重症熱中症は「積極的冷却」が鍵 日本救急医学会が対応手引きを公表
厳しい暑さが続くなか、熱中症への警戒が続いています。
こうしたなか、日本救急医学会は重症熱中症への対応として、「Active Cooling(アクティブ・クーリング)」を実践するための手引き(暫定版)を公開しました。
熱中症対策というと、「水分補給」や「涼しい場所へ移動すること」が思い浮かびます。しかし、重症熱中症ではそれだけでは十分ではありません。
重症例では、高い体温そのものが脳や臓器に深刻なダメージを与えるため、できるだけ早く体温を下げることが重要とされています。そのため日本救急医学会は、「積極的冷却(Active Cooling)」を迅速に開始することを推奨しています。
手引きでは、医療現場で実践できる具体的な冷却方法が整理されています。例えば、冷水への浸漬、全身への散水と送風を組み合わせた冷却、氷やアイスパックを用いた冷却など、患者の状態や現場の環境に応じた方法が示されています。
熱中症は時間との勝負です。救急搬送を待つ間にも適切な冷却を開始できるかどうかが、その後の回復に大きく影響するとされています。
特に高齢者は暑さを感じにくく、体温調節機能も低下しやすいため、重症化のリスクが高いといわれています。医療機関だけでなく、介護施設や福祉施設、在宅介護の現場でも、「重症時には迅速な冷却が必要」という考え方を共有しておくことが重要ではないでしょうか。
近年は猛暑が当たり前になりつつあり、熱中症は誰にでも起こり得る身近な健康リスクとなっています。予防はもちろんですが、万が一重症化した場合にどのような対応が求められるのかを知っておくことも、命を守る備えの一つです。
日本救急医学会がまとめた手引きは、医療・介護・福祉に携わる方だけでなく、一般の方にとっても参考になる内容です。暑さが本格化するこの時期だからこそ、正しい知識を共有し、一人でも多くの命を守ることにつながればと思います。
参考リンク
労働新聞社
https://www.rodo.co.jp/news/222815/
日本救急医学会「Active Cooling(アクティブ・クーリング)を実践するための手引き(暫定版)」
https://www.jaam.jp/info/2026/files/20260708.pdf
