神のデス・ギフト外伝#9 半腐りで漬けられていた俺を、恐竜たちが掘り出し、ぬるく励ましてくれた
今、俺は “神のデス・ギフト 第一章” の Kindle 版を仕込んでいる。
本編に約2万字を加え、塩分濃度を意図的に上げた。
そこにさらに、俺の人生から滲み出た醸造エピソード 『腐敗51』 を追加する。
人が読めば笑える。
俺は一ミリも笑えない。
二十年経ってもまだ発酵熱が残っている“傷あと”だ。
全体で11万字。
文庫にすれば350ページ。
まるで白菜の漬物の樽を、底から丸ごと読むような本だ。
ここまで読んでくれたあなたに、まず礼を言う。
宣伝を読んでくれるなんて、京都の千枚漬けみたいに粋な読者だ。
あれから二十年。
俺はすっかり45歳のオヤジになり、しがないサラリーマンを続けている。
肩書は「主任」。
実態は “平社員の最上階級”、つまり残業代が消える階級。
上と下に挟まれ、圧縮され、スルメみたいに水分は完全に抜けている。
これだけは言わせてくれ。
俺「中間管理職なんて、何も解決できない。胃で受け止めて、潰瘍になるしかない」
——笑えるほど、得なことはない。
そのせいで、なかなか本編を書く時間が取れない。
だから外伝で間を埋めるという、典型的な“連載の呼吸”に頼らざるを得ない。
心「……でも、本当に書きたいのは『ふるさと篇』なんだ」
東京篇は、俺という人間の“下地”を知ってもらうための序章にすぎない。
本当に酸の強い香りを放つのは、これからだ。
俺は今、第二章 ふるさと篇 の執筆を進めている。
すでにいくつかの話は仕上がり、いまは静かに寝かせている。
推敲は、まるでぬか床の底をかき混ぜるような作業だ。
俺の長く苦しい神への反撃。
ピロリ菌のようにしぶとく生き延びてきた俺の姿。
ぜんぶ読んでほしい。
——第二章は、さらに濃い。
神はまた、俺を煮沸消毒しにくる。
■今日の近況
明日、俺は車で4時間かけて化石の博物館に行く。
そのため、5時に起きる。21時に寝る。健康的だ。
まるで旬に収穫したイナゴの佃煮みたいに、妙に健康的だ。
博物館は化石系。
ここ数年の俺は恐竜にハマっている。
大人になって読む恐竜図鑑は、昔の“強さランキング”ではない。
パキケファロサウルスやアンキロサウルスのような、
子供に人気のない連中の“生き残り戦略”に心が奪われる。
つまらない話かもしれないが、
今の俺の話し相手なんて、化石ぐらいだ。
石なのか骨なのかも分からないものが、
土の中で静かに寝かされ、成分が変わり、
数千年後にようやく「その時」を語り出す。
心「まるで発酵と同じだな」
密封され、光も入らず、誰にも気づかれず、
それでも内部で少しずつ“旨味”だけが蓄積されていく。
腐るのではなく、熟成する。
——化石も発酵も、時間が敵ではなく味方なんだ。
だったら俺も、急いで結論を出す必要はない。
焦げついた今日も、寝かせば形が変わる。
明日の俺は、今日の俺より少しだけ“固まって”いるかもしれない。
だから、早く寝ることにする。
化石と発酵と俺──
三者とも、長く寝かせた方が旨くなる。
神のデス・ギフト第1章-第1話はこちら↓
神のデス・ギフト第1章-全話もくじはこちら↓
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