MVP ARCHIVE HISTORY | The Evolution of Rockets Special : ジャイロ慣性誘導 / ロケットが自ら進路を知る技術


ロケットが自ら進路を知る技術
ロケットが目的地へ正確に到達するためには、推進力だけでなく、自らの姿勢や飛行方向を常に把握しながら飛行する技術が必要となる。
その基盤となるのが ジャイロ慣性誘導( Gyroscopic Inertial Guidance )である。
慣性誘導システム
ジャイロスコープ は、高速で回転する物体が一定の向きを保とうとする性質を利用した装置である。
この性質を利用することで、ロケットは外部からの目印や電波がなくても、自身の姿勢や向きの変化を検出できる。
第二次世界大戦中に開発された V-2ロケット では、ジャイロスコープと自動制御装置を組み合わせた慣性誘導システムが採用された。
これにより、発射後は人間が操縦することなく、あらかじめ設定された飛行経路に沿って自律的に飛行できるようになった。
高精度な 慣性航法装置( INS )
その後、この技術はさらに発展し、加速度計を組み合わせた高精度な 慣性航法装置( INS )へと進化する。
人工衛星打ち上げロケットや弾道ミサイル、有人宇宙船、さらには航空機や潜水艦など、多くの乗り物で利用される中核技術となった。
極めて高い精度で飛行経路を制御
現在の宇宙ロケットでは、慣性誘導にGPSや恒星追尾装置などを組み合わせることで、極めて高い精度で飛行経路を制御している。
しかし、その基本原理は V-2 時代に確立された ジャイロ慣性誘導 へとさかのぼることができる。
ジャイロ慣性誘導 は、ロケットが外部の目印に頼ることなく、自らの姿勢と進路を制御するための基盤技術であり、現代の宇宙輸送システムへ受け継がれる重要な技術となっている。

