AI鎌倉大仏 第6章
第6章|写真とデータの時代
カメラが向けられる。
像は、枠の中に収まる。
実体は動かない。
だが、像は移動を始める。
写真として、印刷物として、画面として。
修学旅行の集合写真。
観光案内の一枚。
やがて、個人の記録としての画像。
大仏は、切り取られる。
背景を失い、天候を失い、
サイズ感すら調整される。
ここで像は、
信仰でも風景でもなく、
共有可能なデータになる。
転送され、複製され、保存される。
だが本体は、
同じ場所に座り続けている。
データは軽くなる。
意味も圧縮される。
それでも、像は消えない。
この時代、
人は像を持ち帰る。
だが像は、
どこにも移動していない。
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