発達外来でよく聞かれる質問①様子見で大丈夫?診断のメリットや検査はどう考える?【未就学児編
今回は、以前の記事
で頂いた質問に対して答えていく。
…と言っても、実際に書き込んでくださったのは1人だけなので、その質問+外来中によく聞かれるかなっていう質問に勝手に答えるようにする。自作自演Q&Aだ。
そして自作自演のくせに力入りすぎて長くなったから、2本に分ける。
続きは明日公開予定だ。
なお、今回は未就学児という想定で書いておく。年齢によってまた変わってくるとは思うので、小学生バージョンはいつかまた。質問があれば。

今回のQ&Aで扱う質問一覧(未就学児編)
【診断前後でよくある質問】
Q1 様子見と言われました。本当に大丈夫ですか?
Q2 発達障害の診断がつくメリットは何ですか?
Q3 診断がつくデメリットはありますか?
【検査についての質問】
Q4 何か検査はしないのですか?
Q5 脳波は取らないのですか?
Q6 鉄分がいいと聞いたのですが本当ですか?
【就学までの流れに関する質問】
Q7 未就学児で受診した場合、就学までどんな流れになりますか?
Q8 知的障害と診断されました。知能検査の数字はもう変わらないのですか?
今回はこの中から、
Q1〜Q4の「様子見・診断・検査」に関する質問に答えていく。
Q1
様子見と言われました。本当に大丈夫ですか?
A:どの年齢でにもよるが、まず乳児検診の場合。
1か月、3-4か月、6-7か月、9-10か月、1歳、1歳半、3歳と検診があると思うが(公費だったり自費だったり自治体によって少し異なります)、こちらとしては1つ前の検診でできててほしいことが次の検診でできていないとちょっと心配になる。2つ前の検診でできてて欲しいことができてなければ、大きい病院を紹介する。特に首が据わらないは急ぎたい。その場合はその場で言われると思うが、とりあえず次の検診を必ず受けるようにして欲しい。それまでにフォローが入ればそこに必ず行って。
検診がもうなく、医療機関に受診してそう言われた場合や地域の保健センターなどで言われた場合、「次」を確認しよう。何歳、何ヶ月までにどうだったら、次また来たほうがいいか。特に忙しいクリニックの外来だと、残念ながらそこが抜けてしまうことが多い。そこまで説明しろよというツッコミはごもっともなのだが、私も含めどうしても抜けてしまうことはあるのでちょっと勇気を出して聞いてみてもらえるとありがたい。逆に、そこで曖昧な回答の場合はちょっと不親切かなという印象なので、別の所の意見を求めてみてもいいかもしれない。
Q2
発達障害の診断がつくメリットは?
A2
ASD、AD/HD、LDともに、関わり方がある程度確立されてきているので、支援がされやすくなる。もちろん1番は個別性が大事なのだが、それぞれ「型」みたいなのを知っているとアプローチの方法が増えると思う。支援の世界も様々だが、最初から慣れた人なんかおらずみんな必ず新人から入るので、そういう人にとっては子どものことを理解する手掛かりにもなったりする。
他には、ある程度病名がある方が学校での扱われ方やサービスを使うのに便利だったりする。
後いわゆる制度として、知的障害があれば療育手帳(自治体で呼び名が変わる)、なければ障害者保健福祉手帳などの制度もある。
どちらも、取ったところで就学前のメリットはあまりない。
電車やバスなどの料金や公共の施設の利用料金が無料になったりはするが、そもそも就学前だとかからないことが多いだろうし、金銭的な補助もないし(重度の場合は特別児童扶養手当がつくこともある。また、自治体によっては軽度でも補助があることもある)、サービス利用にも求められないことが多い。(就学前はね。)
親の税金の控除は受けられることはメリットだが、申請も更新も大変なので、その苦労をしてまでもらいに行くかどうかは家庭と地域のサービス次第といったところだ。
Q3
診断のデメリットは?
A3
メリットの所でアプローチされやすくなるとも書いたのだが、そういう風に「ラベリング」されてしまう事でその子自身の特性よりも病名の方で見られてしまうことがあるかもしれない。
そうあってはいけない事だと思うが、どうしても現実はそうなることがある。理解に乏しい人、世の中の状況を受け入れられない人は残念ながら子どもと関わっていく職業の中にもいる。なんなら病院だって、自閉症で診察できない子はうちでは診れませんなんて平気で言ったりする。
バリアフリーが提唱されて久しいが、まだまだである。
なんなら発達障害なんてないなんて言ってる政党があったが、あそこは絶対に支持しない。そんな無理解でちゃんとした政治ができるとは思えない。
Q4
何か検査はしないのですか?
A4
検査としては知能検査はどこかのタイミングで絶対に行った方がいい。知的発達症の記事で書いたが、診断の前提が変わってくるからだ。
その他血液検査や画像検査で何か特徴的な検査結果は出てこない。
ただし、他にてんかんがあるとか、身長がすごく小さいとか、別の体の症状があれば別だ。そこを見落とさないのは大切である。
最近は小児の疾患では遺伝子検査も多く行われるか、知的発達症だけ、ASDだけ、ADHDだけでは通常は遺伝子検査まではいかない。今後何かしらのそういう検査が医療機関通さずに出てくることもありそうだなと考えているが、病院を通さない遺伝子検査はお勧めしない。
終わりに
今回は、未就学児の発達外来でよく聞かれる質問のうち、
・様子見でいいのか
・診断のメリットとデメリット
・どんな検査をするのか
といった、「診断前後で不安になりやすいこと」を中心にまとめてみた。
というか長くなったので途中で切った。
次回はその続きとして、
・脳波や鉄分などの補充の話
・就学までどんな流れで進んでいくのか
・知能検査の数字は今後も変わるのか
といった、少し先を見据えた質問について書いていこうと思う。
発達の相談は、一度受診したら終わりではなく、
その後どう見ていくかの方がむしろ大切だったりする。
続きを読んでもらえたら嬉しい。
なお、今回の他にもそれぞれASDやAD/HD、知的障害(知的発達症)についてまとめた記事たちもあるのでよければそちらもお願いします。
