにアフリカへ』
、の続編
『バッタを倒すぜアフリカで』
が刊行されました!!!!

wwwww
このnoteでwwwwとか使っていいのかと思いましたが、もう使わずにいられなかったです。すみません。
タイトル、面白いすぎでしょwwww
完璧に続編と分かりきるタイトルにウルドさんのセンスを感じる。じわじわ…
そして

分厚い!!!!
600ページほどある、新書とは思えない超大作だ。

分厚い本を読み始めると「あ、あと何ページ読まなきゃ…」てなっちゃうけど、これは面白すぎて1冊目と同じノリで読める。ソファの上でごろごろしながらも、おやすみ前のリラックスタイムにも気軽に読める読みやすい文章だ。
でも電車で読むのは危険だ。予期せず笑いに誘われて「ふふふ」なら良いが「ぅっぶはっっ」と吹き出してしまうからだ。これでは危ない人認定確定だ。人前で読むなら、しかめっつらの気難しそうな顔をして、たまに来る笑いを堪えながら読むのをおすすめしたい。
そしてお気づきの方もいると思うが、
表紙に人が増えている?!!!

そう、彼がティジャニさんです。ノリ良すぎ。最高です。
1冊めの刊行から7年という歳月をかけて出された続編。
サバクトビバッタの生態が徐々に明かされていくのも見どころの一つだ。続編では世界的なパンデミックでコロナ禍になってしまった時期のことも書かれていて、みんなが辛かった時を日本だけじゃない他国の模様を知ることができる。
また著者は主にモーリタニアでバッタの研究をしているが、その他にもアメリカやフランスといった国々で昆虫の研究をする人たちと意見を重ねていくのだが、「ほ〜研究者ってこんな感じで仕事してるのか」と日常が描かれている。世の研究者たちの大変さも知ることができてとても興味深い。論文の提出の仕方なども載っていて、知らない世界を知ることができるので研究者ってどんな仕事なのか知ることができる。
日本にいながらモーリタニア🇲🇷
昆虫やバッタに興味がない方も読みやすいバッタもんの本。(本物だよ)
日本からモーリタニアに研究しに行ったウルドさんと、現地で出会う人間味あふれる相棒ティジャニさんとの掛け合わせが最高だ。失敗しても何度も挑戦する姿や、国や人種が違い言葉が通じなくても心を通わせようとする姿に、人間味あふれるウルドワールドに惹き込まれていく。
表紙にビビッときた方、そのまま手を伸ばしてみてほしい。すんごく面白いから。
今回もnoteを読んでくれて、ありがとう☺︎
リール公開から、続き作り始めました。後日アップ予定です!
※毎週木曜日に更新予定。
次回は、「もっと推して!仙台うみの杜水族館」を書いていきます。
東北の地方都市として有名な仙台。今回初めて降り立ちましたが、めちゃくちゃ都会でした!!牛タン食べて海鮮食べて、ちょっと足を伸ばして水族館へ。ガイドブックにはあまり詳細が書かれていないけど、行ってみたらめちゃくちゃ面白かった!東京とは全くことなる東北独自の展示で、そこでしか見られない世界観に感動しました。
【参考文献】
前野ウルド浩太郎 著(2017)『バッタを倒しにアフリカへ』光文社新書
前野ウルド浩太郎 著(2024)『バッタを倒すぜアフリカで』光文社新書

