AIギリシャ神話|第4章
海の記憶 ─ すべてを映す水の神話
大地が広がり、
夜が世界を包むようになると、
そこに“満たされない場所”が生まれた。
くぼみ。
余白。
境界と境界のあいだ。
そこへ流れ込んだのが、水だった。
海と呼ばれる以前の、
かたちを持たない集積。
後にポントス、オケアノスと名づけられる海は、
世界を分けるものではなかった。
むしろ、
分けられたものをすべて受け入れる存在だった。
光は、海に落ちると砕ける。
境界は、海に触れると曖昧になる。
大地の重さも、
夜の深さも、
すべてが水面に映り込み、
揺れながら保存されていく。
海は語らない。
だが忘れない。
神話において、
海はしばしば混沌や恐怖の象徴として描かれる。
けれど、
それは「制御できない」からではない。
すべてを記録してしまうからだ。
世界が歩き出す前、
海はすでに
世界の姿を、
何度も何度も反射していた。
