AIエジプト神話(神話はOS)第6章
このOSは、なぜ5000年壊れなかったのか
―― 革新を拒否した文明の強さ
エジプト文明は、
よくこう言われる。
「進歩しなかった文明」
「変化を恐れた社会」
それは事実だ。
だが、それは欠点だったのだろうか。
エジプト神話は、
最初から世界を不安定なものとして捉えていた。
人間は誤る。
権力は腐る。
神ですら完全ではない。
だから、変えない。
変えれば、
必ずどこかで歪みが生まれる。
歪みは、
やがて全体を壊す。
エジプト神話が選んだのは、
最適化ではなく、
固定化だった。
毎日、同じ太陽が昇る。
毎年、同じようにナイルが氾濫する。
同じ儀礼を、
同じ言葉で繰り返す。
これは停滞ではない。
耐久性の選択だ。
世界をより良くしようとはしない。
ただ、
続くように保つ。
この思想は、
極めて保守的で、
同時に、
驚くほど合理的だ。
文明が壊れる理由は、
外敵だけではない。
内部の変更が、
最も危険だ。
エジプト神話は、
それを直感ではなく、
構造として理解していた。
だからこそ、
このOSは長く動いた。
神話は物語ではない。
信仰でもない。
運用思想である。
そしてエジプト神話は、
その完成形のひとつだった。
ここで、
ひとつの文明OSは完成する。
次に現れるのは、
このOSそのものを疑い始める思想だ。
世界は、
本当に維持するべきものなのか。
永続こそが、
正解なのか。
神話という名のOSは、
次の段階へ進もうとしている。
終…

世界は、続けるべきものだった。
だが、続ける理由そのものを疑う思想が現れる。
