MVP Archive History | Apollo Archive Special 07 : APOLLO GUIDANCE COMPUTER

基本情報
名称:Apollo Guidance Computer
略称:AGC
開発:MIT Instrumentation Laboratory
運用期間:1966 – 1975
用途:航法・誘導・姿勢制御・飛行計算
Apollo Guidance Computer とは
Apollo Guidance Computer( AGC )は、アポロ宇宙船に搭載された誘導コンピュータである。
月飛行中の航法計算や姿勢制御を担当し、Apollo 計画 における中枢システムの一つだった。
今日の基準では非常に小さな計算能力しか持たない。
それでも人類を月へ送り、そして地球へ帰還させるための計算を実行した。
何をしていたのか
AGC は飛行中に
航法計算
軌道補正
姿勢制御
月着陸支援
地球帰還支援
を行った。
宇宙飛行士はキーボードと表示装置 ( DSKY )を利用して AGC へ指示を入力した。
DSKY
DSKY ( Display and Keyboard )は、AGC の操作端末である。
飛行士は数値コードを入力し、現在位置や飛行状態を確認した。
Apollo 宇宙船のコックピットで見られる特徴的な数字表示装置は、この DSKY である。
Apollo 11
1969年7月20日。
Apollo 11 の月面着陸中、AGC は着陸計算を継続していた。
この時、有名な 「 1201 1202 」 アラームが発生した。
これはコンピュータの過負荷を示す警告だった。
しかし AGC は重要処理を優先し、着陸に必要な計算を継続した。
結果としてApollo 11 は安全に月面へ着陸した。
性能
現在のスマートフォンやパソコンと比較すると、AGC の性能は極めて小さい。
メモリ容量もごくわずかだった。
しかし、限られた資源で高い信頼性を実現することが最優先された。
Apollo 計画 では、性能よりも確実に動作することが重要だった。
技術的意義
AGC は宇宙開発だけでなく、コンピュータ技術の発展にも大きな影響を与えた。
集積回路( IC )の実用化を推進し、後のコンピュータ産業発展の一因となった。
そのため AGC は、宇宙機器であると同時にコンピュータ史における重要な存在としても評価されている。
その後
Apollo 計画 終了後も、AGC で培われた技術は航空宇宙分野へ受け継がれていった。
現在では博物館などで実機を見ることができる。
AGC は、人類が月へ到達した時代の「 頭脳 」として記録されている。
