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いきなり開業する在宅ワーカーたち|観察メモ

こんにちは、いとです。
「無理しない働き方」を目指している事務員です。

SNSでよく見かける言葉がある。
「開業届を出しました!」
「今日からフリーランスになりました!」

もちろん、前向きで素敵なことだと思う。
でも、どうして在宅ワーカーって、いきなり開業するんだろう?

そう思ってしまうのは私だけだろうか。


「開業=前向き」という空気


在宅ワークやオンライン事務・秘書の界隈では、
「行動すれば変われる」というような表現がよく使われる。だから、開業届を出すことが「一歩踏み出した証」として祝福される。

まだ仕事の見込みもない状態で、
「収入ないけど、開業してみた!」と宣言している光景に、私は少しだけ違和感を覚える。

なんというか、料理をしたことがないのに突然「カフェを開きます!」と言っているような感じだ。

そんな感覚に近い。


行動することが目的なのか?


行動することは確かに大切だと思う。
でも、開業届って責任の始まりでもある。

収入が不安定な状態が続いたり、様々な手続きに追われて「こんなはずじゃなかった」と感じる人も少なくないのでは?

それでも、周りが「すごい!」「えらい!」と褒めてくれるから、誰も慎重であることを選ばなくなる。

そして、「とりあえずやってみる」が、いつのまにか「正解」みたいな空気をつくっている。

もちろん、「保育園の継続のために開業届を出す」というケースもある。自治体によっては、就労証明のために開業という形を取らないと在宅ワークが認められないこともあるからだ。

それ自体を否定したいわけではない。

ただ、「制度上の必要」と「自分の働き方の意思」がごちゃまぜになってしまうと、あとから負担になることもある。

「みんなそうしてるから」ではなくて、なぜ開業するのかを一度立ち止まって考える時間が必要だと思う。


“いきなり開業”の前に必要なこと


私は在宅で働く方法を調べるようになって、BPO業界(企業のバックオフィス業務を請負うビジネス)を知った。

業務委託というかたちで企業の一員として、チームの中で仕事を覚える。正社員でもパートでもないけれど、ちゃんと現場のバックオフィス業務を支えている。

まずこういう場所で、実務を経験してから開業しても遅くないのではないだろうか?

自由を手に入れるために、いきなり飛び出すよりも、きっと長く続けられる働き方になると思う。

現場を知らない未経験者がいきなり開業して、フリーで活動を始めるのって在宅ワーカーくらいでは?


扶養に入れるかどうかの現実


「扶養内で在宅ワークをやりたい」と思ったとき、「開業届を出したら扶養から外れるの?」という不安が必ずついてくる。

結論から言うと、開業届を出しただけでは自動的に扶養から外れるわけではない。
扶養の判断材料になるのは、収入や見込み年収であって、開業届そのものではないようだ。

ただ、ここがややこしいところで、扶養の判断基準は加入している健康保険組合によって違う。

開業届を出しただけで審査対象にする組合もあれば、実際の収入が増えない限り何も言われない組合もある。

答えは「組合による」という、はっきりしないものだ。

だから、SNSで「開業届を出しても扶養のままでいけました!」という声を聞いても、その人のケースが自分に当てはまるとは限らない。

制度はシンプルじゃない。

暮らしとお金と働き方を守るためには、「とりあえず開業」はちょっと怖いなと、私は思ってしまう。

ちなみに、私は現在の在宅ワーク先から就労証明書を発行してもらえている。開業届を出さずに、保育園の継続手続きは問題なく通った。

だからこそ思う。
制度上どうしても必要なケース以外は、急いで開業する必要はないのでは?


じゃあ、私は?


ここまで書いて、「じゃあ、あなたはどうするの?」という声が聞こえてきそうだ。

私は今、週4×1日5時間の業務委託で1社とだけ契約して働いている。

経費なんてほとんどない。
これ以上、契約数を増やしたらフルタイムに近い働き方になってしまう。それは私が望んでいるかたちではない。

年収は、社会保険の扶養内の130万円未満。
「暮らしのバランスを守ること」が最優先だ。
今の状態で開業届を出すメリットは、ほとんどない。

むしろ、社会保険や扶養の判断で余計なリスクを背負う可能性のほうが大きい。
制度がシンプルならまだしも、さっき書いたように結局は「組合による」世界ですべてがグレー。

だから私は、開業届は必要になったときに出せばいいものなんじゃないかなと思っている。

今は、それで十分だ。
急いで大きな一歩を踏み出すより、ちゃんと立っていられる足場を固めるほうが大事だと思う。

もしかしたら、私が知らないだけで、“いきなり開業” にもメリットがあるのかもしれない。


目的と手段をはき違えないために


開業したからといって、すぐに仕事が安定するわけではない。月によって案件数が変わったり、継続していた仕事が急に終わることもある。

「自由に働ける」と思っていたのに、いつの間にか「次の仕事を探す日々」に疲弊してしまう人も少なくない。

だからこそ、まずは「自分に合う働き方はなんだろうか」と考えるほうが大事だと思う。

開業は、その延長線上にあってもいいはずだ。
「なぜ開業するのか」という問いが置き去りにされている気がする。

一歩踏み出すことは、確かにすごい。

でも、本当の意味での“自立”って、「続けられるかたちを見つけること」なんじゃないかなと思っている。


………と、よその人のことなんて放っておけばいいのに、今日もまた長々と書いてしまった。




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