【50代☆年の差婚のチャレンジライフ中!】創作大賞2026💛 恋愛小説部門エントリー作『セカンド・ロングバケーション』~第4話~未来を切り開くカーブ~
~第3話 あらすじ~
もう一度、自分の力で自由に動きたい。
そう思って警察署へ向かったミライは
運転免許が失効していると告げられ
思わぬ現実に立ち尽くす。
五十代でまた一から取り直し。
高額な教習所代に落ち込み、
公園のブランコで絶望していたところへ
現れたのは、研修帰りのケンだった。
ミライの話を聞いたケンは
すぐにスマホで合宿免許を調べ
岩手なら費用を抑えて
取り直せると教えてくれる。
年齢も時代も違う二人の会話は
どこか噛み合わないのに不思議と温かい。
ミライは少しだけ前を向くが、
心の奥にはまだ言えない不安が残っていた。
誰にでも、簡単には触れられたくない場所がある。
きっと私にも、ケンにも。
💛第4話~未来を切り開くカーブ~

「ミライさん、免許の再チャレンジするなら今ですよ」
北海道の古いアパートの廊下で
ケンは何気なくそう言った。
その言葉が、なぜか胸に残った。
やぱっり 今のうち?
コンビニへ行くことさえ億劫になり
「もう若くないから」
「失敗したら恥ずかしいから」
そんな言葉で
自分を守るようになっていた。
だからこそ私は
思い切って岩手県の合宿免許へ申し込み
もう一度、自分を取り戻したかった。
だが盛岡駅に着いた瞬間
大変な後悔だった。
免許学校の送迎バスを待つ生徒たちは
見渡す限り、十代、十代、十代。
二十代が大人に見えた
ってことは
私は??何もの?
キャリーケースにぬいぐるみを
ぶら下げた女子高生たち。
日焼けした男子大学生
TikTokを撮りながら笑い転げる若者たち。
その中に、一人だけ五十代の浦島太郎は
完全に場違いだった。
「……帰りたい」
思わず本気で呟いた。
さらに追い打ちをかけるように
四十代の男性教官は容赦なかった。
「高山さん! ハンドルの中に手を入れない!」
「は、はいぃっ!」
「内掛けハンドル禁止!
今の時代、それ危ないから!」
隣の十八歳の女の子には
「いいね〜その調子!」
と笑顔なのに
私には鬼軍曹のようだった。
癖のある私の運転は
右左折で怒られ
S字で怒られ
車線変更で怒られ
気づけば毎日
心がボコボコだった。
学科でも若い子たちの
吸収力についていけず
私は呼吸困難寸前
そんなある日。
「ミライさん、一緒に勉強しよー!」
声をかけてくれたのは
十代の女の子たちだった。
休憩室で一緒にアイスを食べながら
彼女たちは笑った。
「あの教官、年上には厳しいだけだから
気にしなくていいって!」
「ミライさん、めっちゃ面白いし好きー!」
私は思わずアイスを吹き出した。
「ありがとー でも学科
覚えること多すぎて一万年かかりそう」
「大丈夫、ミライさんなら百年でいける!」
「短くなった~」
みんなで大笑いした。
なんか気分が楽になり
不思議な居心地良さを感じてきた。
そう年齢なんて最初だけだった。
一緒にご飯を食べて
一緒に怒られて
一緒に眠そうな顔で
必死に授業を受けているうちに
私たちはただの“仲間”になっていた。
十代の子たちは
私を「おばさん」扱いしなかった。
一人の人間として
自然に笑い合って助けてくれた。
その優しさが胸に沁みた。
若いって、もっと冷たいと思っていた。
でも違った。
今の子たちは
年齢での上下関係があまりなく
フランクだった。
むしろ傷ついている人に敏感で
孤独そうな人を放っておけない
優しさがあった。
そして2週間後の
卒業試験当日。
最大の難関は
「クランク」だった。
狭い道を切り返しながら進む
恐怖のコース。
案の定
私は縁石ギリギリで止まってしまった。
頭が真っ白になる。
外では鬼教官が腕を組み
無言でこちらを見ている。
ヤバイ、不合格?
そう思った瞬間だった。
「……ミライさん、落ち着いて。もっと右」
小さな声が、後部座席から聞こえた。
同乗していた高校生の女の子だった。
本来、試験中の助言は禁止されている。
でも彼女は震えている私を見て
黙っていられなかったのだろう。
「焦らなくて大丈夫、ゆっくり切り返して」
その声はとても温かかった。
私は思いっきり深呼吸をした。
大丈夫。
まだ終わってない。
バックして、切り返して
もう一度前へ進む。
タイヤが綺麗にクランクを抜けた。
「……いけた」
気づいた瞬間、胸がいっぱいになった。
試験官が小さく頷く。
後ろの女の子は、こっそりピースしていた。
そして――合格。
発表の瞬間
十代の子たちが自分のことのように飛び跳ねた。
「ミライさんやったーー!!」
「すごーーい!!」
私は感動で
思わず目がうるうるした。
高校生の時の
クラス対抗でへ頑張った
体育祭を想い出した。
こんなふうに誰かが・・・
今の私の成功を
喜んでくれるなんて思わなかった。
日本に帰ってきてから私はずっと
自分の居場所を探していた。
離婚して
年齢を重ねて
未来が見えなくなって
もう人生の“脇役”になった気がしていた。
でも違った。
人は何歳からでも
新しい場所へ飛び込める。
何歳からでも笑い合える。
そして何回でも、やり直せる。
二週間後
別れは新幹線のホームだった。
「ミライさん
北海道で暴走運転しないでねー!」
「はーい!
みんなも気をつけて運転するんだよー」
手を振る高校生たちの笑顔に
私は感極まった。
たった二週間。
でもその時間は、止まりかけていた
私の心を確かに動かしてくれた。
私は子供のように
卒業証明書を胸にしっかりと抱きしめた。
そして真っ先に自動車運転試験所のある
札幌へ向かった。
その夜
絶対に一発で合格しないとと
勉強しながら
心の中はメラメラと燃えていた
翌日の合格発表:十六時
試験場の電光掲示板に
合格番号が光り出す
心臓が高鳴る
神様、お願いします。
次の瞬間
受験番号172がキラリと点滅
やったーーー
その場で飛び上がって
喜んでいるのは私だけだった
何も考えず
とっさにケンにメールした
『こんちわ!……取れたよ、合格したのー』
ケンから、すぐに返信が来た。
『おめでとうございます。
途中で逃げ出してないか
ちょっと心配してましたー』
「えっ?逃げ出すって??」
思わず吹き出した。
続けて届いたメッセージ。
『命懸けのドライブ、楽しみにしてます』
死のドライブ??
からかっているようでいて
その言葉の奥には、ちゃんと
私の挑戦を見守ってくれていた
ケンの優しさが滲んでいた。
暮れていく空を見上げ
私はバス停のベンチに腰を下ろし
出来立ての免許証を
大切にそっと見直した。
張りつめていた気持ちが
ゆっくりほどけていくのを感じた。
頬を撫でた夕暮れの風は
涼しいはずなのに
なぜか、その夜だけは
心の奥までじんわり温かかった。
2021年の夏
この時の私たちは
まだ知らなかった。
この先に涙があることも・・・
そして辛い別れがあることも・・・
でもあの日
私は確かに感じていた。
挑戦することも
夢を見ることを
誰にも止めることはできない。
恋も
青春も
人生も
自分で諦めない限り
まだ続いていくのだから。
💛第5話はこちらから
~ごあいさつ~
こんにちは
ミライです♪
たくさんの記事の中から
訪れていただき
本当にありがとうございます!
このストーリーは
実在する
昭和世代の浦島太郎状態の妻
平成時代の堅実派な夫
出会い
遠距離恋愛
破局
マインドリセット
復縁
そして結婚までの
この五年間の歩みを描いた物語です
私たちの激動の1800日を
フィクションも少し交えながら
過ごしてきたストーリーを
お届けいたします。
アダルトチルドレンの私は
24歳も年下相手に
何度も本気でぶつかり
大泣きしてしまうような日々も
たくさんありました
それでも今は
涙あり
笑いあり
そして少しだけ
人生のヒントもある
人生再生&恋愛小説として
綴りました。
この五年間のチャレンジは
本当に紆余曲折の連続でした
50代の私にとって
決して楽な道のりではありませんでした
それでも
年齢に対する
不必要な常識の壁を
少しずつ越えていく中で
私はようやく
自分らしく輝いていいのだと
思えるようになりました
人生はいくつになっても
変わることができます!
そして
何かを突き抜けた先には
必ず明るい未来が待っていると
私は信じています
この物語が
同じように人生の岐路に悩み
迷いや不安を抱えている皆さんの心に
小さな勇気の灯りを
ともすことができたら
とても幸せです♪
いつからでも
誰でも
何度でも
あなたしだいで
ゆっくりと柔らかい光が
心に必ず差し込み始めます♪
ここまで
読んでいただき心から感謝です
ありがとうございました😊
ミライ
