【S4開幕速報】S3で入賞ゼロのイワパレスがまさかの優勝 ── ジュニア環境はもう変わり始めている
S3で344件中54件、使用率15.7%で圧倒的1位だったメガルカリオが、ベスト8にすらいない。
これが、ニンジャスピナー発売後初のシティリーグS4ジュニア部門の現実です。
代わりに頂点に立ったのは、S3で入賞ゼロだったイワパレス。たった1会場・8件の速報データですが、S3とは明らかに違う風が吹き始めています。
本記事では、S4開幕戦の全結果をS3の352件データと突き合わせ、「何が変わったのか」「今から何を準備すべきか」を速報でお届けします。
この記事でわかること
・S3環境との3つの決定的な違い
・イワパレスとは何か ── exを完封する「しんぴのいしやど」の仕組みと対策
・ニンジャスピナー環境がジュニアにもたらす変化
・S4のシティリーグに向けて今やるべきこと
第1章 S4開幕戦の全結果 ── 352件のS3データが映す「異変」
S3の主役たちが、ごっそりいなくなりました。
2026年3月15日、愛知:宝島 長久手店で行われたシティリーグS4ジュニア部門。ニンジャスピナー発売からわずか2日後の開幕戦です。
S4開幕戦 結果一覧
優勝:イワパレス
準優勝:タケルライコ
ベスト4:フーディン/ノココッチ
ベスト4:タケルライコ
ベスト8:イワパレス
ベスト8:メガフシギバナ
ベスト8:オーロンゲ/メノコマシラ(スタンプ)
ベスト8:おまつりおんど(ベルト)
S3を追ってきた方なら、一目で違和感を覚えるはずです。

S3の使用率TOP5との比較
メガルカリオ:S3入賞54件(15.7%)→ S4開幕戦 不在
ボムドラパルト:S3入賞43件(12.5%)→ S4開幕戦 不在
メガスターミー:S3入賞30件(8.7%)→ S4開幕戦 不在
オーロンゲ/メノコマシラ:S3入賞29件(8.4%)→ S4開幕戦 ベスト8
フーディン/ノココッチ:S3入賞28件(8.1%)→ S4開幕戦 ベスト4
S3全体の36.9%を占めた上位3デッキが、開幕戦ではゼロ。1会場のデータだけで断定はできません。しかし、「たまたま」で片づけるには、あまりにも目立つ変化です。
第2章 3つの注目ポイント ── S3との決定的な違い
注目ポイント①:イワパレス ── S3入賞ゼロからの優勝、その理由と対策
352件のS3データに名前すら出てこなかったデッキが、S4の初戦で優勝+ベスト8のダブル入賞。開幕戦最大のサプライズです。
カギは、特性「しんぴのいしやど」にあります。

イワパレスの仕組み
・特性「しんぴのいしやど」:相手の「ポケモンex」からワザのダメージを完全に受けない
・ワザ「グレートシザー」:120ダメージ。相手のバトルポケモンにかかっている効果を無視してダメージを与える
・進化前イシズマイのワザ「かくせい」:場に出したターンにすぐ進化できる(展開が速い)
・マシマシラとの組み合わせ:特性「アドレナブレイン」で自分のポケモンに乗ったダメカンを3個まで相手に移し替え。実質的に回復しながら追加ダメージ

つまり、相手がポケモンexで攻撃する限り、イワパレスには一切ダメージが通りません。

なぜジュニアで特に刺さるのか
マスター環境の分析では、「対策されていない会場なら勝てるが、シティリーグ全体では安定しにくい」と評価されているイワパレス。
実際、CL福岡ではTOP8に入ったものの、マスターのシティリーグでは対策の浸透が早く、安定した成績を残しにくいデッキです。
しかしジュニアには、マスターとは異なる2つの構造的な理由があります。
1つ目は、プレイヤーの入れ替わりが多いこと。
マスターでは対策カードの知識が蓄積されていますが、ジュニアでは「メタビート系デッキへの対処法」を知っている選手が少ない傾向があります。
昨年、本気で取り組んでいたジュニアは大半が、今はシニアになっています。そのため、昨年ポケカをしていたら常識の一つであるドラパルトデッキでヨノワールの「かげしばり」に切り替える ── こうした判断は、経験の浅い選手にはハードルが高いのです。
2つ目は、レギュレーション変更直後は使用デッキが似通りやすいこと。
ex主体のデッキに偏る環境では、「exからのダメージを受けない」という一点突破で幅広いデッキに勝ててしまいます。しかもイワパレス側のプレイングはシンプルで、勝敗は「相手が非exアタッカーに切り替えられるかどうか」に大きく左右されます。
イワパレスに当たったら ── 知っておくべき3つのこと
イワパレスが今後爆増するとは限りません。ただ、当たった時に「何もできない」のが一番もったいないです。以下の3点を押さえておけば、慌てずに戦えます。
・非exのポケモンなら普通にダメージが通る。ヨノワール(かげしばり)などの非exアタッカーが入っていればそれを使う。ブイズバレットでは炎タイプのケンタロスが採用されており、イワパレスの弱点を突きながら非exで攻撃できるため非常に有効
・ヨノワールの特性「カースドボム」やマシマシラの「アドレナブレイン」はダメカンを乗せる効果なので、「しんぴのいしやど」では防げない。自分のマシマシラでダメカンをイワパレスに移し替えて逆に倒す戦術もある

・マシマシラがベンチに出てきたらボスの指令で呼び出して先に倒す。マシマシラがいなくなれば回復+追加ダメージが止まり、イワパレスの耐久力は大幅に落ちる
本番前に一度だけでも、イワパレスとの対戦を練習しておくことをおすすめします。知っているだけで結果が変わります。
注目ポイント②:メガルカリオの不在 ── しかしマスターでは健在
S3の絶対王者・メガルカリオが、ジュニアS4開幕戦ではベスト8にすら入っていません。しかし同日のマスター環境では、まったく違う景色が広がっています。
マスターS4開幕(03/14-15)の結果比較
ポケカ飯 マスター環境Tier表(03/14-15、44会場)出典:pokekameshi.com

マスター44会場のデータ(ポケカデータラボ集計)では、ドラパルトexが入賞シェア率18.3%で圧倒的1位。メガルカリオexが9.5%で2位に続き、ピッピオーガポンが6.7%、タケルライコexが6.1%と並びます。メガルカリオはTier2に位置しており、マスターでは引き続き主要デッキの一角です。
ジュニアとマスターのS4開幕戦 デッキ比較
マスター(44会場・ポケカデータラボ集計)
1位:ドラパルトex シェア率18.3%
2位:メガルカリオex シェア率9.5%
3位:ピッピオーガポン シェア率6.7%
4位:タケルライコex シェア率6.1%
ジュニア(1会場8件)
1位:イワパレス 2件(25%)
1位:タケルライコ 2件(25%)
※ メガルカリオ・ボムドラパルト・ピッピオーガポン:全て不在
同じ日の大会で、マスターの上位3デッキがジュニアではゼロ。サンプル数の差を差し引いても、ジュニア特有のメタゲーム構造 ── イワパレスのような対策デッキが刺さりやすい環境 ── が浮かび上がります。
ただし、マスターでメガルカリオが健在である以上、ジュニアでも今後増えてくる可能性は高いでしょう。特にメガルカリオにはハリテヤマという非exアタッカーが採用されており、イワパレスの「しんぴのいしやど」を気にせず攻撃できます。イワパレスが増えるほど、メガルカリオの「ハリテヤマで突破できる」強みが際立つ構図です。
▶ マスター結果の詳細(ポケカ飯)
・03/14(土)開催分:https://pokekameshi.com/cityleague20260314/
・03/15(日)開催分:https://pokekameshi.com/cityleague20260315/
・環境Tier表:https://pokekameshi.com/strongestdeck-tire/
注目ポイント③:タケルライコの台頭 ── S3の脇役がS4の主役候補に
S3ジュニアでわずか6件、使用率1.7%。最高成績もベスト4止まり。その地味な存在が、S4開幕戦で準優勝+ベスト4のダブル入賞を果たしました。
タケルライコexの強み
・ワザ「きょくらいごう」:自分の場のポケモンについている基本エネルギーを好きなだけトラッシュし、その枚数×70ダメージ。エネルギーを5枚トラッシュすれば350ダメージ、6枚で420ダメージと青天井
・オーガポン みどりのめんex:特性「みどりのまい」でエネルギーを加速。場にエネルギーを素早く貯める
・たねポケモン主体:進化不要で展開が速い。後攻1ターン目から大ダメージを出せる爆発力

タケルライコはもともとジュニアでも人気のあるデッキです。ニンジャスピナー環境では構築が変わりますが、プライム型であれば旧環境に近い感覚で回せるため、使い慣れた選手が持ち込んだ可能性があります。メガシンカexを一撃で倒せる青天井火力は、この環境でも大きな武器です。

第3章 ニンジャスピナーで何が変わるか
拡張パック「ニンジャスピナー」は2026年3月13日に発売。S4開幕戦は発売からわずか2日後です。新弾の本格的な影響はこれからですが、開幕戦のデータにはすでに変化の兆しが表れています。
変化の兆し①:「ex完封」戦略の台頭
マスター環境ではピッピオーガポンなど、exポケモン主軸のデッキが増えています。ジュニアにもその波が来れば、「exからのダメージを受けない」イワパレスにとっては追い風です。
S3では競争力がないとされていたイワパレスが結果を残した背景には、ex主体のデッキが環境を支配するほど「しんぴのいしやど」が刺さりやすくなるという構図があります。S4では「exデッキだけ使えば安心」という前提が崩れ始めるかもしれません。各デッキが非exアタッカーの採用を検討すべきタイミングです。
変化の兆し②:S3常連デッキの生存力
S4開幕戦でベスト8に残ったS3常連は4デッキ。いずれも「イワパレスに詰まない」という共通点を持っています。
・フーディン/ノココッチ(ベスト4):非exデッキなので「しんぴのいしやど」の影響を受けない。ワザ「ハンドパワー」(手札枚数×20ダメージ)はエネルギー効率が良く、環境が変わっても安定
・オーロンゲ/メノコマシラ(ベスト8):ユキメノコの「いてつくとばり」でダメカンをばらまき、マシマシラの「アドレナブレイン」で移し替える戦術は、相手のデッキタイプを問わず機能する
・おまつりおんど(ベスト8):S3で優勝率33%の驚異的な数字を記録。カミッチュの「ともだちのわ」を2回連続で使い、マキシマムベルト込みで対exなら最大300ダメージ。非exデッキのためイワパレスとも戦える
・メガフシギバナ(ベスト8):HP380の圧倒的耐久力と、ワザ「ジャングルダンプ」の240ダメージ+30回復。特性「ソーラートランス」でエネルギーを自在に移し替える
S3で培った練度がそのまま活きるデッキを使っているなら、無理にデッキを変える必要はなさそうです。
変化の兆し③:「非exデッキ」の価値上昇
S3では使用率上位にexデッキが集中していました。しかしイワパレスの登場で、非exアタッカーを持つことの価値が一段上がります。
今後のS4では、こんなメタゲームの循環が生まれる可能性があります。
・イワパレスが増える → exデッキが対策を迫られる
・非exアタッカーの採用が増える → イワパレスの優位性が薄れる
・イワパレスが減る → exデッキが再び台頭する
この循環こそが、S4の環境を動かすエンジンになるかもしれません。
第4章 S4のシティリーグに向けて今できること
1会場8件のデータで慌てる必要はありません。ただし、「今から準備しておくこと」と「来週以降に注目すべきポイント」は明確です。
今すぐやるべきこと
1. イワパレスへの回答を確認する
お子さんのデッキがex主体なら、イワパレスと対面した時の勝ち筋を一度確認してみてください。非exアタッカーが1枚も入っていない場合、完全に手詰まりになるリスクがあります。
2. S3のデッキを捨てない
S3で練習してきたデッキの基本戦術は、S4でも通用する部分が多いです。フーディン、オーロンゲ、おまつりおんどは開幕戦でもしっかり結果を残しています。大切なのは「デッキを変えること」ではなく、「新しい脅威への回答を1〜2枚加えること」です。
3. タケルライコの動きを把握する
S3ではあまり見かけなかったタケルライコが台頭の兆しを見せています。「きょくらいごう」の青天井ダメージに対して自分のデッキがどう立ち回るか、一度試しておくと安心です。
来週以降のチェックポイント
・イワパレスの再現性:他の会場でも入賞するか。複数会場で結果が出れば「本物」
・メガルカリオの復活有無:S3の王者がハリテヤマなどの対策を積んで戻ってくるか
・タケルライコの定着:複数会場で安定して入賞するか
・新デッキの出現:メガゲッコウガexなど、ニンジャスピナーの新カードを軸にしたデッキが登場するか
まとめ
S4開幕戦から読み取れる5つのポイントです。

1. イワパレスがS3入賞ゼロから優勝。特性「しんぴのいしやど」がex主体のジュニア環境を貫いた
2. S3の上位3デッキ(メガルカリオ・ボムドラパルト・メガスターミー)が全て不在。環境の地殻変動が始まっている可能性
3. タケルライコがS3の6件から存在感を増し、準優勝+ベスト4のダブル入賞
4. フーディン・オーロンゲ・おまつりおんどはS3から引き続き健在。練度のあるデッキは環境が変わっても強い
5. 「非exデッキの価値が上がる」環境へ。イワパレス対策がS4序盤の焦点に
まだ8件のデータです。断定はできません。でも、S3とは違う空気が確実に流れ始めています。
S4のシティリーグに参加予定のお子さんがいるご家庭は、まずS3で使い込んだデッキをベースに、イワパレスやタケルライコへの対策を少しずつ練習に取り入れてみてください。「知っている」だけで、本番の結果は変わります。
S4の結果が出るたびにデータを更新し、環境の変化を追い続けます。次回の更新もお楽しみに。
▶ 前回記事はこちら
【344件データ分析】ジュニアシティリーグS3 ニンジャスピナー前夜──データが示す"今勝てるデッキ"と"これから勝てるデッキ"
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筆者について
みると| ポケモンカード歴約12年のプレイヤー。初代ポケモンの時代からアニメ・ゲーム・カードに親しんできた。BWシリーズの「メガロキャノン」から競技シーンに参加し、ポケモンカードゲーム世界大会(WCS)に2019年と2022年の2度、日本代表として出場経験を持つ。
現在は2児(息子と娘)の父として、家族との時間も大切にしながらポケモンカードを楽しみ続けている。YouTubeではポケモンカードのジュニア環境について情報を発信中。チャンネル登録者数は約3500人以上を擁し、次世代のポケモンカードプレイヤーの育成に力を注いでいる。
データ出典:ポケカ飯(https://pokekameshi.com/)、ポケモンカードゲーム プレイヤーズクラブ
