アドリブが苦手 / 通訳者さんのすごさを目の当たりにしたとき
「仕事は翻訳? じゃあ、(喋るのも)ペラペラですよね! 通訳もするんですか?」
翻訳の仕事をしているという話になると、よく尋ねられる。
おそらく、ほとんどの翻訳者はおなじ経験があるとおもう。
翻訳と通訳には共通の部分ももちろんあるし、外から見ると語学系の仕事ということでひとくくりになりがちだ。
でも業界のなかでみると(すくなくとも翻訳や通訳をやっている側からすると)まったくの別物。
たとえば、おなじ「走る」陸上競技といっても100m走とマラソンみたいに。
短距離と長距離の両方でオリンピックのメダルを獲ったランナーはいないようだけれど、通訳と翻訳の両方を極めているという方も、とてもすくない。
(私が知らないだけで、もしかするとわりといるのかもしれないけれど)
翻訳はひとりで原文と向かいあって、いろいろと調べたりしながら作業をする。
私は、気づいたら2、3日、(家族以外の)誰ともしゃべってない、なんてこともザラだ。
夕暮れに「声、ちゃんと出るかな」とおもってアー、アー、とかしてみたり。(挙動不審)
対照的に、通訳者さんのコミュニケーション能力たるや……。
知り合いの通訳さん、機材トラブルでイベントが中断したとき、臨機応変に話をつないでたからね……笑いもとりながら。
商談で「(興奮している)相手の話を遮って、これを言ってください」とか頼まれることもあるらしい。
緊張しがちでアドリブでの対応が苦手な私には無理なことだ。
そんな通訳さんの瞬発力に憧れたときもあるけれど、いまは考えを切り替えた。
なにごとも、あれこれ目移りするよりも自分の得意なことに集中するほうが健全だから。
今日も一歩ずつ、足元を確認しながらすすんでいこう。
アー、アー、音声も確認しておこう。
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