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【50代☆年の差婚のチャレンジライフ中!】創作大賞2026年恋愛小説部門エントリー作💛『セカンド・ロングバケーション』~第11話~運命の歯車が音を立てる


#創作大賞2026 #恋愛小説部門


~あらすじ~


沖縄へ引っ越しをしたミライは
海の近くの古いアパートで新生活を始める。

窓辺にドリームキャッチャーを吊るし
北海道でケンと過ごした半年間を
思い返しながらも現実は甘くない。

久しぶりの日本での就職
慣れない勤務体制
社会復帰に戸惑う日々が続く

そんな中
学生時代の友人リカとの再会に励まされ
ミライはもう一度ここで頑張ろうと決意する。

一方、北海道のケンもまた
自分の仕事と夢の間で揺れていた。

ふとミライを思い出した彼は
冷蔵庫のブーメランを見つめながら
ついにLINEを送る。

「生きてますか?」
その一行が離れた
二人の時間を再び動かし始める。

💛第11話~運命の歯車が音を立てる~




夜勤明けの私は
ベッドの上でほぼ干物になっていた。

沖縄の夜は北海道の夜とはまるで違う
窓の外では湿った潮風がカーテンをふわりと揺らし
遠くから波の音がゆるく届いてくる。

ロマンチックと言えばロマンチック
ただし現実は髪の毛が湿気で爆発し
勤務表に魂を吸われかけている五十代

「南国ってもっと癒やし系だと
思ってたんだけどな……」

私は天井を見つめたまま
ぼそっと呟いた。

沖縄に来てからの生活は
想像以上に慌ただしかった。

慣れない職場
変則的な勤務
久しぶりの日本の会社

そして誰も待っていない部屋に帰る夜

海は綺麗で空も広い
人もどこか穏やか

それなのに部屋にひとりになると
心の奥だけが急に静かになる

その静けさが、少し怖かった。

その時、枕元のスマホが
ポン、と鳴った

何気なく画面を見た
私は思わず息を止めた。

ケン?!

北海道に残してきた
不器用で無愛想でたまに失礼で
でもなぜか?
心の真ん中に入り込んでくる年下の隣人

最後に空港で握った大きな手の温もりが
ふいに指先へ戻ってきた。

私は少し緊張しながらLINEを開いた。

そこにあったのは、たった短い言葉

「生きてますか?生存確認です。」

胸の奥が、そっと温かくなった

けれどその温かさの中に
少しだけ戸惑いも混じっていた。

嬉しい

でも嬉しいとか寂しかったなんて書いたら
友達という安全な場所から
一歩はみ出してしまいそうだった。

私はすぐに返信しようとして指を止めた

軽く返す? 真面目に返す?
それとも少しだけ
寂しかったことを匂わせる?

ダメダメ、匂わせなんて

自分に言い聞かせてようやく文字を打った。

「かろうじて生きてます。
沖縄の湿気に毎日ゆっくり蒸されています」

-送信-

数分後に既読がついた

「早っ」

思わず声が出た。

待っていたのだろうか
たまたまだろうか

そんなことを考え始めると
また心が勝手に忙しくなる。

「蒸されてる?
北京ダックにでもなったんですか?」

北京ダック?
私はベッドの上で小さく笑った

たった数行なのに
部屋の空気が少しやわらかくなる。

画面の向こうに北海道の冷たい空気と
ケンの少し無表情な顔が浮かぶ

彼はいつも、真正面から優しいことを言わない
でも、こうして不意に様子を見に来る。

その距離感がずるい。

「仕事はどうですか?」

ケンからの文字に
私は少しだけ息を止めた。

どうですか?と聞かれると
どう答えていいか分からない。

順調です、と言えたら格好いい
楽しいです、と言えたら前向きだ

でも現実は
そんなに綺麗にまとまっていなかった。

「浦島太郎からの脱却に
完全にやられてます」

送信してから、少し照れた。

弱音を吐きすぎたかな・・
人生経験だけは長いのに
社員証を探して部屋を
三周している場合ではないのに

少しして返信が届いた。

「独りでパニックっている
ミライさんが見えます」

たった一文だった。

でも、その短い言葉は妙に深く染みた。

「簡単に言うね~」

「簡単じゃないです
でもミライさんは
転びながら進むタイプなので」

「転ぶ前提なの?」

「はい、わりと」

「失礼すぎるー」

「でも、起きる前提です」

私は返事を打つ指を止めた。

ふざけているようで
ちゃんと見ている。

からかっているようで
どこか信じてくれている。

そういうところが本当に困る。

私は少しだけ勇気を出して
今度はこちらから聞いた。

「ケンくんは?仕事、どう?」

すぐには返事が来なかった。

さっきまで軽く跳ねていた会話が
そこで少し静かになる。

窓の外では
潮風がカーテンを揺らしていた。
夜の沖縄は濃く
湿った空気が部屋の輪郭を
やわらかくぼかしている。

しばらくしてケンから返事が届いた。

「正直、少し迷ってます。」

私は画面を見つめた。

「今の場所で頑張ることも
必要だとは思うんですけど
このままでいいのかな?って時々思います。」

ケンが、そういう
言い方をするのは珍しかった。

彼はいつも、どこか淡々としている
悩んでいても、悩んでいない顔をする
寂しくても、冗談でごまかす

だからこそ
その短い文字の奥にある重さが
私には伝わってきた。

北海道で見たケンの横顔が浮かぶ
何かを諦めきれない人の目
だけど現実の前で
簡単には動けない人の静けさ

私はしばらく考えてから返信した。

「迷ってるってことは
まだちゃんと自分の気持ちを
捨ててないってことじゃないかな
それは、悪いことじゃないと思う」

送ったあと少し恥ずかしくなる。

私が何を偉そうに
沖縄で勤務表に追いかけられ

湿気に負け毎日小さく混乱している女が
人生を語っている。

でも、ケンには伝えたかった

今いる場所がすべてではないこと
遠回りしている時間にも
きっと意味があること。

少しして返信が来た。

「ミライさん、たまに真面目になる」

たまに?

「今日は多め
明日から課金制にします~」

「課金?高そうですね?割引は?」

「もちろん、なし。人生経験込みだから」

私は声を出して笑った。

励まし合っているはずなのに
なぜか値段交渉みたいになっている

その軽い会話のおかげで
胸の奥に溜まっていた不安が少しだけ薄れ
 
深刻な話を、深く抱え込まない。
少し茶化して、少し笑って
それでも大事なところだけは受け取る

それが、私たちらしい距離だった。

しばらく会話が続いたあと
ケンがふいに送ってきた。

「自分もミライさんみたいに
エスケープしたいな、気分転換に」

気分転換?

北海道の冬はこれからどんどん厳しくなる。
 雪
 凍った道
 白く曇る息
 きっとケンは、少し疲れているのだろう

私は深く考えずに軽い調子で返した。

「沖縄はどう?
北から南のトロピカルへ!」

送信してから
焦ってしまった

これって私から誘ってる?
ヤバイ・・・

でも、あくまでも軽く
気分転換の候補として
南国の観光地として
年上の余裕ある友達として?

しばらくして既読がついた

けれど、返事は来なかった

「あれ?」

私はスマホを見つめた。

もう一度、画面を確認する。

既読 でも沈黙

急に変なことを言っただろうか?
沖縄はどう?
なんて軽すぎただろうか?

それともケンは
ただ寝落ちしただけだろうか?

「若者、既読だけ残して消えるのやめてほしいー」

私は小さくため息をついた

深夜ケンから一言だけ返信があった

「おやすみなさい」

ケンとの久しぶりの
何でもないメール会話
私の心の奥は
いつまでも落ち着かなかった。

私はスマホを枕元に置き
窓際のドリームキャッチャーを見上げ
祈った

これ以上の自爆はしません
大人になります
おやすみなさい

それから数日が過ぎたが
ふとした瞬間に思い出す

「沖縄はどう?」

あの私が送った一文を
ケンはどう受け取ったのだろう。

冗談として流したのか
少しは考えたのか
それとも・・もう忘れているのか?

「忘れてるなら、それはそれで平和」

そう言いながら
私は全然平和ではなかった。

そんなある夜
仕事から帰って
バッグを床に置いた瞬間だった。

スマホからガタガタと振動
そして画面に、ケンの名前

私の鼓動は爆発寸前

恐る恐るLINEを開く

そこには短い文字が並んでいた

「お正月、沖縄に遊びに行ってもいいですか?」

たったそれだけ。

でもその一文で
部屋の空気が変わった。

私はスマホを持ったまま
しばらく動けなかった。

いいですか?

来たい、ではなく
行きます、でもなく
私の気持ちを確かめている?

心が、ざわめく

嬉しい
怖い
会いたい
でも会ったら・・・

ただでさえ
危なっかしい綱渡り人生なのに

ここで、とんでもない年齢差の
恋心まで本格参戦してきたら

私の人生はもう通常運転では済まない。

浦島太郎のタイムスリップから
怪しい宇宙にタイムトラベル

私の心だけ一気に大気圏を突破して
どこか知らない星に着地するのか

それとも・・・
途中でこっぱみじんになるのか。

危険極まりない・・・

私は今、仕事でも人生でもなく
もっと厄介で
もっと正直な場所の
分岐点に立っている気がした。

ただの友達なら
こんなに迷わない

ただの隣人なら
こんなに鼓動は乱れない

私は返事を打とうとして
何度も消した

いいよ
 軽すぎる

もちろん
 嬉しすぎる

来て来て
 完全に浮かれている

「落ち着け、ミライ。」

私は深呼吸をした
やっぱり返信を迷った

そして、数時間後
できるだけ自然に返信した。

「いいよ
沖縄、案内するね。」

ー送信ー

翌日の朝
ケンから返信が来た

「ありがとうございます。
南の島で気分転換、楽しみにしてます」

その一文を読んだ瞬間
私はスマホを胸元に抱えた

胸の奥がじんわり熱くなる。

ケンが北海道から南の島へ
私のいる場所へ

それはただの旅行なのか
気分転換なのか
 
それとも
北海道から旅立つ日の
空港で名前をつけられなかった

お互いの気持ちの奥にある何かが
もう一度、静かに
動き出そうとしているのだろうか

はたまた?皮肉にも
距離ができたからこそ
寂しさの想いが募っているのだろうか

その夜、私の頭の中は
満ち潮にさらわれた小舟みたいに
同じ場所をぐるぐる回り続けていた。

会いたい
でも、会うのが怖い

友達として迎えればいい
でも、本当にそれだけでいられるの?

考えれば考えるほど
心の中の波は静まるどころか
暗い海の底から
また次の不安を押し上げてくる。

南の島で私たちは再会する

その時、私の気持ちは
友達のままでいられるのだろうか。



💛第12話はこちらから



~ごあいさつ~

こんにちは
ミライです♪

たくさんの記事の中から
訪れていただき
本当にありがとうございます!

このストーリーは

実在する
昭和世代の浦島太郎状態の妻
平成時代の堅実派な夫

出会い
遠距離恋愛
破局
マインドリセット
復縁
そして結婚までの

この五年間の歩みを描いた物語です

私たちの激動の1800日を
フィクションも少し交えながら
過ごしてきたストーリーを
お届けいたします。

アダルトチルドレンの私は
24歳も年下相手に
何度も本気でぶつかり
大泣きしてしまうような日々も
たくさんありました

それでも今は
涙あり
笑いあり

そして少しだけ
人生のヒントもある
人生再生&恋愛小説として
綴りました。

この五年間のチャレンジは
本当に紆余曲折の連続でした

50代の私にとって
決して楽な道のりではありませんでした

それでも

年齢に対する
不必要な常識の壁を
少しずつ越えていく中で

私はようやく
自分らしく輝いていいのだと
思えるようになりました

人生はいくつになっても
変わることができます!

そして
何かを突き抜けた先には
必ず明るい未来が待っていると
私は信じています

この物語が
同じように人生の岐路に悩み

迷いや不安を抱えている皆さんの心に
小さな勇気の灯りを
ともすことができたら
とても幸せです♪

いつからでも
誰でも
何度でも

あなたしだいで
ゆっくりと柔らかい光が
心に必ず差し込み始めます♪

ここまで
読んでいただき心から感謝です
ありがとうございました😊

ミライ

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