【不動産屋の決算答え合わせ】FPG(7148)3Q決算。「累計売上大幅減」でも利益が崩れない謎。不動産株と比較してわかる“金融アレンジメント”の利益率
本日、FPG(7148)の第3四半期(3Q)決算が発表されました。
不動産実務の最前線から同社のB/S(在庫)を定点観測してきた投資家であれば、今回の決算書を見て「ある大きな違和感」と、同時に「同社のビジネスモデルの恐ろしさ」に気づいたはずです。
事前のプレビュー記事で、私は「国内の税制改正や海外不動産の市況停滞により、出口が詰まり、新たな不動産在庫(仕入れ)が積めていないのではないか」という懸念を提示しました。
結論から言えば、その懸念は「累計の売上高の大幅減」という形で明確に的中していました。 しかし、同社の決算は決してネガティブなものではありませんでした。なぜなら、同社は不動産会社ではなく、「金融会社(アレンジメント企業)」だからです。
第1章:プレビューの答え合わせ。「3Q累計」と「3Q単体」で見える真逆の景色
今回の決算を読み解く鍵は、「累計(1Q〜3Q)」と「単体(3Q:4-6月)」の数字を切り分けて見ることです。
① 3Q累計(1Q〜3Q):売上は大きく落ち込んだが、営業利益は踏みとどまった 累計の数字を見ると、売上高は前年同期比で大きく減少しています。これはまさに、プレビューで指摘した「不動産小口化商品の販売減速」や「組成用在庫の不足」がトップライン(売上)にブレーキをかけた結果です。 しかし不思議なことに、「売上が大きく下がっているのに、営業利益は前年対比でそこまで大きく下がっていない」のです。
② 3Q単体(4-6月):過去最高レベルの爆発力 その謎を解くのが、直近3ヶ月間(3Q単体)の業績です。 実は昨年の3Qは、主力のリースファンド事業において利益率の低い商品構成に偏ってしまい、売上・利益ともに落ち込んだ「谷間の四半期」でした。 対して今年の3Q単体は、不動産の足踏みをカバーする形で、主力のリースファンド(航空機等)が大爆発し、単体で見れば「最高益」と言える水準を叩き出しています。特に国内初の個人向け航空機小口化商品「F.bit(ファースト・ビット)」など、投資家のニーズを的確に捉えた新商品のヒットが業績を力強く牽引しました。
第2章:なぜ売上が激減しても利益が残るのか?
「3Q累計の売上高(ボリューム)が大きく落ちても、3Q単体で組成した高収益商品(マージン)が極めて厚いため、累計の営業利益が崩れなかった」。 これこそが、不動産セクターの常識が通用しない、FPGの持つ「金融アレンジメント力」の真骨頂です。
FPGは「組成・販売手数料(フィー)」で稼ぐ金融セクターの企業です。そのため、不動産の市況が悪ければ航空機や船舶へ注力することができます。
まとめ:そもそも計上の仕方が違うFPGのセグメントマジック?

上記は同社の売上高についての解説です。マジックでも何でもなく売り上げとして計上している項目が違います。
不動産販売は物件そのものの売上を計上しますが、取扱高の高い航空機などは手数料を売上とします。そうやって利益率が大きく変わるのもFPGの特徴なので利益率が上がってもそのまま捉えない方が良いと言えます。
とは言え、特異であるFPGのビジネスモデルは、不動産業界で高いリターン(ROE)を叩き出している独自のデベロッパーたちと比べた時、どれほど異質で、どこに「本当の強みと弱点」があるのでしょうか?
今回は特別なおまけとして、ここのところ決算分析した金融セクターのFPGと、不動産セクター4社(野村不動産HD・ヒューリック・エリアリンク・リアルゲイト)の財務12項目を徹底比較しました。
「王道の総合デベロッパー」「巨大なB/Sを持つ要塞」「ニッチ市場の覇者」「オフバランスの錬金術師」、そして「金融アレンジの雄(FPG)」。異業種をまたいだプロの指標比較で、各社の稼ぎ方のカラクリ(なぜFPGは売上減でも利益が残るのか)が一目でわかります。
↓↓↓ (限定コンテンツ) ↓↓↓
【おまけ】プロの実務家が使う12の財務指標。不動産4社 vs 金融アレンジFPG「ビジネスモデル比較」
投資の勝率は、「B/S(貸借対照表)の重さ」と「利益の源泉(開発益か、手数料か)」の違いを理解できるかどうかにかかっています。今回はセクターの垣根を越え、稼ぎ方のエンジンが全く異なる直近決算分析した5社を比較しました。

まだ視点は甘いですが、比較すると見えてくるものがあります。企業ごとの「利益の源泉(不動産か、金融か)」を理解することで、一見ネガティブに見える「累計売上減」の裏にある本当の強さを見抜くことができるはずです。
※免責事項:この記事は、不動産実務家としての個人的な見解・予測をまとめたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任(自己責任)において行われますようお願いいたします。
また気になるニュースがあれば取り上げます。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援よろしくお願いします。頂いたチップで不動産が買えるように皆様に役立つ記事を作り続けたいと思います。
