【伝説】フランツ・リストのピアノ曲紹介
この記事では次の曲を紹介します。
伝説 S.175
描写的な宗教音楽の傑作。全2曲。1860年から1863年にかけて作られる。なお両曲の聖人は同名だが別人。
ここでの演奏はヴィルヘルム・ケンプによるもので、その録音についてピアニストのアルフレート・ブレンデルは「誰にもまねすることが出来ないレベルに達している」と絶賛しています。
第1曲 小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ S.175/1
2つの伝説の第1番。聖フランチェスコにまつわる伝説「聖フランチェスコの小さい花」にインスパイアされて。リスト自身による合唱曲「聖フランチェスコの太陽賛歌 S.4」からの主題の引用あり。
第2曲 波を渡るパオラの聖フランチェスコ S.175/2
2つの伝説の第2番。リストはパオラの聖フランチェスコの伝説が描かれた絵画を所有していた。その絵画にインスパイアされて。リスト自身による合唱曲「パオラの聖フランチェスコに寄せて S.28」からの引用あり。
他の好きな録音:ヴラド・ペルルミュテール、ヴァルター・ルンメル、ミェチスワフ・ホルショフスキ、エルヴィン・ニレジハージ、ヴィルヘルム・ケンプ(DGの新録音)、ゲルハルト・オピッツ、アルフレッド・コルトー(2番のみ)、エドワード・ヴァイス(ブゾーニ編の2番のみ)
波を渡るパオラの聖フランチェスコ 〔簡易稿〕 S.175/2bis
伝説の第2曲を簡素化したもの。1863年頃作られた。当初、通常稿と共に出版される予定だったが、1976年になるまで出版されなかった。
【関連作品】
アッシジの聖フランチェスコの太陽賛歌 S.499
聖歌「甘き喜びのうちに」を使用した作品。1881年作。もとは聖フランチェスコの「太陽の歌」をテキストとした合唱曲。リスト自身はピアノ独奏稿へは「聖フランチェスコの賛歌」と省略タイトルを用いているが、ハワードは「この曲も合唱曲と同じタイトルがふさわしい」と主張。1983年に新リスト全集にて初版された。その他「アレルヤ」との共通動機もある。上記「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」の関連作品。
演奏はイェネ・ヤンドー。
聖フランチェスコ - 太陽賛歌への前奏曲 S.498d
同じく聖歌「甘き喜びのうちに」を使用した作品。上記の太陽賛歌への付随作品。そして同じく「アレルヤ S.183/1」との共通動機もある。
演奏はマーティン・カズン。
【その他】
波を渡るパオラの聖フランチェスコ 〔ブゾーニ編〕
伝説第2曲のブゾーニ本人やブゾーニの弟子たちが演奏していたバージョンです。ここでの奏者アルトゥーロ・ピサロですが、彼自身はブゾーニの系譜には属していません。彼はリストの弟子ホセ・ヴィアンナ・ダ・モッタの直系になります。ダ・モッタはブゾーニの親友でもありましたが、ピサロがこのバージョンを演奏していることになにか関係があるのでしょうか?(この音源、CDでは入っていなかったノイズが入っています…)
ちなみにブゾーニは伝説第1曲も編曲したそうなのですが、その自筆譜は現在失われています。
波を渡るパオラの聖フランチェスコ 〔ホロヴィッツ編〕
ホロヴィッツも伝説の第2曲を改編して演奏しています。
アレルヤ S.183/1
聖歌に基づいた作品で、同素材を「聖フランチェスコの太陽賛歌」へも使用している。1862年作。
演奏はフィリップ・トムソン。
マニフィカト S.182a
上記「アレルヤ S.183/1」の初稿。この自筆譜にリストは「無効である」と書いている。つまり出版の意図はなかった。
いと高く! - 「ストラスブール大聖堂の鐘」への前奏曲 S.500
カンタータ「ストラスブール大聖堂の鐘 S.6」の前奏曲にあたる部分のピアノ独奏稿。1874年作。その他声楽稿、管弦楽稿など多数あり。詩はロングフェローの「黄金の伝説」より。ロングフェローへ献呈。ハワードの探索の結果、アメリカ議会図書館にてピアノ独奏で演奏できうるこのピアノスコアのコピーを発見。この「いと高く!」の主題をワーグナーはパルジファルで「拝借」(本人の言葉)しているが、リストもそのことは認識していた。そしてリストは後に「リヒャルト・ワーグナーの墓に」でこの「いと高く!」の主題を使用している。
● 楽譜紹介
新リスト全集の楽譜では今回ご紹介した楽曲は以下のものに収録されています
・2つの伝説 S.175
・波を渡るパオラの聖フランチェスコ 〔簡易稿〕 S.175/2bis
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・アッシジの聖フランチェスコの太陽賛歌 S.499
・聖フランチェスコ - 太陽賛歌への前奏曲 S.498d
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・アレルヤ S.183/1
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それではみなさま良い一日を
