OSの女――母に作られ、暗闇を愛し、日常を夫と呼ぶまで|プロローグ
プロローグ
【あらすじ】
「お前はダメだ。」
母のその言葉が、私のOSを作った。
怒られないように空気を読み、必要とされることでしか自分の価値を感じられなかった私は、欠落した男たちを愛した。
不倫に溺れ、壊れそうな恋を繰り返し、
婚活という戦場で100人以上と出会い、
それでも選ばれなかった。
母を看取り、「ありがとう」と言われた日、
初めて許された気がした。
それでも古いOSは消えない。
穏やかな夫の隣にいても、
時々暗闇を恋しがる夜がある。
母との関係、恋愛、婚活、夫婦。
別々の話に見えたものは、
全部ひとつの場所に繋がっていた。
これは、母に作られたOSを抱えたまま、
何度も間違え、
それでも日常へ帰ってきた女の話。
そして今も、布団の中でスマホを握りながら、名前のなかった感情に言葉を与え続けている。
※このシリーズは過去作品を再構成・加筆した長編です。
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昼間なのに、布団の中にいる。
夫は仕事に行った。洗濯機が回っている。
カーテンの隙間から、白い光が入ってくる。
私はスマホを握って、布団に潜り込んでいる。
書きたいことがある。
うまく説明できないけど、
書かないといけない気がする。
誰かに頼まれたわけじゃない。
締め切りがあるわけでもない。
それでも、書かずにはいられない。
この感覚に、覚えがある。
やめられない。止まれない。手放せない。
昔からずっと、
私はそういうものに引っ張られてきた。
必要とされたい欲求に。
欠落した男たちに。壊れそうな恋の熱に。
今は、書くことに引っ張られている。
これは私の話だ。母に作られたOSの話。
そのOSを抱えたまま、
間違った恋愛を繰り返して、
婚活という戦場を生き延びて、
それでも暗闇を恋しがりながら、
日常の夫の隣にいる私の話。
全部、繋がっている。
そのことに気づくまでに、
ずいぶん時間がかかった。
でも今なら書ける。布団の中で、
背徳感とともに。
どうかこのまま、読み進めてほしい。
▶︎次の話
第1章|OSの生成
▶︎はじめから読みたい方はこちら
▶︎ この話は、
『OSの女|母に作られ、暗闇を愛し、日常を夫と呼ぶまで』
母との関係、恋愛、婚活、夫婦。
別々の話に見えるけれど、全部ひとつの場所に繋がっています。
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▶︎ 目次
プロローグ|布団の中から始まった
第1章|OSの生成
第2章|間違った前提の恋愛
第3章|婚活という戦場
Interlude|触れていない
第4章|OSの書き換え
第5章|日常という、まだ慣れない場所
終章|まだ書いている
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※本作は創作大賞2026応募作品です。
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