神デス-腐敗51 #05 新しい朝(職場篇)
◆セロニック Seronic=self (自己) + ironic(滑稽さ・皮肉)
俺の造語だ。
セロニック――絶望を、皮肉と笑いに変える発酵菌だ。
セロニックとは、怒りや恥や後悔を、滑稽さとともに時間と熱で熟成させ、
やがて笑いと諦観の香りを放つ“人間の納豆”へと変えていく心の酵母。
この記録は、実話として綴られた皮肉な発酵過程の観察日誌。
名を──「神のデスギフト腐敗51」。
◆新しい朝(職場篇)
この日は先輩の緊急の海外出張の日だった。
午前3時には会社に4人集まり荷物を持って車を出した。
成田空港まで荷物と人の運搬が俺の仕事だ。
約2時間車を走らせ空港に到着。
途中混んでいたのでハラハラした。
チェックインまで済ませて、見送って俺は1人になった。
俺「ここまで来て日本を出れないなんて」
悔しかった。
周囲の国際色豊かな酵母達が羨ましかった。
また1人で会社に戻る。
朝焼けに目を擦り運転する。達成感はわずかながら満ちていた。
俺「もう10時か。眠いし、疲れたな」
ガチャン
会社に戻り、ゆっくり扉を開けた。
キーーーッ
社長の椅子が回転して目が合った。
社長「おはよう。なんだ遅刻か?!」
俺はすでに7時間働いていた。
神の時計は…労働基準法では止まらない。
——朝日は新しいが、俺は昨日のままだった。
◆次回予告
腐敗.06 運賃で生きる(職場篇)
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