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学生が退屈しない授業にむけて / 大学での講義

おなじような内容でも、場によって反応はおおきく変わる。
業界団体の少人数イベントなんかだと、リアクションもわかりやすい。
話し手と聞き手の年代や業界もちかいし、聞き手も積極的だ。
払った参加費の「元を取ろう」という気持ちなんかもあるのかもしれない。

ちょっとしたエピソードがウケたりすると、
「私って、わりと話上手なのでは?」
とおもわず勘違いしそうになる。
(あまりに単純な性格ではずかしい)

その点、大学での大人数に向けての講義では、どうしても一方的になりがちでリアクションもすくない。
小ネタのエピソードも、あまりウケなくて早々に話をもどす。
ひとりで変な汗をかいて、自然とパワポも速くなる……

ところで、私が担当する講義は複数の学部の学生が受講してくれていて、専門分野がわりとちがう。
卒業後の進路としては、デザイン・モノづくり系、企画・広報系、語学・出版系、といった感じ。

あるとき気づいたのだけれど、学部ごとにまとまって座っているので、前からみていると反応のちがいがよくわかる。
話の内容によって、(私から見て)左側の学生たちが眠そうだったり、右側のほうが退屈そうにしていたり。
(もちろん、全員を惹きつけるような話をしないといけないのだけれど)

講義は電波を発信しているようなもので、相手の受信の様子を確認する必要がある。
相手が、自分にとっては「圏外」の話だという姿勢だったら、その状態でいくら話をしてもあまり意味がないだろう。
相手の周波数・関心とかさなっているのが理想的だ。

真剣に耳をすませている相手には、こちらが伝えようとおもっていること以上が伝わる。
たとえば電話で話をしているときに、受話器の向こうにいる相手が静かな部屋にいるのか、雑踏のなかで喋っているのかもなんとなくわかるのと同じだ。
(電話の相手がとてもビジネスライクな口調なのだけれど、明らかに居酒屋っぽい場所にいるとわかるとき、ありませんか?)

つぎも、学生たちの受信状況を確認しながら、話をしよう。
そして、どこに座っている学生たちも退屈しないような授業を。

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ミオカ|翻訳家 出版、美術、デザイン、ファッションなどの業界、フリーランスでの働き方など、翻訳という仕事をつうじて感じたことや経験・情報を皆さんに共有していきます。