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私が出会った愛すべき男たち 六|「それだけはだめだよ」と言った男


それは、許されない恋だった。

私には恋人がいた。

それでも、一年近く、
付かず離れずの人がいた。

昼も夜も、
五分でも時間ができれば電話をした。

忙しい彼に合わせて、
いつもスマートフォンを握っていた。

恋人と会っていない時間は、
ほとんど彼に向いていた。

友情とは違う。

恋愛とも、少し違った。

お互いに好意はあった。

でも、それを見せてはいけない。

それが、二人のルールだった。

離れて暮らしていた。

一年で会えたのは、五回だけ。

それでも、
車で三時間走って中間地点へ行った。

新幹線で東京にも会いに行った。

彼は、決して家には入れてくれなかった。

最後に、彼が私の町へ来た。

ホテルには、
シングルルームしか残っていなかった。

私は、運命だと思った。

きっと、そういう夜になるのだと思っていた。
でも彼は言った。

「それだけは、だめだよ。」

彼は、私に触れていない。

でも、心には触れてきた。

だから私は、


心を置いて帰った。





▶︎この話のあとがき
創作ノート|それだけはだめだよと言った男を書いたあとに、彼を”いい話”にしていいのか迷った理由

▶︎触れなかったからこそ、忘れられなかった男の話。

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