神デス-腐敗51 #03 翻訳地獄(職場篇)
◆セロニック Seronic=self (自己) + ironic(滑稽さ・皮肉)
俺の造語だ。
セロニック――絶望を、皮肉と笑いに変える発酵菌だ。
セロニックとは、怒りや恥や後悔を、滑稽さとともに時間と熱で熟成させ、
やがて笑いと諦観の香りを放つ“人間の納豆”へと変えていく心の酵母。
この記録は、実話として綴られた皮肉な発酵過程の観察日誌。
名を──「神のプレゼント腐敗51」。
◆翻訳地獄(職場篇)
夕方18時。
ガシャーン
会社の扉が開いた。
怖い先輩が三泊四日の出張から帰ってきた。
疲れているらしい。
会議VTRが10時間分あるようだ。
先輩は帰る準備をしている。
ピータン先輩「朝イチまでに全部紙に起こしておけよ」
1日で文字起こしできるのは、せいぜい2時間分だ。
心「できるか!この理不尽ピータン豆腐!」
彼は中国人。いつもピータン豆腐を食べている。
常識が大陸寄りだ。
やらないと言う選択肢はなかった。
やって死体になるか、やらないで翌朝鉄槌を受けるか。
二つに一つ。
俺は苦いコーヒーを2リットル飲み、カフェインで荒れた胃の中で徹夜で吐きながらやった。
翌朝。
ピータン先輩「雑だよ。読みづらいよ。嫌だよ。ふざけるなよ。」
——発酵には、味見のできない段階がある。
俺は『やったか・やらなかったか』で言えば、やった。
だから勝者だ。
それが分かってないピータン豆腐は、
注文して食べない客と同じだ。
異文化の価値観が俺には分からなかった。
これは大陸からの侵略型戦争の縮図だ。
——神はおそらく、“あらゆる紛争を収集するコレクター型サディスト”。
俺たちはその実験皿の上で、永遠に発酵している。
◆次回予告
腐敗.04 社長のお願い(職場篇)
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