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『涙の女王』ユン・ウンソンに見る“選ばれなかった人”の哀しみ

あんにょん🍑
韓ドラ沼民のミニョタレです。

今日はちょっとだけ、“悪役”のお話をさせてください。

あなたは

「悪役で泣いたこと、ありますか?」

私はあります。何度も。

たとえば、その人がどんなにひどいことをしていたとしても、ふとした場面で考えてしまうんです。

「この人、本当は愛されたかったんだろうな」って。

『涙の女王』のユン・ウンソンも、まさにそんな人でした。

ただの悪役だったはずなのに、物語が進むにつれて、それだけでは言い切れないことが明らかになっていって。

最終話で私が流した涙は、けっしてヘインのためだけでは、ありませんでした。

それは、悪役であるウンソンの未来が、もしもちょっとしたことで変わっていたら…と思わずにはいられなかった、そんな願いにも似た涙でした。


まずは『涙の女王』の世界観を感じてみてください。

🌟涙の女王ティーザー予告編/Netflix



彼の“歪み”はどこから来たのか?

ウンソンの悲しみは、過去からずっと続いていたものだったと思います。

母親に認めてもらえなかった。

誰からも選ばれなかった。

居場所がなくて、ただ誰かに求めてほしかった。

それなのに、最後の最後まで彼は選ばれなかった。

 「僕を選んでくれたら、変われると思った」

そうヘインに言ったウンソンの姿は、強がりじゃなく、ほんとうに心からの叫びだった気がします。

まるで、愛を知らないまま大人になってしまった子どものように。

叶わなかった願いを胸に、彼は静かに終わっていきました。

あの表情が、今でも忘れられません。


ミニョタレ的・韓ドラ悪役あるある3パターン

韓ドラに出てくる悪役って、よく見るとただの“悪人”じゃないことも多くて。

そこに哀しみが混ざっていたり、人間らしさが滲んでいたりするんですよね。

私なりに分類してみると、こんな感じです。


① 愛されなかった怒り型(ユン・ウンソン)

欲しかったのに、手に入らなかった愛。

それが怒りになり、執着になってしまったタイプ。


② 悲しみの中で怪物になった型(イ・ドンシク/怪物)

守れなかった、助けられなかった、許せなかった。そんな後悔や痛みが、いつの間にか暴走につながっていく。


③ 欲望と愛の境界で崩れていく型(ピョン・イルジェ/モンスター)

「大切な人を守りたい」っていう純粋な想いから始まったのに、気づけばそれが“支配”になっていた。
愛と独占欲の線引きができなくなってしまった人。



ウンソンの生い立ちを思い出すと、彼の悲しみの根はずっと深かったのだと思います。

彼は、母親に認められることなく育ち、自分の存在そのものを否定されてきました。

「母に愛された記憶がない」
「誰にも選ばれなかった」

その傷は、心の芯にまで染み込んでいた。

そして皮肉にも、彼の最後の願いは、ヘインに「選ばれること」でした。
ただ、それだけ…

けれど、彼女の心は最後まで彼に向くことはなく、その瞬間に、彼の中の最後の“希望”が潰えたように思えました。

「僕を選んでくれたら、変われると思った」

彼がヘインに向けたその一言は、どんな告白よりも切実だったんです。

そして、それをあんなにも静かに、切実に伝えてくれたのが、パク・ソンフンさんの演技でした。

大きな声じゃないのに、心にまっすぐ届く。

怒りや悲しみよりも、その奥にある“渇き”みたいなものが、表情のひとつひとつに滲んでいて…。

ウンソンがただの悪役じゃなく、“ひとりの人”として見えてきたのは、まさに彼の繊細な演技力の賜物だと思います。


最終話のユン・ウンソン
(パク・ソンフンの演技は鳥肌もの) / tvn

あの瞬間のウンソンは、愛を乞う子どものように、まっすぐで不器用で、そして孤独だった。

その願いが叶わなかったとき、彼は初めて“終わり”を受け入れたのかもしれません。

その痛みが、あの静かな終わりの表情にすべて現れていました。
彼は、ずっと“渇き”の中で生きていたんです。

そして私は、その渇きに、少しだけ共鳴してしまったのだと思います。 


共感は、ドラマの中から現実へ

ドラマの中で出会った悪役たちの“影”は、実は私たちの日常にも潜んでいます。

誰かの言動が「きつい」「ひどい」と感じたとき、その裏に「選ばれなかった経験」「満たされなかった想い」があることも、少なくありません。

もちろん、他人を傷つけることが正当化されるわけではありません。 

でも、それでも私は、ユン・ウンソンをはじめとする彼らの姿から、“想像することの大切さ”を学ばされた気がします。

たとえ理解はできなくても、想像するだけで、人に向ける言葉や態度は変わります。

悪役に共感した日、それはきっと、「人をただの役割で決めつけない目線」が芽生えた日だったのかもしれません。


悪役とは、“もうひとりの主人公”なのかもしれない

ユン・ウンソンは、“悪役”として物語に登場しました。
でもその存在は、ただの対立者ではありませんでした。

彼は彼なりに必死で生きていて、誰かに見てほしくて、選ばれたくて、愛されたかった。

彼の姿は、ヘインやヒョヌとはまったく対照的でした。

二人は何度もすれ違いながらも、最後には愛を選び直し、絆を取り戻していきます。

一方のウンソンは、誰にも選ばれず、愛されることのないまま、終わっていく…

でも、だからこそ思ったんです。

もしも彼が違う環境で育ち、違う人に出会っていたら…

彼もまた、愛することを知って、誰かと手をつないで歩けたんじゃないか、と。

そんなふうに想像するとき、ウンソンはただの“悪役”ではなく、物語の中にある
“もう一つの人生の可能性”
を背負った存在に見えてきました。

主人公と対になる“影”として、もうひとりの主人公として、彼は私たちに問いかけていたのかもしれません。

「もしもあなたが僕だったら、どんなふうに生きただろう?」と。

物語の主役にはなれなかったけれど、彼がいたからこそ生まれた涙が、私の中には確かにありました。

“悪役に泣かされた日”は、私の感情が少し成長した日でもあったと思います。

これからもきっと、またどこかで、誰かの中に“影を抱えた悪役”が現れるでしょう。

そのとき私は、もう一度そっと、想像してみたいと思います。

「この人が、もしも別の選択肢を与えられていたら、どうなっていただろう?」

と。


いかがでしたか。
私と同じように感じていた方もいたかもしれませんね。

「こういう仕草からこんな感情を受け取った」なんてこともたくさんありますが、今回は印象的だった部分にしぼっての考察でした。

今後、また新たに視聴したドラマでは、もう少し深く掘ってみたいと思います。お楽しみに🐣

『涙の女王』は、2024年に放送された全16話の韓国ドラマ。

脚本は『愛の不時着』や『星から来たあなた』のパク・ジウンさん。

キム・スヒョンさんは、この作品で第60回百想芸術大賞人気賞を受賞されています。

Netflixで現在も配信中ですよ!


『涙の女王』作品情報

原題:눈물의 여왕(2024年/全16話)
演出:チャン・ヨンウ、キム・ヒウォン
脚本:パク・ジウン(『愛の不時着』『星から来たあなた』)
出演:キム・ジウォン、キム・スヒョン、パク・ソンフン ほか
配信:Netflix


最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

ウンソンの物語に、なにか心が動いたよ…って思ってもらえたなら。

その想いを、そっと応援として届けてもらえたら、とても嬉しいです。

いただいたぬくもりで、また次の“涙のかたち”を描いていけたらと思っています。


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