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『悪魔城ドラキュラ -キャッスルヴァニア-』 第7話「影に潜む戦い」

 ベルモンド家の廃墟に辿り着き、封印されていた巨大な地下図書館に足を踏み入れるトレバー一行。そこでトレバーは伝説のモーニングスターを見つけ目を輝かせる。一方、悪魔城ではカーミラが執拗にブライラ攻めを主張、ゴッドブランドにドラキュラへの殺意を告げるのだった。

前回の紹介記事はこちら。

 トレバー一行とドラキュラたち、それぞれの陣営の動きが描かれる今回ですが、まだまだ本格的な戦いには至らず、物語は引っ張られます。冒頭で描かれるのはヘクターの少年時代ですが、悪魔精錬士の技能と半分中身の出た動物を愛でる趣味はその頃からのようで、それは家族には疎まれるよな――というのは正直な印象ではあります。しかし前回のアイザックといい今回のヘクター(さらにはカーミラ)といい、敵方の掘り下げの方が多い印象ですが、それだけドラキュラ側を単なる倒すべき敵としては扱わないということなのでしょう。

 そんな中、今回はようやくベルモンド家の掘り下げがなされることになります。瞬間移動する悪魔城に対抗するため、ベルモンド家に向かっていたトレバー、サイファ、アルカードの三人は廃墟と化した屋敷にようやく到着(途中、陰鬱な森の中で、トレバーがかつて遊んでいた大木を見つけるのがちょっと切ない)。相変わらずトレバーとアルカードは仲良しで、結構ギリギリな軽口を叩き合いますが、そんな中で12、3歳の頃に屋敷と家族を失い一人で暮らしてきたトレバーに対して粛然とした表情を見せるアルカードは、やはり育ちが良いのだと感じさせらます。そしてトレバーとアルカードは、対極のようでいて、とくに孤独という点では似ているのだとも。
 さて、むしろキャッスルヴァニアの舞台になりそうな荒廃した屋敷の有り様には、本当に残されたものがあるのか心配になりますが、しかし魔法で封印された扉が地下を守っていました。その扉をエノク語(色々と言いたくなりますが、ここは「神の言葉」というくらいに解しておきましょう)でサイファが開け、中に足を踏み入れてみれば――これが本当に広い! 悪魔城の蔵書庫よりも広いかもしれません。図書館の主もいないその管理状態を過激にdisるアルカードですが、しかし意外なことにきっちりと目録も作られており、この図書館を作ったレオン・ベルモンドと子孫たちの努力が偲ばれます。

 その割になぜかぞんざいに開けられていた隠し扉からトレバーは宝箱を発見(本を踏むな!)。普段は飄々としているトレバーが珍しく興奮しながら雑に開けた宝箱の中にあったのは――モーニングスター! 悪魔城ドラキュラでモーニングスターといえば、月下のこん棒が浮かびますが、本作のモーニングスターは、ムチの尖端に刃のついた金属片をつけたもの。一番近いのはアーケード版の鎖鉄球でしょうか。これで攻撃力も二倍です。
 トレバーがそんなパワーアップに喜び、サイファが目録と格闘している間、一人憂い顔なのはアルカード。展示品の中に、かつてベルモンド家の獲物となった吸血鬼たちの頭蓋骨(中にはかなり小さなものも)を見つければ、それも無理はないでしょう。そこにあるのは、あくまでも吸血鬼と人間(吸血鬼殺し)の両者が、相容れない存在であるという証なのですから……

 そしてそれとは異なる形ながら、吸血鬼と人間の関係性は奇しくもヘクターの回想の中でも語られます。一年前、軍隊の製造を求めて自らヘクターに助力を請いに来たというドラキュラ(ということは宣戦布告時には軍隊の当てがなかったのか!?)。そこでヘクターはドラキュラに対し、残酷な大量虐殺ではなく「慈悲ある」間引きと家畜化を提言していたのです。この辺りは、人間は嫌いだが残酷に滅ぼすほどではない、というヘクターの微妙な心境の現れですが、ドラキュラもそれを受け入れたのです。
 しかし今回のラストでは、ゴッドブランドはドラキュラが人間を絶滅させると考えて抗議に向かい(そして滅茶苦茶ドラキュラの不興を買って縮み上がる)、それに対してドラキュラはゴッドブランドの言葉を否定しなかったわけですが――はたしてドラキュラの真意はどこにあるのか。ゴッドブランドは今回を含めた一連の言動にドラキュラの自殺願望を感じ取るのですが――ヘクターもどこか不安を感じているところからすれば、見るからに脳筋なゴッドブランドの直感も侮れないというべきでしょうか。

 そしてそれを老耄からくる狂気とバッサリ切り捨て、かつての自分の生みの親の吸血鬼同様に殺してのけるとカーミラがついに叛意を露わにしたところで、次回に続きます。


(しかし今回、ベルモンド家の瓦礫をほいほいと取り除けるアルカードといい、ゴッドブランドにものすごい蹴りを食らわせるカーミラといい、吸血鬼の怪力がさらりと描かれるのはなかなかよいですね)

前回の紹介記事はこちら。


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