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NISAを始める勇気がない友達に、100円の話をした

深夜1時。
私はパソコンの前で、
将来について考えていました。

原因は、AIです。
いや。正確には、友達です。

先日、私は友達に渡す
パンを抱え、暑い街を
移動しました。

ぐーたら王国の立派な平民で
ありながら、一時的に
都市の渡り鳥となった私は、
どうにか友達の待つ
レストランへと
たどり着きました。

友達にパンを渡すと、
喜んでくれました。

炎天下に並んだかいが
ありました。
ぐーたら王国の外交は、
無事に成功です。

私たちは、おすすめだという
コースを注文しました。

料理を待っていると、
友達が言いました。
「私も、そろそろ
老後のことを考えないと
いけないと思って」

老後が、何の前触れもなく
現れました。
店員を呼ぶでもなく、
自分で椅子を引き、
私たちのテーブルに
座りました。

友達は続けました。
「NISAを始めようと
思ってるんだけど、
勇気が出ないんだよね」

「そうなの?」

「未桜ちゃん、
ずっと前からやってるでしょ。
背中を押してくれない?」

友達の背中は、椅子の
背もたれに、きちんと
守られていました。

話を聞くと、友達はすでに
インデックス投資について
調べているようです。

まだ始めていない人の口から
「インデックス投資」という
言葉が出てきたので、
私は驚きました。

「最初は、いくらくらい
買うつもりなの?」

友達は真剣な顔で言いました。
「いくらなら、老後は安心なの?」

老後が、ますます深く
椅子に座りました。

友達の中では、NISAを
始めることと、老後資金を
貯めることが、ほとんど
同じ話になっているようでした。

老後のために始めるのだから、
それなりの金額を
決めなければならない。

長く続ける覚悟も必要。
間違った商品を選んでは
いけない。

私はさり気なく言ってみました。
「証券会社によるけど、
投資信託なら100円ぐらい
から買えるところもあるよ」

「えっ、100円からできるの?」
友達は、本当に驚いていました。

「100円で何度か買ってみて、
どういう感じか見てみたら
いいんじゃない?」

100円で買えば、明日から
老後が安心になるわけでは
ありません。

でも、仕組みはちょっと
わかります。
続けるかどうかは、
それから考えてもいい。

テーブルの上のコーヒー。
100円より、かなり高い。

でも、コーヒーを注文するときに、
「勇気が出ないから、背中を押して」
と言われたことはありません。

「コーヒーを毎月1本買うなんて怖い」
とも聞いたことがありません。

そして、店員さんにも、
「このコーヒーは老後まで
飲み続けられる
最適な一杯ですか」
とは確認しません。

友達は投資が怖いというより、
老後を間違えることが
怖いのかもしれません。

「背中は押せないけど、
100円とかで何回か試して
みるのは、ありだと思うよ。
それで、大丈夫そうなら、
1,000円とか3,000円とか
ちょっとずつ増やしてみたら?」

「背中は押してくれないの?」

「下がったとき、
私が押したことになるから」

投資のバンジージャンプ台で、
「大丈夫。老後のためだから」
と言いながら、友達を崖から
突き落とすのは苦手です。

100円で試すだけなら、
たぶんバンジージャンプ
じゃなくて、高さ2センチ
ほどの段差です。

私は家に帰り、AIに聞きました。
「友達はインデックス投資に
ついて調べていたけど、
100円で何度か買って、
仕組みを試すという発想が
なかったと言っていた。
どうしてだと思う?」

AIは答えました。
「未桜さん、老後のための
投資だと考えると、
最初から長期的な正解を
選ばなければならないと
感じやすくなります。
小さく試して学ぶことよりも、
失敗しない決断を
優先してしまうのかも
しれません」

友達は、何も考えて
いなかったのではありません。
むしろ、きちんと
考えすぎていました。

まだ100円も買っていない。
なのに、頭の中ではすでに、
老後まで続く長期契約書に
実印を押そうとしている
ような真剣な眼差しを
していました。

私は、もう一つ聞きました。
「じゃあ、私は
どうすればよかったの?」

AIは答えました。
「始めるよう勧めるよりも、
決断を小さく分ける方法を
伝えるのがよいでしょう」

でも、その瞬間。
私はまた一つ、
精神的無敵の人になりました。

私は、人の背中を押す
必要はありません。

テーブルの中央に陣取った
老後に、いったん席を
外してもらえばいいのです。

無敵だ。
最強だ。

これから誰かに、
「NISAを始めたいから、
背中を押して」
と言われても、私は押しません。

まず、老後に隣のテーブルへ
移ってもらいます。

そして、目の前に
100円とコーヒーを置きます。

コーヒーは、100円の数倍も
するくせに、何十年後の責任など
一切負う気はありません。

どうやら、100円を重く
していたのは、投資では
ありません。

勝手に相席してきた老後です。


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