MVP ARCHIVE NASA | Search for Life Phase 02-09 : TESS / 近くの恒星に惑星を探す宇宙望遠鏡

近くの恒星に惑星を探す宇宙望遠鏡
TESS は、NASA の系外惑星探査衛星である。
正式名称は、Transiting Exoplanet Survey Satellite。
2018年に打ち上げられ、Kepler に続く重要な 系外惑星探査ミッション として運用されている。
Kepler が遠方の限られた領域を長期間観測したのに対し、TESS の特徴は、空全体を広く調べることである。
MIT による TESS ミッション説明でも、TESS は全天サーベイによってトランジットする系外惑星を発見するNASA ミッションとされている。
TESS が探しているのは、主に地球から比較的近く、明るい恒星のまわりを回る惑星である。
明るい恒星の惑星であれば、後から地上望遠鏡や James Webb Space Telescope などで詳しく観測しやすい。
惑星の大きさ、軌道、大気の手がかりを調べる上で、TESS は次の観測へつなぐ入口となる。
TESS も Kepler と同じく、トランジット法 を使う。
惑星が恒星の前を通過すると、恒星の明るさがわずかに下がる。
この小さな変化を繰り返し検出することで、惑星の存在を推定する。
生命探査に適した候補天体
TESSの成果は、単に惑星の数を増やすことではない。
生命探査に適した候補天体を、次の観測へ渡すことである。
地球サイズに近い惑星・小型の岩石惑星・ ハビタブルゾーン付近を公転する惑星・明るい恒星のまわりにある観測しやすい惑星。
こうした対象を見つけることで、生命探査は「 惑星を見つける段階 」から「 環境を調べる段階 」へ進んでいく。
TESS は、主ミッション後も拡張ミッションを通じて観測を続けており、全天に近い範囲を繰り返し調べている。近年も TESS のデータから新しい惑星候補や惑星系が報告され続けている。
現在分かっていること
地球近傍の明るい恒星のまわりにも、多くの惑星が存在するということである。TESS はその候補を大量に見つけ、後続観測の対象を広げてきた。
科学的な解釈として、TESS は Kepler が示した「 惑星は銀河にありふれている 」という理解を、より詳しい観測につなげる役割を担っている。
遠くの惑星を数える段階から、近くの惑星を詳しく調べる段階へ進めたのである。
それらの惑星の大気にどのような成分があるのか、液体の水が存在しうるのか、生命に関係する化学的特徴があるのか現時点では不明である。
TESS は、生命探査の候補地を宇宙の中から選び出し、次の観測へつなぐための重要な地図を作っている。
Search for Life において、生命を探す対象を「 遠くの統計 」から「 詳しく調べられる近くの惑星 」へ移したミッションなのである。
