MVP ARCHIVE NASA | SPACE SHUTTLE Special 03 : Solid Rocket Boosters ― シャトルを空へ押し上げた巨大な推進力

Solid Rocket Boosters
スペースシャトルの打ち上げで、最も強い推進力を生み出したのが固体ロケットブースターである。オービターの左右に取り付けられた2本の白いロケットが、Solid Rocket Boosters、通称 SRB だった。
打ち上げの瞬間、SRB は外部燃料タンクとオービターを含む巨大な機体全体を発射台から持ち上げるための主な推力を担った。
SRB は液体燃料ではなく、あらかじめ内部に詰められた固体推進薬を燃焼させるロケットである。
一度点火されると、基本的に燃焼を途中で止めることはできない。
その代わり、構造は比較的単純で、短時間に非常に大きな推力を発生できる。
スペースシャトルでは、打ち上げから約2分間、SRB が強力な加速を与えた。
Space Shuttle Program の特徴
その後、燃焼を終えた SRB は機体から分離され、パラシュートで海上へ降下した。回収されたブースターは点検・分解・整備され、可能な部品は再使用された。
この再使用の思想も、Space Shuttle Program の大きな特徴である。
しかし SRB は、シャトル計画の安全思想を考える上でも重要な存在だった。
1986年の Challenger 事故では、SRB の接合部に使われていたOリングの問題が重大な要因となった。
この事故以後、接合部の設計、点検体制、打ち上げ判断、組織文化は大きく見直された。
つまり SRB は、単なる補助ロケットではない。
それは、スペースシャトルを地上から宇宙へ押し上げた巨大な力であり、同時に、宇宙機の設計と安全管理がどれほど厳密でなければならないかを示した装置でもあった。
SRB によって、シャトルは空へ向かった。
そして SRB を通じて、人類は再使用型宇宙輸送システムの難しさも学んだのである。
