『悪魔城ドラキュラ -キャッスルヴァニア-』 第18話「夢のような日々」
レノーアから服と靴を与えられたヘクターは、次いで夜の散歩に連れ出される。一方、リンデンフェルドでは、サンジェルマンが無限回廊を落下していく悪夢を見ていた。そしてジェノヴァ郊外では、アイザックが元哲学者だという魔物から人間の頃の話を聞かされていた。
前回の紹介記事はこちら。
第三シーズンも後半に入りましたが、まったくそんなことは気にしていないかのように、マイペースで展開する今回。物語は前回出番のなかったヘクターとアイザック――そして意外にもサンジェルマンの視点から描かれます。
その中でもメインとなるのはヘクター。もはや出るたびにどんないたぶられ方をされるのか、ゲンナリしてくるヘクターですが、以前レノーアから差し入れされた服と靴を装備して、少しはマシな外見にバージョンアップ。そこにやってきたレノーアは、可愛い顔に似合わない下品なギャグを飛ばしつつ、ヘクターを夜の散歩に誘います。そのままだと脱走されかねないと(ストリーガが言ったということで)首輪とリードをつけて。――またかよ! 隙あらばヘクターを辱める方向に持っていくなこの作品……
なにはともあれ、二人きりで(ビジュアル的には最低な感じで)夜の散歩に出たヘクターとレノーアですが、ここでレノーアが語るのは、またしてもかつてのドラキュラの計画と自分たちのそれとの違い。もちろん、この城に来るまでにめちゃくちゃにカミーラにいたぶられたことを忘れていないヘクターですが(その頃、いかにも脳筋っぽいストリーガがカミーラに「あれはなかったんじゃないか」とツッコミを入れていたのだから、周囲もドン引きだったかと)、そこに笑えない吸血鬼ジョークを交えながらレノーアはフォローを入れます。そしてドラキュラはヘクターを騙して協力させたけれども、自分たちは違うとヘクターに語るのですが――騙されないでヘクター! というこちらの声はもちろん届かず、元の牢ではなく個室に案内されたヘクターは「えっ、意外といいところあるじゃん……」的な気分に。さらに首輪を外す時にめちゃくちゃ近い距離に顔を寄せられてドギマギ――もうお前はそれでいいや……
そんな逆ときメモ的展開が繰り広げられていた頃、リンデンフェルドではトレバーとサイファが平和にイチャイチャしていたさらにその頃、サンジェルマンは厩っぽいところで着の身着のまま寝っ転がって(意外と貧乏?)悪夢の真っ最中。その悪夢とは無限回廊を落下していくというものですが――夢とはいえ、二脚歩行戦車やら破壊された月を背景に浮かぶ円盤やら、なるほどあらゆる時間と空間が交錯しているというのも納得の空間で、ここを使えば他のコナミ作品とクロスオーバーできるのでは、などと余計な感想も浮かびます。
そしてミラー次元的な空間も登場したりして、製作時期的には『ドクター・ストレンジ』公開後だったなあ――とこれまた余計なことを考えていると、やがて現れたのは女性らしいシルエット。これこそがサンジェルマンが探し求める大切な人のようですが、サンジェルマンの叫びも虚しく彼女はどこかの空間に飲まれ、サンジェルマンの手には彼女が投げた水晶のみが残ります。
この水晶が今なおサンジェルマンの手元にあることを考えると、この悪夢はかつて実際にあったことのようにも思えますが――意地悪いことをいえば、ここまで尺を取って描かなくてもよかったのでは、という気がしないでもありません。
そして今回のラストは、ジェノヴァ郊外で野宿するアイザックがクローズアップされます。夜の野外に人間は自分一人、あとは目を赤く光らせる魔物が黙りこくって立っている――という環境に耐えられなくなったのか、アイザックは人語を発することができるハエ男めいた魔物に声をかけ、自分に落ちる前の記憶について語らせるのでした。
古代ローマ帝国時代のアテネにおいて哲学者だった彼は、キリスト教徒によって哲学を――神の本質について議論することを禁じられ、弾圧を受けたと語ります。そして裏切りにあって捕らえられ、拷問の末に嘘をついたものの結局殺され、地獄に落ちたというのです。そんな彼は、罪を好きになることによって地上に戻れたと告げ、この命を有効に使いたい、復活させてくれたアイザックに感謝すると告げるのでした。
そんな思わぬ言葉に、アイザックがめちゃくちゃ複雑な表情を見せたところで、次回に続きます。
と、ヘクターのレノーアに対する好感度ポイントが上がったほかは、ほとんど物語に進展がなかった印象で、前シーズン以上に先が見えない展開にそろそろ不安になってきました。とくに、アルカードがこのシーズンなんのためにいるのかとか……
