治療しながら働く社員を支える「両立支援コーディネーター」とは
病気になったとき、仕事を続けることを諦めなければならない。
そう考える人は、今も少なくありません。
しかし、医療の進歩により、がんなどの病気になっても治療を続けながら生活し、働く人が増えています。
大切なのは、「治療するか、仕事を続けるか」という二択ではなく、一人ひとりが希望する働き方を選択できる環境をつくることではないでしょうか。
そのために注目されているのが、「両立支援コーディネーター」です。
両立支援コーディネーターとは
両立支援コーディネーターとは、治療と仕事の両立を支えるため、患者本人を中心に、医療機関と職場をつなぐ役割を担う人材です。
病気の治療を受けながら働く場合、本人だけでは解決が難しい問題があります。
例えば、
・治療のための通院と勤務時間の調整
・職場への病状説明の方法
・復職後の働き方
・仕事を続けるために必要な配慮
などです。
医療機関では治療を中心に考えますが、職場では業務や人員配置などの視点も必要になります。
両立支援コーディネーターは、その間をつなぐ役割が期待されています。
人事労務にとっても重要になる両立支援
人手不足が深刻になる中、経験や知識を持つ社員が、病気を理由に離職してしまうことは、本人だけでなく企業にとっても大きな損失です。
これからは、社員が病気になった場合でも、
「退職するしかない」
ではなく、
「どのように働き続けることができるか」
を考えることが重要になります。
そのためには、制度を整えるだけでは十分ではありません。
休職制度や勤務時間の調整制度があっても、現場の管理職が理解していな
ければ、実際の支援にはつながりません。
人事担当者や管理職が、治療と仕事の両立について理解することも重要です。
多職種が学ぶ両立支援の知識
両立支援コーディネーターの研修は、医療職を中心に幅広い人が受講しています。
看護師、薬剤師、理学療法士などの医療職だけでなく、働く環境を支える立場の人にも関心が広がっています。
医療の知識だけではなく、職場環境や制度への理解を持つことで、より多面的な支援につながります。
私も両立支援コーディネーターの研修を受講しました。
研修を通じて感じたのは、治療と仕事の両立には、医療だけでも、人事制度だけでもなく、双方を理解する視点が必要だということです。
オンラインで学べる両立支援コーディネーター研修
令和8年度の両立支援コーディネーター基礎研修は、オンライン形式で開催されます。
全4回開催され、各回2,000人程度を予定しています。
多くの人が関心を持つ分野になっていることが分かります。
病気になっても働き続けたい。
そのような希望を持つ人を支えるためには、医療機関、企業、本人をつなぐ存在がますます重要になるのではないでしょうか。
高齢化や人手不足が進む中、治療と仕事の両立支援は、これからの人事労務における大切なテーマになっていくと感じます。
参考リンク
■労働者健康安全機構
令和8年度 両立支援コーディネーター基礎研修
https://www.johas.go.jp/workbalance/balance-support-coordinator/coordinator-r8-basic-training-schedule/
■両立支援コーディネーター基礎研修 申込サイト
https://www.ryoritsuco-kensyu.johas.go.jp/johasryoritu2026/
■厚生労働省「治療と仕事の両立支援ナビ」
https://chiryoutoshigoto.mhlw.go.jp/
