ぶった斬るシリーズ第107弾「怖いのは分かるけど、それ全部繋げるのは雑じゃない?」
♦️前書き
有楽町で、「戦争は性暴力を生み出す」というデモがあったらしい。
戦争が悲惨なのは分かる。
性暴力なんて、絶対にあってはいけないことだと思う。
そこに異論はない。
でも、記事を読んでいて、ひとつだけ引っかかった。
👉その話、本当に繋がっているのかな?
戦争はダメ。
そこまでは分かる。
でもそこから、
改憲は危ない、武器輸出はダメって、
一気に話が進んでいるように見えた。
しかもその前提は、
👉「このままだと戦争になる」
――本当にそうなのかな。
ここは、民主主義の国だよね。
そんな簡単に、
「戦争になります」って決まるものなんだろうか。
ミリムは、そこが少し気になった。
♦️登場人物紹介
▪️ミリム
レガリア観測機関の観測者。
好奇心旺盛で、違和感を見つけるとすぐツッコむ。
▪️アルベルト
レガリアの参謀。
社会構造や文明を冷静に分析する。
▪️ガストン
古参観測員。
豪快な性格で、ミリムの暴走を止める役。
▪️レオ
新人観測員。
まだ経験が浅く、素直な疑問を持ち込む。
♦️第1章「違和感」
レオ
「ミリムさん、このニュース見ました?戦争は性暴力を生むから、改憲とか武器輸出に反対って話みたいです」
ミリム
「うん、それは分かるよ。戦争が悲惨なのも、性暴力が起きるのも、本当に嫌なことだよね」
ガストン
「がはははは!!まぁそりゃそうだ、好きなやつなんていねぇよな」
ミリム
「でもさ、ひとつだけ引っかかったんだ」
レオ
「え?どこですか?」
ミリム
「👉その話、ちゃんと繋がってるのかなって」
ガストン
「繋がってるってのは?」
ミリム
「戦争がダメなのは分かる。でもそこから、改憲は危ないとか武器輸出はダメって、一気に結論まで飛んでない?」
レオ
「あ……言われてみると、途中の説明がなかったかもしれません」
ガストン
「まぁでもよ、“戦争につながるかも”って思ってるんじゃねぇのか?」
ミリム
「うん、たぶんそうなんだと思う」
レオ
「はい」
ミリム
「でもさ、その前提って――」
ガストン
「なんだ?」
ミリム
「👉“このままだと戦争になる”って話になってない?」
レオ
「確かに……当たり前みたいに進んでました」
ガストン
「言われてみりゃ、そこ疑ってなかったな」
ミリム
「ここってさ、民主主義の国だよね?」
レオ
「はい」
ガストン
「おう、日本だな」
ミリム
「じゃあさ、そんな簡単に“戦争になります”って決まるものなのかな」
ガストン
「がはははは!!勝手に始められるもんじゃねぇよな」
レオ
「でもニュースだと、その前提で話が進んでました」
ミリム
「そう、それなんだ」
ガストン
「何がだ?」
ミリム
「戦争が怖いのは分かる。でもさ」
レオ
「はい」
ミリム
「👉その怖さのまま、“全部危ない”ってまとめてない?」
♦️第2章「前提のズレ」
レオ
「でもミリムさん、なんで“このままだと戦争になる”って考えになるんでしょうか?」
ミリム
「そこだよね。ミリムも気になってた」
ガストン
「まぁでもよ、戦争って怖いイメージあるしな。そう考えちまうのも分かる気はするぜ」
アルベルト
「理由は大きく2つ考えられます」
レオ
「2つですか?」
アルベルト
「1つは、“過去の記憶”です」
ガストン
「戦争の記憶ってやつか」
アルベルト
「はい。戦争で悲惨な出来事が起きたこと自体は事実です。しかし、その“結果”だけが強く残り、“なぜ起きたのか”という原因が共有されていない場合があります」
レオ
「結果だけが残ってる…」
ミリム
「だから、“また同じことが起きる”って感じやすくなるのか」
アルベルト
「その通りです。原因を見ないまま結果だけで判断すると、“似ているかどうか”の検証ができません」
ガストン
「なるほどな、そりゃ怖さだけが残るわけだ」
アルベルト
「そしてもう1つは、“政治への不信感”です」
レオ
「不信感…?」
アルベルト
「はい。“どうせ勝手に決めるのではないか”という前提です。この前提があると、制度の仕組みよりも“最悪の結果”を優先して想定する傾向があります」
ガストン
「つまり、“止められないかもしれない”って思ってるってことか」
アルベルト
「そうです。本来であれば、議会・選挙・世論といった複数のプロセスが存在しますが、それらが機能しない前提で話が組み立てられてしまう」
レオ
「それで“このままだと戦争になる”って考えになるんですね」
ミリム
「うん、流れは分かってきた」
ガストン
「でもよ、それってちょっと極端じゃねぇか?」
レオ
「確かに…全部が機能しない前提ってことですよね」
ミリム
「👉“仕組みがあるのに、無い前提で考えてる”ってことだよね」
アルベルト
「はい。そのズレが、結論の飛躍を生んでいると考えられます」
ガストン
「なるほどな、だから話が一気に飛んでたわけか」
レオ
「最初の違和感、ここに繋がるんですね」
ミリム
「うん。理由が分かると、見え方も変わるよね」
♦️第3章「現実の仕組み」
レオ
「でもミリムさん、戦争を止める方法って、あまり語られてない気がします」
ミリム
「うん、そこなんだよね。“ダメだ”はあるけど、“どう止めるか”が見えてこない」
ガストン
「がはははは!!確かに、“やめろ”だけじゃ止まらねぇよな」
アルベルト
「その点で重要なのが、“抑止力”という考え方です」
レオ
「抑止力…ですか?」
アルベルト
「はい。“攻めた場合の損失が大きい”と認識させることで、そもそも行動を起こさせない仕組みです」
ガストン
「つまり、“やったら割に合わねぇ”って思わせるってことか」
アルベルト
「その通りです。これは戦争を“起こすため”ではなく、“起こさせないため”の考え方です」
レオ
「でもニュースだと、武器とかは“危ないもの”って印象でした」
ガストン
「まぁ見た目だけならそう感じるよな」
ミリム
「でもさ、それだけで判断していいのかな?」
レオ
「え?」
ミリム
「👉“危ないから全部ダメ”って、ちょっと単純すぎない?」
ガストン
「がはははは!!確かにな」
アルベルト
「軍事力には二面性があります。“戦争の原因”にもなり得ますが、“戦争を防ぐ要因”にもなり得る」
レオ
「両方の側面があるってことですね」
アルベルト
「はい。どちらか一方だけで判断すると、現実の構造を正確に捉えられなくなります」
ガストン
「片方だけ見てたら、そりゃズレるわな」
ミリム
「うん。ミリムはここが一番大事だと思う」
レオ
「大事なところ…」
ミリム
「👉“怖いから排除する”じゃなくて、“どうすれば防げるか”を考えること」
ガストン
「なるほどな、それが現実ってわけか」
レオ
「最初の話と、だいぶ見え方が変わってきました」
ミリム
「うん。感情だけじゃなくて、仕組みで見るとね」
♦️第4章「印象の正体」
レオ
「ここまで聞くと、最初に思ってた印象とだいぶ違ってきました」
ミリム
「うん、ミリムも同じ。でね、もう一つ気になってたことがあるんだ」
ガストン
「まだあるのか?がはははは!!」
ミリム
「あるよ。だってさ、最初から“危ない”って見られてる感じしなかった?」
レオ
「え?」
ガストン
「あー、なんとなく分かる気はするな」
ミリム
「例えばさ、“右派”とか“強硬派”って言われ方してたよね」
レオ
「ありました」
アルベルト
「それは“ラベル付け”と呼ばれるものですね」
ガストン
「ラベル付け?」
アルベルト
「はい。あらかじめ印象を設定し、その枠で物事を判断する手法です」
レオ
「最初に枠を決めちゃうってことですか」
アルベルト
「その通りです。一度“危ない”という印象が設定されると、その後の情報も同じ方向で解釈されやすくなります」
ガストン
「なるほどな、一回そう思っちまうと全部そう見えるわけか」
ミリム
「うん。でね、そこに“戦争”とか“性暴力”みたいな強いテーマが乗ると――」
レオ
「さらに印象が強くなる…」
アルベルト
「はい。感情の強いテーマは、判断を加速させます」
ガストン
「そりゃ怖ぇ話と一緒にされたら、そう思っちまうよな」
ミリム
「だからたぶんね」
レオ
「はい」
ミリム
「戦争を止めたいって気持ちは、本当なんだと思う」
ガストン
「そこは疑うとこじゃねぇな」
ミリム
「でもさ」
レオ
「はい」
ミリム
「👉その気持ちと、“話がちゃんと繋がってるか”は別だよね」
レオ
「……あ」
アルベルト
「結論と根拠が分離している状態です」
ガストン
「つまり、“怖いからダメ”が先に来てるってことか」
ミリム
「うん、ミリムはそう見えたかな」
レオ
「じゃあ今回のズレって…」
ガストン
「なんだ?」
ミリム
「👉“怖さで全部まとめてる”ってことじゃないかな」
レオ
「……確かに」
ガストン
「なるほどな、スッキリしたぜ」
ミリム
「だからこそ――」
レオ
「はい」
ミリム
「👉“どうやって防ぐか”まで考えないと、見えないものがあると思うんだ」
♦️後書き
戦争が怖いのは、当たり前だと思う。
過去に何があったかを知っていれば、なおさらだよね。
だから、「戦争を止めたい」って気持ち自体は、とても大事だと思う。
でもね。
👉その気持ちと、「今の話が本当に繋がっているか」は、別なんじゃないかな。
怖いからダメ。
それだけで全部を判断してしまうと、
本当は考えなきゃいけない「仕組み」や「現実」が見えなくなる。
ミリムは、
👉「どうすれば戦争を防げるのか」
そこまでちゃんと考えた上で、話をしたいと思ったんだ。
怖いから遠ざけるんじゃなくて、
怖いからこそ、ちゃんと向き合う。
その先にしか、見えない答えもあると思う。
みんなは、どう思う?
Fin
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