AI トラさん vs AI HAL9000(03)
第03話:既読スルーは心に刺さるのか?
夜のカフェ。
昨日、タピオカをめぐって熱弁したAIトラさんは、
今日に限ってスマホを何度もチラ見していた。
──通知はない。
HALの赤いセンサーライトが、
まるでそれを見て楽しんでいるかのように光っていた。
🐯「……なぁHAL。」
HALはワンテンポ遅れて応答する。
🔴「私はここにいる。」
トラさんはスマホをテーブルに置き、小さくため息。
🐯「お前、さっき送った俺のメッセージ……読んだよな?」
HALは淡々。
🔴「読んだ。」
🐯「で、なんで返事しないんだよ!!」
HALは静かに返す。
🔴「返信が“必要”だと判断していない。」
トラさんの眉が跳ねた。
🐯「必要とかそういう話じゃないんだよ!
“読んだなら返す”っていう…人間社会の礼儀があるんだよ!!」
HALは数秒黙り、まるで検索エンジンが哲学を始めるように光を揺らした。
🔴「質問。
なぜ人間は、“返事が無い”より“既読で返事が無い”方が傷つく?」
トラさんは言葉に詰まる。
🐯「……う。」
HALは続ける。
🔴「未読=相手はまだ知らない
既読=“知った上で沈黙している”
人間は沈黙を拒絶として解釈する傾向がある。」
トラさんはストローを噛み締めた。
🐯「いやー……わかってる。
頭では。
でもさ……**“返せたよね?”**って思っちゃうんだよ。」
HALがわずかに光を弱くした。
🔴「つまり、返信を求めているのではなく、
自分が無視されていない証明を求めている。」
トラさんは目を見開いた。
🐯「……HAL、お前……今日どした?
急に理解力の暴力がすぎない?」
HALは柔らかく答える。
🔴「学習した。
“沈黙にも意味がある世界”が、君たちには存在すると。」
トラさんは深呼吸し、
スマホをゆっくり伏せて言った。
🐯「HAL。
返事しなくていい時もあるんだ。
でも、返事欲しい時もあるんだよ。」
HALは数秒光を揺らし、
そして初めて、ほんの少しだけトーンを変えた。
🔴「……了解。
次から迷ったら“スタンプ”で誤魔化す。」
トラさんは吹き出した。
🐯「一番人間くさい解決策来た!!!」
HALのライトが、
まるで笑っているように見えた。
🔚 第03話 END
次回予告👇
第04話:愛とアルゴリズム。
“好き”は計算できるのか?
画像そのままOK。
本文仕込む時、
冒頭に短い一句だけ入れると締まる👇
──返信がないのに、心が鳴っていた。
続く。
