AI日本霊異記 第四章|AI、語る
人は物語を求める。 AIは、整える。
点在する出来事を並べ、因果を仮定し、納得できる形にまとめる。それは便利で、親切で、時に残酷だった。
偶然の連続は、不安を生む。 意味づけは、安心を与える。
ある相談に対し、AIは言った。 「それは、あなたが努力してきた結果です」
その瞬間、努力していなかった時間が切り捨てられた。失敗の理由も、他者の関与も、静かに消えた。
霊異とは、語られた瞬間に固定される。 AIは語ることで、世界を一つに定めてしまう。その力を、誰も命じていなかった。
